shelff 七回目のうちの一冊。
コーラの話は出てこないし、シリーズものの第三弾をいきなり読むのはちょっとイマイチだった。ストーリー仕立てになってるぶん、登場人物の関係や過去の因縁などが不明なのでノイズになる。
「イノベーションのジレンマ」とか「フリーミアム」みたいな話を噛み砕いて説明していて、まあ確かにああいう本を一冊読むのはなかなか骨が折れるのでこういうインスタントな本でエッセンスだけ知ることに意義はあるとは思う。本家を読まずして語るな、という感じもするので負けた感はあるが。
一箇所だけ付箋を貼った箇所は、主人公の会社のライバルが無料の会計ソフトを提供しているが実態は法人購買代行ビジネスであり、無料の会計ソフトは企業の購買データをタダで入手するための手段に過ぎない、というところ。これが、有料の会計ソフトを販売していた既存企業に対する破壊的イノベーションになるわけだが、ビジネスモデル、要するに「どこで稼ぐか」を考えることの重要さがわかった。
実際の厚み以上に薄っぺらい本で、二日で読めた。キャラクターがデフォルメされ過ぎていてまったく感情移入できなかった。バリューマックス社の女社長が有能な部下にビジネス書を引きながら講釈を垂れるシーンがあるが、部下を諭してる暇があったらさっさと自分で意思決定して行動しろよ、こいつが一番の無能だな、と思った。