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子どもにスマホ 〜導入&プチ失敗体験記〜

こんにちは。新規事業部の佐伯です。

今春、我が家では大手キャリアから MVNO への移行を実施しました。それに付随して子どもにスマートフォンを使わせることに決めたのですが、その顛末について自戒と反省を込めて、また子育て世代の方々の参考になればと思い、ここに記しておきます。

キッズケータイからスマホへ

通信費の削減という我が家の重要ミッションを達成すべく、長年使っていた大手キャリアから MVNO に MNP したのがこの春。長女には引き続き大手キャリアのキッズケータイを持たせていたのですが、5 年目にして遂に壊れてしまいました。同じものを買い直しても良かったのですが、子どもがスマホが欲しがっており(○○さんも使ってる!)検討することにしました。

妻は「まだ早いのでは?」と釘を刺してきましたが、職業柄、合法的に新たなガジェットを購入できる喜びに勝てず「まあ大丈夫でしょう」と押し切りました。「これも IT 教育だ」などと適当なことを言った気もします。

長女には 4 インチの Android スマホ(実売 1 万円ぐらいのもの)を購入。初期設定を行い、MVNO の用意したアプリをいくつか入れました。ここで行った設定が

  • モバイルデータ通信を 128kbps に制限

です。MVNO によって異なりますが、この設定だと家族間で共有しているパケット通信容量(6GB)を消費しません。また回線が細いため、親の目の届かないところで動画を見まくることも難しくなります。これは特に伝えていませんが「外では健康的に遊べ」というメッセージでもありました。もちろんパケット代をケチることが主な目的でしたが。

 

さらに金額をケチって「SMS 付きデータ専用 SIM」にしたので、親との連絡手段は専ら LINE と LINE 通話です。ただしそれだけだと未だガラケー利用中の祖父母や自宅の固定電話と繋がらず、また有事に備えて連絡経路は複数持つべき、ということで 050 番号が入手できる IP 電話サービスに登録し、

  • スマホを持つ親や友達とは LINE
  • ガラケーを持つ親戚や友達とは SMS
  • 急ぎの際は IP 電話

という使い分けが低価格で可能になりました。これが自分だと「不便だな」と思いますが、長女は結果的にいろんなアプリを使うことができて、楽しい様子でした。

運用

長女に対してはスマホを渡すかわりに禁止条件をつけました。

  • LINE や SMS で悪口禁止(そもそも悪口は言うな、ということですが)
  • 知らない人からの LINE や SMS は無視するか親に相談
  • LINE は QR コード経由の友だち登録に限定
  • アプリの追加インストールは親の承諾が必要
  • ゲーム機と一緒で、四六時中触っていて良いわけではない

自主性に任せたところも多く、不安もありましたが Android では(無料)アプリのインストールを禁止するのは難しい部分もあり、また定期的に(抜き打ちで)端末チェックするよ、と言っておくことで「長女は素朴なタイプの子なので無茶はしないだろう。抑止効果があるだろう」と様子を見ることにしました。

プライバシーの問題もあり、親とはいえ子どもの端末、各種履歴を覗き見することには賛否があると思います。私としても少し悩みました。実際に抜き打ちチェックしたのは利用開始1週間後と、2 ヶ月後の 2 回です。1 回目のチェックでは特に問題はありませんでした。

2 ヶ月後の端末チェック

スマホを渡してからは、日常の様子を注意深く観察するようにしました。また妻にも何か気になることがあれば教えて、と伝えていました。すると 1 〜 2 ヶ月ほどで

  • YouTuber などの話題を口にすることが多くなった
  • 宿題を忘れたり決められた手伝いをしなかったりで怒られることが増えた

という変化が見られました。宿題についてはスマホとの関連性がよくわからなかったので、とりあえず「宿題やった?」と声をかけるタイミングを変えたりして様子を見ることにしました。

すると妻から「長女がボーッとしている(ように見える)」「スマホを持つ前と後で、よく遊ぶ友達の顔ぶれが変わった」「帰宅後に自分の部屋に篭ることが多くなった」と報告されました。自分の観察結果を踏まえても、これはスマホの影響大だなと考え、釘を刺すつもりで 1 対 1 で長女と話すことにしました。

「スマホチェックするよ」と言うと特に嫌がる様子も無かったので、肩透かし。単純に YouTube ばかり見てるのかな、1 日 1 時間とはっきり言わないといけないかな、と思いながらスマホを見せてもらうと・・・

なんだこりゃ

  • インストールした記憶のないゲームで遊んでいた。
  • ゲーム実況アプリをインストールし、アカウント登録していた。また実際にゲーム動画を撮影し投稿していた。
  • YouTube にも同じゲーム動画と、自分が踊っている動画を撮影し投稿していた。
  • Twitter アカウントを開設し、自分の写真をプロフィールに登録していた。

正直ナメていました。たった 2 ヶ月で・・・という気持ちでした。

アプリのインストールについては、隠れてやっているかも?ぐらいには考えていました。なので「次からはちゃんと言いなさい」で済む話なのですが、SNS への登録と発信については「まあ、やらないだろう。そんなに興味ないだろう」という甘い考えがありました。

ゲーム実況アプリでは実況動画のコメント欄でやりとりの形跡が。相手から「何歳?」と聞くような投稿もあり、悪意はないとしても悪用される危険性がある状態でした。YouTube についてはどの動画も閲覧数が 3 〜 4 程度、Twitter ではいくつか適当に呟いていましたがフォロー・フォロワーとも 0 でした。

LINE では友達数人とグループを作っており内容は他愛のないものであったものの、タイムスタンプ的に「これ寝てる時間じゃない?」というものもあり、布団に隠して持ち込んでいた様子。遊ぶ友達の顔ぶれが変わったのは、スマホを持っている子を優先的に約束をして遊ぶようになっていたからでした。

ペナルティと反省

 

利用時間やアプリインストールなど、当初決めたルールを破った形跡があったので、叱ってスマホを取り上げることもできたのですが、私自身の「運用の甘さ」や「リテラシー教育の足りなさ」を反省する意味も込めて、お咎めは無しになりました。もちろん SNS アカウントは削除、今後動画等の投稿を禁止(もしくは親の承諾が必要)とし、あらためて「なぜ禁止するのか=なぜ危険なのか」を説明しました。

今回気づかされた点は、家庭によって子どもとスマホの距離感は異なる、ということです。そのため子どもに相当な自制心がなければ、スマホの「高度な」使い方や「新しい世界」はすぐに入手できるし、友達とその話題で盛り上がることでどんどん「過激」になってしまいます。それを止めるには試行錯誤しながら地道に教育していくか、スマホにおける全ての行動を「ロック」するしかありません。

今回は「より過激に」なっていく直前にストップをかけることができました。運も良かったのでしょうし、妻がアラートを出すタイミングが適切だったこともあるでしょう。今は以前よりもスマホの所在や利用時間を意識しながら「子どもとスマホ」の距離感を模索中です。どんどん進んでいくIT化の波にいきなり投げ出すのではなく、その時までじっくり、かつ妥協点を見つけながら「アンロック」していくつもりです。

 

ケータイ&スマホ、正しく利用できていますか?(小中学生版)(2016年版)

⼦どもたちのスマートフォン利⽤状況と課題(PDF)

 

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