The Speakeasy Three Pin Up Navy
当地でも桜が満開で、 春休みもかさなり、 うきうきした気分の週末になりそうです。 まわりはね。
わたしもけっこうな桜好きで、 ひとりでもお花見したり、 うまれたての (生後2か月くらいの) ムスメを連れて花見したりしてましたが、 そのころは 桜が咲きそうってだけで もうそわそわした気分になって じっとしていられなかったものです。
それがね、
なんかね、 もう桜はいいかなって 近年はおもうようになりました。 紅葉もそうだなあ・・・・ きれいだなあとはおもうんですけどね、 なんかこうココロにしみていくようなカンジがね、 なくなったっていうか、 わたしのクルマ黒なんで ぺったりとはりついた桜の花びらがどんどんよごれていくのを見ているときの滅入った気分を先取りしているような・・・・ 桜や紅葉が黄砂や凍結防止剤みたいな扱いになってしまっています。
もう一生分見ちゃったってことなのかなあ~ てゆーか、 変化するものに気分がおいつかなくなってきているのかも。 ヒトはそれを 老化って呼ぶんじゃなかったっけ・・・・・
そういや、 去年あたりから あたらしく本やマンガやドラマを見はじめるってことがなくなったような・・・・ マンガやドラマをおもしろそうかもとダウンロードするものの ついぞ見ることはなく、 相棒も今シーズンは録画したもののほったらかし・・・・ 映画なんて こどものおつきあいでしか見ないし・・・・ 好奇心がかつてなかったくらいうすれているような
「それは まちがいなく老化! 好奇心がなくなったとき ヒトは老いるし 羞恥心がなくなったとき ヒトはボケるんだよ!」
とわたしを叱ったのが、 こないだばったり会った友人。(↑ 上記は友人の勝手な偏見です)
「わたしはねえ! すくなくとも 今シーズンは 『半沢直樹』 は見たわよ! 話題になってるあたらしいものは ちょっとムリしてでも見ておかないと どんどん置いていかれるよ! はっと気づいたら 浦島太郎みたいに 老醜をさらしてることになるよ!」
・・・・そんなもんかしら。 てか、 キミもけっきょく半沢直樹しか見てないんじゃ・・ (しかも 彼女は元銀行員、 そりゃ見るだろ)
というわけで、 その後すぐに彼女から 「とりあえずコレを読みなさい」 とラインに送ってきた 第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作 「元彼の遺言状」 を読みましたが、 (かなり時間かかった・・・・)
いや申し訳ないけど、 あんまりおもしろくもなんともなかった・・・・
「つぎは 『推し、燃ゆ』 を読め」 と彼女から通達が来ているんですが、 ・・・・・・・・読むかな・・・・・・ 向上心のある友人が重たくなるのも 老化でしょうか?
最近おいしかったもの~ なかおちのポン酢あえ~ 揚げてあってうまい。
そんな彼女といえば いつも思いだすのが、 もちネタの自慢話。
「超イケメンとつきあったことがある」 ボケタグ。
なんでも、 何度もアタックして やっと自他ともにみとめる超イケメンとつきあうようになった彼女、 しかし 超イケメンくんは これまでの人生がずっとお花畑だったので 気性や性格そのものはわるくないものの 自分以外のニンゲンが何を考えているかとかそういう他者にたいする想像力が皆無で、 無神経なふるまいに、 何度も別れようとおもいつめるも、 「こんなイケメンとつきあえるのは まずまちがいなく今回が最初で最後。 今回は 目をつぶろう」 「いますぐ別れなくても どうせ終わりは来る、 いまは目の前のこのキレイなカオのことだけ見ていよう」 などと、 相互理解や解決は目指さない、 とりあえず 対話をつづけることに意義がある、 という外交方針で だらだらだらだらと丸6年! つきあいつづけ、 ちょうどわたしが結婚したのを見て 「ああ、 そうだった、 わたしも結婚しなきゃ」 とさっさと彼をポイして 別の人と結婚したのでした。 彼女いわく カオ以外は最低だった彼のおかげで、 すべてのハードルが低くなり、 さらにカオという結婚には不要な条件を外したら、 そこにはヒトのカタチをしたものならすべてあてはまる虚空があった・・・・ んだそうで、 温和を絵に描いたような旦那さんと いまもフーフでたのしく暮らしています。
あなごのてんぷら。 オットが好きで毎回注文します。
「元彼とつきあってたときはね、 道行く女性は ほぼみんな彼を見て それからわたしを値踏みするのよ。 あの視線がちくちくとほほを刺すカンジ、 キモチよかったわ~ 銀行員だったときにね、 お札をこう扇みたいにばっと広げて 数えるじゃない? あのときみたいな高揚感が毎日あってね」 (← 昔は 銀行それぞれに 独特のデモ用の数え方があったんです、 いまはぜんぶ機械だけど)
その元カレは、 彼女が別れを切り出したとき、 「え? なんで? オレがプロポーズするのを待てなくなったってこと?」 そして 彼女の返事 「え? イケメンくん、 だれかにプロポーズするの?」
う~ん、 外交だねえ~~~ 二国間協定のためなら 領土のこともかんがえてもいいんだけど~~ いや、 領土問題なんてそもそもありませんから かんがえなくてもいいです! みたいな。
彼は 「てことは、 オレは遊びだったってこと??」 とはじめて真剣に詰め寄ってきたそうで、
「わたしほど 万難を排して (あらゆる欠点を見過ごして) あなた (の外見) を愛したヒトは これまでもこれからも ぜったい現れないわよ! だから お別れなの! わたしは 身を引くわ! (結婚するから) あなたの幸せを祈っているわ! (わたしにはカンケーなくなるから) 元気でね! (刺されるなよ)」
という彼女の啖呵に 彼は深く感銘を受けて 泣いていたそうです・・・・・
と、 そこで、 切れ目なく早口で話される関西弁に圧倒されていたうちのオットが、 やっとこ口をはさみ、 (10年くらい前のおうち飲み会でのハナシです~)
「6年も じぶんのなかで渡りをつけて やってこれたんだったら、 案外 結婚してもうまくいったかもしれないんじゃない?」
というようなことをいい、 友人も いつものようにはぎれよく 「そんなんムリにきまってるやん」 とか言い返すのかとおもいきや
「・・・・そうなんだよね、 じつは ときどきそうおもうときもあって、 彼と結婚してたら いまごろどうだったんだろって。 不満はいっぱいあって 喧嘩ばっかりだけど、 まあこのカオなら許せるか、 ってなってるのかなあとか。 わたしもこげみたいに こどもをもつつもりで 子育てのことかんがえて、 穏和な人と結婚したんだけど、 結局こどもはできなかったから、 そういう夫婦でがちゃがちゃした波乱万丈な生活もあったんじゃないかなあって 最近おもう。 まあ、 いまのほうが 安定してて和やかでいいのはまちがいないんだけどねえ」
「結婚すると、 そういうじぶんをだましだましやってくスキルは 確実に上がるからねえ。 ボクも、 仕事で疲れて ドアを開けた瞬間に このヒト (わたし) に ゴミ袋わたされて 出してきて、 っていわれたときとか」
ほうほう
「コレ (わたし) は 観葉植物なんだ、 根が生えてるから ゴミを出しにいけないんだろうって じぶんに言い聞かせてる。 うちのなかで 観葉するために もってかえってきたのはボクなんだから まあ ハイメンテでもしょーがないよなって。 で、 ゴミ出ししてるあいだは 観葉植物がよたよたしながら ゴミを運んでるところとか想像すると 笑えてくるんだ」
「うん、 いまのご主人のハナシで、 いろいろふっきれそう。 わたしやっぱり そんなじぶんをだましだまし生きる生活ムリだわ。 フーフといえども やっぱりどっちかは パースペクティブな視点をもたなくちゃね」 (perspective 大局的な)
と言い放って 彼女は帰ってゆきました。 人生をかけたネタがあるって すばらしいことです。 じつは みんなにあるんです。 よね?