東京電力福島第1原発事故の収束作業で最難関とされる溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しは、先行する2号機で3回目の延期となり、当初の計画から3年近く遅れることになった。汚染水の発生源となるデブリを取り除かない限り、原発の高いリスクは解消されない。 2017年から国費を投じて開発してきたロボットアームは、性能不足などで当面は使用できなくなった。デブリの採取を急ぎたい東電は、代わりの手段として釣りざお状の装置に変更。19年に原子炉格納容器内へ投入し、デブリとみられる堆積物に触れた実績がある方法にかけるしかなくなった。