年々数を減らしているガソリンスタンド。今回、2022年度のガソリンスタンドの開店数と閉店数が発表された。閉店したガソリンスタンドは開店数の7倍以上と減少が加速していることが明らかとなった。
文/ベストカーWeb編集部
アイキャッチ写真/Carolyn Franks-stock.adobe.com
写真/Adobe Stock、gogo.gs、TOYOTA
■閉店したガソリンスタンドは開店数の7倍以上!
近年ガソリンスタンドは、ハイブリッド車や電気自動車の普及によるガソリン需要の減少や、経営者の高齢化や後継者不足などで減少が続いている。
全国のガソリンスタンド数は、1994年度の約6万店をピークに減少。2017年度末には30747店とピーク時から半減し、その後も減り続けている。
そんななか、ガソリンスタンド情報共有サイト「gogo.gs」が2022年度に開店・閉店登録されたガソリンスタンド数を発表。
2022年度に開店したガソリンスタンドは76店舗。一方で、555店舗が閉店した。1年で479店舗がなくなり、閉店数は開店数の7倍以上と想像以上の結果に。
2021年度は92店舗開店、539店舗閉店だったため、開店数は減少し、閉店数は増加。ガソリンスタンド数の減少が加速していることが明らかとなった。
2023年4月13日時点でのガソリンスタンド数は27013店舗となっている。
■独自ブランドの割合増加! 既存の店舗もリニューアルで効率化を図る!!
新しくオープンしたガソリンスタンドの特徴として、大手元売りのマークを掲げていない独自ブランドが約4割を占めている。
現在あるガソリンスタンドの独自ブランドの割合は約1割なので、新規オープンについては独自ブランドの占める割合が多い。
また、既存のガソリンスタンドも新しく生まれ変わる動きが活発。リニューアルオープンしたガソリンスタンドは152店舗と、新規オープンの2倍となっている。
リニューアルオープンでは、フルサービスからセルフサービスに変更する場合が多く、コスト削減や効率化が図られている。ちなみに現在のセルフサービスの割合はガソリンスタンド全体の約4割。
利用していたガソリンスタンドが閉店して不便になったと感じるユーザーも少なくない。特に地方では給油のために数キロ先まで行かなければならないケースもある。このまま減少に歯止めがかからないと、ますます不便を強いられるユーザーが増えそうだ。
さておき、世界の自動車界をあげての「カーボンニュートラル化」を受けて、ガソリンスタンドの業態変更、既存の営業構造からの脱却は急務といえる。たとえば石油元売り大手ENEOSは最近「新車のサブスク」の広告しか見かけなくなったし、出光は2022年10月から中古車リースサービス「ポチモ」をローンチして同事業に力を入れている。
「百年に一度の変革期」と言われながら、日本の新車市場は(特にBEV販売や普及のためのインフラ整備は)あまり変革が進んでいないように見える。ゆっくり変わることは、現在の仕組みのうえで暮らす人々にとってはありがたいが、それで間に合うのか? 茹でガエルになってないか?? という不安もつきまとう。
わたくしたち自動車情報専門メディアももちろん他人事ではない。業態変更の時期と規模を見極める必要があるのは、モビリティ関連業界全体の喫緊の課題といえる。エネルギー業界の皆さま、一緒にがんばって変わってゆきましょう。
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コメント
コメントの使い方私はド田舎に住んでいますが、最寄りのGSは片道5kmかかります。
ここが無くなったら、最寄りは片道7kmになってしまいます。
でも、これはまだマシな方なんでしょうね…