歴史家・人類学者のエマニュエル・トッドはかつて、米ドナルド・トランプの第一次政権について、「偉大な大統領だったとは言えないが、重要な大統領ではあった」と評価していた。そのトッドが、仏紙「フィガロ」のインタビュー番組に出演。トランプ次期政権についての展望を語った。 ソ連の崩壊や英国のEU離脱を予言したフランス最大の「知性」はいま、「トランプ2.0」の世界をどう見るのか。 「米国が敗北したときの大統領」として名を残す インタビューは、「トランプが大統領に返り咲いても、米国は偉大な国には戻れないのか」という問いから始まる。 これに対しトッドの答えは、「米国が偉大な国に戻れるとは考えていません」。「いま、多くの人がトランプを勝者だとみなしていますし、実際、トランプのシステムのなかでは彼は勝者ではあります。ですが、彼は経済がボロボロになりつつある米国で、勝者になっているに過ぎません。しかも、その米国