Kent Beckの『Tidy First?』を読んだ
本書は、より広い範囲を扱う「リファクタリング」ではなく、もっと狭い範囲である「コード整頓」を扱う本
意図的に狭い範囲に絞って論じてることもあり、全部で132ページしかない
語り口も非常に軽妙で、さらっと読めてしまう
第Ⅰ部には15個の整頓方法が出てくるが、どれも解説自体は非常に短く、さらっと終わっているのだけど、その背景には長年の経験から深い洞察がある
しかし、きっと日本でこの手の本を書こうとしたら、もっと網羅的に!とか、もっと高度なテクニックを!みたいな指摘が来て、読み切れないような量になってしまうのでは?と思った
第Ⅰ部、全部でたったの40ページしかない
どれも、「え!もう終わり?」くらいの解説だし、「デッドコード」の章なんて実質「消そう」しか言ってない、超シンプル!
「ステートメントを小分けにしよう」も、実質「ちゃんとコードの区切りに合わせて空白行を入れよう」しか言ってない
一つ一つがシンプルだし、解説も少ないからこそ「まずはやってみよう」と思わせるシンプルさ、引き算の世界
続く第Ⅱ部がタイトルである「Tidy First?」の伏線回収に入るターン
じゃあhowは分かったけど、whenは?というのがこの章のポイント
how, when と続いて、第Ⅲ部は、「why」...なぜ整頓をしないといけないのか、その理由が語られるところがポイント
単なるプラクティスのカタログ本かな?と思っていたけど、そうではなく、一つ一つの手法はさらっと、かつすぐに実践できるレベルに留めて、実際のコードにどうやって適用していくか、それが理路整然と書かれていて、非常に面白く、一気に読み切ってしまった
ただ、一回読むだけで終わりにするのはもったいないし、何度でもこの先読める本
一方で、実際のコードの整頓方法に関する解説は40ページしかないので、まずはここまで読み切って、実際のコードに適用してみることを繰り返して見るのがいいかも
世の中のコードの書き方の本は、ゼロから書くか、全部を一度に奇麗に直すことが前提になっていて、なかなか「現実と折り合いをつける」ことにフォーカスしていないので、ここまで実践的な本はなかなか無いと思う
とにかく最初の40ページを読んでみましょう!!!