2008-01-01から1年間の記事一覧
虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)作者:田中 哲弥東京創元社Amazonというわけで、今「虚構機関」を読んでいる。考えてみればSFアンソロジーを読むのは久しぶりで、実に楽しく読んでいるわけだけれど、大森望の序文にこんなことが書いてあった。 ほら、…
すまない。また「炉心融解」の話なんだ。もうリピートが止まらなくてね。音的なことは難しいことよくわからないんだけど、キャッチーでJ-POP的なメロディーやオケとドラムンベースをくっつけた時点で、もう勝ったも同然というか。ありそうで(特に最近は)な…
久しぶりに書くエントリがボーカロイドオリジナル曲の感想だというのも、アレですが。 いやあ、この曲がすごいなーと。 連想したのはKUDUのTemptationという曲だったり。Kuduアーティスト:KuduVelour RecordingsAmazon激しいビートに乗って唄われるのは、な…
入場料を取る未来の書店を考える上記のエントリを読んで、入場料を取る本屋について空想してみた。ただ、これは私が「こんなところがあったら行きたいなー」と思ったものであるので、ビジネスとして成り立つのかとか、既存の新刊書店を救うとか、そこらへん…
この一連のエントリでハヤカワ文庫JAの作品群をどう取り上げたものか、いやあ、悩ましいものがある。 無視できないカタログがそろっているものの、年代別に取り上げるようなアプローチを取るには欠落が多すぎるし、クラシックとも言える作品については他の…
サイバーパンク運動が終わってもSFは続く。 90年代以降、わかりやすい大きな流れは特にない。もちろん、注目すべき流れや作品・作家はある。 言い換えると、まだまだきちんとした世界地図を誰も書いていない程度には、90年代以降の海外SFは混沌とし…
と、いうわけで、80年代に華麗に登場したサイバーパンクは瞬く間に燃え広がり、SFを席巻した。 ……のか? 本当に? サイバーパンクはすごかった。それは確か。多くの才能を輩出したし、多くの影響をもたらしたし、それに続く作品や、他の作家が便利に使え…
かつて、そこには豊かな森が広がっていた。最初期にそこに移り住んできた作家たちはその地域の利用可能な資源の豊かさに目を見張った。入植者たちは「SFktkr! これで勝つる!」と喜んだ。 仕留めやすい獲物も多かったし、果実ももぎ放題だった。 すぐ近く…
ニューウェーブ以降、80年代に入るまでわかりやすい運動・流れといったものはないのだけれど、すぐれた作品は多く生み出された。 そんな中でも注目すべきは女性作家の台頭だと思う。 36・「闇の左手」アーシュラ・K・ル・グィン 37・「所有せざる人々…
80年代初頭に、グレゴリイ・ベンフォードあたりが筆頭になってファンタジー汚染論なるものが唱えられたことがある。簡単にまとめると 「なんか最近、舞台を『遠い未来の他の惑星』に置き換えただけのサイエンスファンタジーばっかし幅きかせやがって。俺ら…
先のエントリで「というか、60年代後半から80年代を迎えるまでの作品群、なぜかいまでは入手しにくいものが多いのである」と書いたけれど、先のエントリで名前だけ挙げた作家たちの他にも、これから挙げる作家たちのことを念頭においてあのように書いた…
英米のSFを語るときに、1950年代のことを黄金時代などと言ったりすることがある。 ようするに定番中の定番。鉄板中の鉄板。ミステリで言うならクリスティやらクイーンやら。歴史小説で言うなら司馬遼太郎やら藤沢周平やら。それくらいの作品が発表され…
以前からハヤカワ文庫はHOT HITと題してフェアを行っていたんだけれども、それがこの秋からハヤカワ文庫の100冊としてリニューアルするのだそうで。うち10タイトルをマニア垂涎の復刻・復刊が占めていたり、25タイトルが新しいカバーになったり…
さて、なんとなく50年代、60年代ときて、じゃあ次は70年代なのだけれど、そういった流れを追うようなやり方だと、なかなか言及しにくいような作家・作品というのもでてくるわけですよ。 また、そんな作品・作家に限って好きだったり面白かったりするわ…
60年代に入ると、イギリス発でニューウェーブと呼ばれる流れが起こる。簡単に言うと、マンネリ気味なSF業界に生きのいい若手が小説技巧やそれまでなかった主題や実験を武器に殴り込みをかけた。で、ジュディス・メリルという有名な編集者が「英国、SF…
社会人になり新潟を離れて、もう早いもので10年経つ。碌に帰省もしていないので、街はすっかり変わってしまっているだろう。 私が学生時代を過ごした90年代の新潟市には外資系のレコード店が3店あった。タワーレコード、HMV、Virgin。特にタワーレコードに…
ブックオフが出版業界から嫌われるホントの理由 : 2008-07-06 - 本屋のほんね上記エントリ、続編にwktkなわけだけれども。きっと新刊書店員のブックオフ体験記みたいなものが読めるのかなぁなどと勝手に期待していたりするんだけれども、いや、どんな商売で…
電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 - ITmedia Newsソニーと松下、お疲れ様でした。 で、ほぼ時を同じくしてam3、DS向け動画/書籍配信「DSvision」が7月3日開始こちらが公式サイト いやっほうっ! 意外なほどに話題になってないけど! 微妙に使い…
ご存知グールドの「人間の測りまちがい」が嬉しい文庫化。この機会に全国民この本を読むといいと思うお。 本書の邦訳につけられた副題は「差別の科学史」。 ごく簡単に言うと本書は、科学が人種差別や階級差別・および差別的な政策にどのようにして理論的バ…
SF小説を語るのに全てのSF小説を読む必要はあるか? - ハックルベリーに会いに行く 引用しよう。 だから、もし本当にSF小説を語りたいなら、読むのは一冊(多くて二冊)で良い。但し、それは重要な作品である必要がある。そして、それが重要な作品なのだとい…
本屋ってどうなっていくのだろう? 再販制度がそのまま維持されて、ダイエットしていく つまり、今と何も変わらないとしたら、今の傾向がそのまま続いていくわけで、いい感じに本屋の店舗数が減り、出版社の数も減る。 そして新刊書の市場がある程度小さくな…
米国を席巻する「新しい無神論者」の非寛容と、ほんの少しの希望 - macska dot org上記、欧米での無神論者批判の記事が小盛り上がりを見せているので、前に書いたエントリを再掲してみるよ。 グールドの「神と科学は共存できるか?」を読了した。そう、今年…
この二日間で有川浩「阪急電車」と「図書館革命」と「別冊 図書館戦争1」を読了した。図書館革命作者:有川 浩メディアワークスAmazon別冊 図書館戦争〈1〉作者:有川 浩アスキーメディアワークスAmazon阪急電車作者:有川 浩幻冬舎Amazonおかげで頭の中がすっ…
いや、今日、異動の内示があったんだけどね。 詳しく説明するのはめんどくさいので結論だけ言うと。 私、4月から新刊書店の書店員ですよ! わははははは!! ホームセンター→新古書店ときて、ここで予期せぬ新たな職業への挑戦だぁ! わははははは! 本人も…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇の「SF最新スタンダード200徹底紹介」、2番目は松浦晋也氏によるハードSFのブックガイド。その名も「科学+文芸≦SF ハードSF、理系小説」であります。 SFの中でも自然科学、ハード・サイエン…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇の「SF最新スタンダード200徹底紹介」。トップバッターを飾りますのが前島賢氏による「チバ・シティの現在 ポスト・サイバーパンク」でございます。 ご存知の方には野暮な事柄でございましょう…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇早川書房Amazon「SFが読みたい! 2008年度版」をあちこちつまみ食い的に読み進めているわけですが、その中に「SF最新スタンダード200徹底紹介」というコーナーがございまして。「この…
SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇早川書房Amazon最近忙しくてブログの方が更新できなかった・久々に趣味のSFの話題でも。 上記「SFが読みたい! 2008年度版」ようやく数日前に購入。細かいところはおいおいチェックしていくとして…
ここ数年、意識して著作権関係の話題を追うようになってから、「敬意」とか「リスペクト」とかいう言葉が、本当に大嫌いになってしまった。本来ならなかなか嫌いになるのが困難な言葉であるはずなのだが、困ったものである。 嫌いになった理由のひとつは、「…
ジャンルとしてのファンタジーをどうこう言う気は微塵もない。 あくまで名称の話。 もちろん、ハヤカワ文庫FTを攻撃する気もないし、スーパーファンタジー文庫や富士見ファンタジア文庫を非難する気もない。 問題なのは……ファンタジー文庫 - Google 検索あー…