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2020/05/16

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  • 「ふつうのLGBT」像に抗して──「なじめなさ」「なじんだつもり」から考える

    森山至貴,2024,「ふつうのLGBT」像に抗して──「なじめなさ」「なじんだつもり」から考える,青土社.(1.30.25)「もうLGBTなんてふつう」って言っておけばいいと思ってない?「ゲイコミュニティ」になじめないゲイという立場に留まることから見えてくる、うわべだけのセクシュアルマイノリティ理解を脱するための処方箋。わりと簡単なことを難解な言葉で言い表そうとすることにより、読む側の思考が切断されてしまう難はあるものの、マイノリティに一見配慮しているかのような言説の偽善、マイノリティが隔離されてしまう「居場所」というゲットーの息苦しさ等、よく考え抜かれて指摘されているように思える。「わたしはわたしでしかない」のに、ゲイ、トランス等のカテゴリーに回収されてしまうことへのイライラ、怒りが、ビシバシ伝わってく...「ふつうのLGBT」像に抗して──「なじめなさ」「なじんだつもり」から考える

  • クロスオーバーイレブン

    いやいやいや、なんとも懐かしい。クロスオーバーイレブン1986(1986/05/某日)「真夜中のコーヒーブレイク(?)」NHK-FMまだまだ音源が高価な希少品で、FM雑誌の番組表を見て、お目当ての楽曲をカセットテープにせっせと録音していた、あの時代。パイオニア、ソニー、ダイアトーン(三菱)、トリオ、オーレックス(東芝)、サンスイ等々、幾多のメーカーがこぞってオーディオ機器を量産していた、あの時代。深夜のFM放送は、居間にあったパイオニアのオーデイオ機器ではなく、もっぱら自室のラジオにかじりついて聴いていた。「クロスオーバーイレブン」の語り手は、津嘉山正種さん。多感であったあの頃の自分を久しぶりに思い起こして感傷に浸るwあの頃のラジカセから流れる音楽の、なんと眩しかったこと。自我が音に乗って溶け出して宇宙に...クロスオーバーイレブン

  • メメント・モモ──豚を育て、屠畜して、食べて、それから

    八島良子,2024,メメント・モモ──豚を育て、屠畜して、食べて、それから,幻戯書房.(1.29.25)そこに理由を見出すのは、きっと人が生きやすくなるためでしかない。なぜこのようなことをするのか、命懸けで考えていきたい。コロナ禍の瀬戸内海・百島。愛豚と向き合った333日の記録。行政と折衝を重ね、どう屠ったか。アーティストの八島さんは、子豚を貰い受け、約一年、200kgを超すまで育て上げて、屠殺し、肉を食らう。人は、通常、ペットを食べることはできない。「仲間は食べてはいけない」という禁忌は、「近親者とは性交してはいけない」というインセスト・タブーともども、普遍的なものであるが、八島さんは、あえて、この禁忌を犯す。八島さんは、自らの月経痛についてたびたび言及している。食べ、飲み、排泄するモモの世話をする八島...メメント・モモ──豚を育て、屠畜して、食べて、それから

  • HemiSync

    自室で流す音楽は、あいかわらず、ロック、レゲエ、ジャズのジャンルからアーティスト/アルバムごとに再生しているんだが、久しぶりに、数日前から、夜間、HemiSyncを流している。HemiSyncは、瞑想し、深層意識にアクセスして、変性意識状態を実現するための音楽だ。HemiSyncCosmicConsciousness RelaxingMusicwithHemi-Sync®FrequenciesforExpandedAwareness#binauralうーん、目をつぶってヘッドフォンかイヤホンで聴いたら、効果あるのかもしれないけど、もっぱら、なからリスニングなんで、変性意識に到達するなんて、どうも無理っぽい。でも、まったく耳障りでなく聞き流せる音なんで、受験や資格取得の勉強の環境音楽としては良いのかもしれな...HemiSync

  • 日本の文脈,現代霊性論

    内田樹・中沢新一,2012,日本の文脈,角川書店.(1.28.25)『日本辺境論』の内田樹と、『日本の大転換』の中沢新一。野生の思想家がタッグを組み、いま、この国に必要なことを語り合った渾身の対談集。アタマの切れるお二人なだけに、文句なしにおもしろい。丁々発止というより、論点、話題があっちこっちに飛んで──それが「おばさん」的なのだそうだがポリコレ的にそれはまずいと思うぞ──わけわかめになりそうになりながら、共鳴、共感するほかない、ふわっとした結論に着地する。内田さんの、贈与=人間始原論には、心底、共鳴する。内田(前略)すべての人間的営為は、突き詰めれば、「贈与と反対給付」によって構成されている。労働もそうなんです。労働は労働するに先立って、すでに贈与を受けたことに対する返礼なんです。等価物の交換じゃない...日本の文脈,現代霊性論

  • 最終講義──生き延びるための六講、街場の憂国論

    内田樹,2011,最終講義──生き延びるための六講,技術評論社.(1.27.25)人間はどのように欲望を覚えるのか、どうやって絶望するのか、どうやってそこから立ち直り、どうやって愛し合うのか…。2011年1月22日、神戸女学院大学で行なわれ、多くの人々に感銘を与えた「最終講義」を含む、著者初の講演集。超少子化・超高齢化時代を迎えて日本の進むべき道は?学びのスイッチを入れるカギはどこにある?窮地に追いつめられた状況から生き延びる知恵とは?…いまを生きるための切実な課題に答える。学問の楽しさというものは、自らの知性──脳と身体が最高のパフォーマンスを達成し、自らを縛り付ける常識、認識枠組み、価値前提を自ら打ち壊すことにある。(前略)どうやったら学びのモチベーションを高く維持できるか、そのためには使えるものは全...最終講義──生き延びるための六講、街場の憂国論

  • スムージーとフレンチトースト

    スムージー。いちご、ブルーベリー、バナナ、ハチミツ、牛乳をミキサーにかけて出来上がり。フレンチトースト。両方とも、簡単にできて、おいしい。スムージーとフレンチトースト

  • 貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

    ジェーン・スー,2014,貴様いつまで女子でいるつもりだ問題,幻冬舎.(1.26.25)未婚で子なしの女の人生、それもまた悪くはない──このジェーン・スーさんといい、酒井順子さんといい、彼女たちは、アラサー、アラフォー世代シングルの背中をポンと叩いて励ましてくれる頼もしい存在だ。刺すような男の視線から逃れられるアラサー以降は、女性にとって、なんて生きやすいのだろう──そんな実感が、鮮度の高いネタとともに繰り出される軽妙洒脱な筆致から伝わってくる。目次貴様いつまで女子でいるつもりだ問題女子会には二種類あってだなていねいに暮らしオブセッション私はオバさんになったが森高はどうだ三十路の心得十箇条エエ女発見や!カワイイはだれのもの?メガバイト正教徒とキロバイト異教徒の絵文字十年戦争隙がないこと岩の如しファミレスと...貴様いつまで女子でいるつもりだ問題

  • ナニカアル、残虐記、リアルワールド

    桐野夏生,2010,ナニカアル,新潮社.(1.23.25)昭和十七年、南方へ命懸けの渡航、束の間の逢瀬、張りつく嫌疑、そして修羅の夜。波瀾の運命に逆らい、書くことに、愛することに必死で生きた一人の女を描き出す感動巨編の誕生。女は本当に罪深い。戦争に翻弄された作家・林芙美子の秘められた愛を、桐野夏生が渾身の筆で灸り出し、描き尽くした衝撃の長篇小説。評伝小説と呼ぶには、あまりに脚色、創作の部分が大きく、これは、作家、林芙美子の、「こうであった、ありえたかもしれない」人生を描いた、フィクションとして読むべきものであろう。一気に読ませる筆力はさすがというほかない。「ナニカアル」(桐野夏生)−−作家・林芙美子の大いなる謎桐野夏生,2004,残虐記,新潮社.(1.24.25)失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五...ナニカアル、残虐記、リアルワールド

  • 「ふつう」の私たちが、誰かの人権を奪うとき──声なき声に耳を傾ける30の物語

    チェ・ウンスク(金みんじょん訳),2024,「ふつう」の私たちが、誰かの人権を奪うとき──声なき声に耳を傾ける30の物語,平凡社.(1.24.25)「一縷の望みにかける思いで電話しました。どうか助けてください」読み書きができず告訴状を提出できない老齢の囚人、精神病院に閉じ込められた外国人労働者、人望が厚い上司から受けた性暴力、コーチの体罰に耐えるスポーツ選手……韓国・国家人権委員会で働く調査官のもとへ届く、悔しさを抱えた人々の訴え。人権を守るために、私たちはいったい何ができるのか?現役の調査官が出会った人々の姿を描く、心揺さぶるノンフィクション。「時に裏切られ、騙されても、市井の人々の痛みと悲しみに寄り添う。人権とは、人間の尊厳とは何かを何度も問い直しながら」──望月衣塑子さん(ジャーナリスト)法律と制度...「ふつう」の私たちが、誰かの人権を奪うとき──声なき声に耳を傾ける30の物語

  • 子どもを森へ帰せ──「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる

    宮台真司・おおたとしまさ,2024,子どもを森へ帰せ──「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる,ホーム社.(1.23.25)ニッポンの教育は、ここから――。いま「森のようちえん」という幼児教育のスタイルが、世界的に注目されています。いわゆる野外保育であり、子どもたちは大人の指示にただ従うのではなく、自然環境に誘われるままに自由に動き回ります。それには日本の里山の環境も、じつにフィットするのです。気候変動や民主主義の機能不全など、国内外でさまざまな課題が立ち現れる中、「森のようちえん」の実践には、世の中を変える可能性があります。それはなぜでしょうか?本書は、社会学者の宮台真司さんと、教育ジャーナリストのおおたとしまささんによる師弟対談をもとに、葭田昭子氏、坂田昌子氏、関山隆一氏らユニー...子どもを森へ帰せ──「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる

  • 書いてはいけない、マンガ 誰も書かない「真実」 日航123便はなぜ墜落したのか、官僚生態図鑑

    『書いてはいけない』では、ジャニー喜多川による1,000人近い少年への性加害とその隠蔽、財務省主導の超緊縮財政政策、そして自衛隊による日本航空123便撃墜(疑惑)と米国従属による日本経済の失速、以上が取り上げられている。『マンガ誰も書かない「真実」日航123便はなぜ墜落したのか』は、『書いてはいけない』第3章とほぼ同一の内容。『官僚生態図鑑』は、本来、非常に優れた資質、能力をもつキャリア官僚(財務省官僚を除く)が、フリンジ・ベネフィットを喪失したがゆえに官僚自らの利益にかなう愚かな政策を推進している現況を指摘する。わたしとしては、ほとんどすでに知っていることばかりであったが、このような極めて真実に近い重大なことがらが未だに広く知られていない事実に戦慄する。森永卓郎,2024,書いてはいけない,三五館シンシ...書いてはいけない、マンガ誰も書かない「真実」日航123便はなぜ墜落したのか、官僚生態図鑑

  • 【旧作】女から生まれる(アドリエンヌ・リッチ女性論)【斜め読み】

    アドリエンヌ・リッチ(高橋茅香子訳),1990,女から生まれる(アドリエンヌ・リッチ女性論),晶文社.(1.21.25)地球上の人間はすべて女から生まれる―。そのことは、女を理想化し、母性神話をはびこらせる一方、女が自分自身の生き方を選択する自由を奪ってきた。男中心の社会のなかで、制度化された「母性」がかかえこむあらゆる問題を検討し、産む性としての女のからだとこころを解放する視点をあきらかにする。3人の息子の母としての体験を問いなおし、歴史的文献を緻密に分析して、「あたらしい古典」としていまや世界中で大きなインパクトをもって読みつがれる、リッチのフェミニズム「母性論」の名著。詩人、アドリエンヌ・リッチは、本書で、月経、性行為、妊娠、出産、授乳・・・自らの身体と向き合い、詩的言語を駆使して父権制に取り込まれ...【旧作】女から生まれる(アドリエンヌ・リッチ女性論)【斜め読み】

  • 文化系女子という生き方──「ポスト恋愛時代宣言」!

    湯山玲子,2014,文化系女子という生き方──「ポスト恋愛時代宣言」!,大和書房.(1.20.25)腐女子とリア充は両立できる!文学、コミック、音楽、ファッション、アート…気がつけば文化系女子ばかり!!!文化系・肉食系バイリンガルの湯山玲子が間違った文化系女子に喝ッ!!!世にはびこる文化系女子図鑑。現代文化と教養についてのキレキレのエッセイ。いま、いちばんイタいのは、カネと権力に執着する男と、そうした下賤な男に貢がれるのを最大の喜びとするクズ女だろう。人生を楽しむノウハウを知る賢い人は、野卑な欲望から脱却し、文化、教養の世界で遊ぶ。そして、そこで学んだ教養を、俗世での高貴な欲望に昇華させる。楽しく美しく生きるとはどういうことか、本書には、文化、教養を極めた人にしかわからない世界が展開されている。目次第1章...文化系女子という生き方──「ポスト恋愛時代宣言」!

  • 女子と貧困──乗り越え、助け合うために

    雨宮処凛,2017,女子と貧困──乗り越え、助け合うために,かもがわ出版.(1.20.25)原発事故母子避難、シングルマザー、キャバ嬢、育児ハラスメント、進学めざす生活保護の女性…くらしとたたかいの現場から。全編取材・書き下ろし。女性の貧困、そのさまざまなかたちが八つの事例に集約されている。たんに事例を紹介するわけではない、雨宮さんが貧困当事者と向き合い考えたことが、当事者の語りと交錯し、力強いメッセージを読む者に突きつける。孤立と冷笑のまえに屈することなく、声を上げること、クレームを申し立てること、そして連帯することの大切さをあらためて思い知る。目次1「自分が適当に育てられたから、自分の子どもはちゃんと育てたかった」―原発事故による自主避難者の加緒理さん。子ども時代の貧困と、事故後の困難2「不幸比べも我...女子と貧困──乗り越え、助け合うために

  • さよなら!ハラスメント──自分と社会を変える11の知恵

    小島慶子編著,2019,さよなら!ハラスメント──自分と社会を変える11の知恵,晶文社.(1.19.25)財務省官僚トップによるセクハラ問題、医学部不正入試問題、スポーツ界を揺るがす数々のパワハラ、アイドルに対する人権無視…。問題は至るところに噴出し、平成の終わり、私たちはやっと目覚めようとしている。そもそも、ハラスメントとはどういうことなのか?なぜハラスメントが起きるのか?ハラスメントのない社会にするために何が必要なのか?自分にできることは何か?ハラスメントと社会について考えるためのヒントを、小島慶子が11人の識者に尋ねる。ハラスメントの在りようは、いまの日本を写し出す鏡でもある。すこしずつ、前に進むために、みんなでいっしょに考えよう!2017-2018年の#MeToo運動以降、セクハラ、性暴力被害を受...さよなら!ハラスメント──自分と社会を変える11の知恵

  • 人間の土

    サン・テグジュペリ(田中稔也訳・挿絵),2024,人間の土,明月堂書店.(1.18.25)「精神の息吹が粘土に吹き渡ってこそ、人間は創りだされるであろう」サン=テグジュペリが『人間の土』を通じてしみじみと訴えたヒューマニティは、今を生きる若者たちの心に果たして届くだろうか。ぜひ届いて欲しい。繰り返される戦争と虐殺の時代に新たな連帯を模索し新世代に贈る祈りの書。まだ飛行機が危険極まりない存在であった時代、サン・テグジュペリは、定期郵便機のパイロットとして、数多くの生死の危険に身を晒した。墜落死した友を悼み、サハラ砂漠に不時着し死に直面した自らの経験を回想する。生命を蕩尽する戦争を憎む一方で、たんなる土くれに終わらぬべく、生死を賭けた飛行に、生命の炎を燃焼させる。話し言葉に近い、思い切った訳文が見事だ。目次第...人間の土

  • 責任

    浅野皓生,2024,責任,KADOKAWA.(1.18.25)雪の深夜の当直中、刑事の松野徹は不審車両に遭遇し職務質問する。運転手の藤池光彦は急発進、徹は追跡するが車は交差点に突っ込み、光彦と通りかかった車の家族四人が死亡する大惨事となる。警察への批判が強まりかけたとき、光彦が事故直前に強盗致傷事件を起こしていたと判明、非難は遺族に集中した。冤罪を疑う光彦の両親から再捜査を嘆願された徹は、自責の念に誘われるように引き受けてしまう。新事実など出てきようがない、はずだったが―。第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞優秀賞受賞作。第一章では、過去の事件の真相を追う刑事、松野徹が主人公であるが、唐突に徹は死に、第二章では、徹の娘、莉帆が主人公となる。そして、事件の裏に、妹を性虐待された兄、藤池光彦の復讐劇があったこ...責任

  • 苦情はいつも聴かれない

    サラ・アーメッド(竹内要江・飯田麻結訳),2024,苦情はいつも聴かれない,筑摩書房.(1.17.25)「美しく書かれ、すっかり惹きこまれた。まさに今、私たちに必要なテキスト。」――アンジェラ・Y・デイヴィス「感動的であり、連帯の源でもある。抗議し、変化のために闘う勇気を与えてくれる。」-ジル・クロージャー、教育社会学「強くお薦めする。上級学部生から教員、専門家まで。」――『チョイス』誌「大学における権力とその濫用についての、慎重かつ洗練された分析。」-バハラク・ユセフィ、カレッジ&リサーチ・ライブラリー組織内のハラスメント、性差別、人種差別に対して声を上げた人々は何を経験するか。本書では大学に苦情を訴えた学生や教授陣など60名以上への調査をもとに、組織・制度・権力が苦情を阻止し無力化するメカニズムを解き...苦情はいつも聴かれない

  • 自分を傷つけることで生きてきた──自傷から回復するための心と体の処方箋

    村松英之,2024,自分を傷つけることで生きてきた──自傷から回復するための心と体の処方箋,KADOKAWA.(1.17.25)学生のうち10人に1人が自傷経験がある時代。なかなか自傷から抜け出せず、大人も自傷する傾向にある。しかし、社会的には自傷に対する偏見もあり、たとえ回復しても友人や家族に言い出せなかったり、傷を隠しながら生きなければならない。著者の村松英之は形成外科医としてリストカットの患者の治療を行いながら、2022年には、日本自傷リストカット支援協会を設立。患者のサポートのほか、医師への啓蒙活動を行ってきた。本書は、当事者へのインタビューを通して、心と体の守り方を紹介する。自傷はいまを耐え抜くための唯一の方法、なかったことにされる「大人の自傷」、回復後こそ大きくなる「傷跡の問題」。大丈夫、あな...自分を傷つけることで生きてきた──自傷から回復するための心と体の処方箋

  • 予告された殺人の記録

    ガブリエル・ガルシア=マルケス(野谷文昭訳),1997,,新潮社.(1.16.25)町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか?閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた幻想とも見紛う殺人事件。凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。表紙の絵は、ジェームズ・アンソールの『仮面の中の自画像』。アンソールは、小学生のときに美術館で見て衝撃を受けた画家だ。そのアンソールの絵にふさわしい、禍々しい、ある殺人事件の記録が本書である。創作よりも、1951年に実際に起きたルポルタージュ寄りに書かれた作品であるので、ガル...予告された殺人の記録

  • 百年の孤独

    ガブリエル・ガルシア=マルケス(鼓直訳),2024,百年の孤独,新潮社.(1.15.25)世界46言語に翻訳され、5000万部を売り上げている世界的ベストセラー。宿業を運命づけられた一族の、目も眩む百年の物語。1820年代からの100年間の、マコンドという地でのブエンディア一族の盛衰を描く。入植、内乱、バナナ農園労働者の虐殺、古屋敷をさまよう死者の霊、150年を生きる老婆・・・おびただしい数の人物が現れ、奇矯な人生を生き、死んでいく。リアルな世界にありえないできごとが挿入され、現実と空想の境界が次々に破壊されていく。マジック・リアリズムの傑作だ。ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』読み解き支援キット池澤夏樹制作百年の孤独

  • 愛着障害と複雑性PTSD──生きづらさと心の傷をのりこえる

    岡田尊司,2024,愛着障害と複雑性PTSD──生きづらさと心の傷をのりこえる,SBクリエイティブ.(1.14.25)親との不安定な愛着を抱えた人は、未解決な心の傷である『愛着トラウマ』に苦しんでいる人が少なくない。深刻な虐待だけでなく、心理的な支配を長期にわたって受けつづけ、主体性を侵害されることで、「複雑性PTSD」を生じてしまうのだ。本書では、愛着障害のなかでも、愛着トラウマとそのもっとも深刻な状態である複雑性PTSDについて解説するとともに、克服の極意と最新アプローチをわかりやすく紹介する。愛着障がいと複雑性PTSD。主に親による不適切な関わりが愛着障がいにつながり、障がい当事者は、安全基地が欠落していることから、さらなる虐待や暴力の被害を受けやすくなり、愛着障がいに加えて複雑性PTSDを負ってし...愛着障害と複雑性PTSD──生きづらさと心の傷をのりこえる

  • 瞳のなかの幸福、私たちの望むものは

    小手鞠るい,2019,瞳のなかの幸福,文藝春秋.(1.13.25)カタログ会社で働く35歳の編集者、妃斗美。婚約を破棄された過去を持つ彼女は、これからひとりで生きていくために、大きなものを買って、小さなものを拾った。手に入れたふたつの“幸福”は、彼女に何を与え、何を奪っていったのか。弟から「早く結婚しろ」と無神経なおせっかいを受ける主人公、妃斗美。妃斗美は、2つの大切なものを手に入れる。自分の家とねこ。こんな小さな生き物に、こんなにも大きな力が宿っているなんて。これはマジックだ。これは愛のマジックだ。こんなにも小さくて軽くて、ふわふわしててあたたかくて、やんちゃで愛情深くて、野性味たっぷりの美しい生き物がただそばにいてくれるだけで、人はこんなにも満たされて、こんなにも幸せになれるものなのだ。これが魔法でな...瞳のなかの幸福、私たちの望むものは

  • 天使に見捨てられた夜 (新装版)

    桐野夏生,2017,天使に見捨てられた夜(新装版),講談社.(1.12.25)AVでレイプされ、失踪した一色リナの捜索依頼を受けた村野ミロは、行方を追ううちに業界の暗部に足を踏み入れた。女性依頼人が殺害され、自身に危険が及ぶ中、ようやくつかんだリナ出生の秘密。それが事件を急展開させた…。乱歩賞受賞直後に刊行された圧巻の社会派ミステリー。「ミロシリーズ」第2弾!女性探偵、ミロが主人公のハードボイルド小説シリーズ、第二作。ろくでもない男への情愛に自らを傷つけながら、隣人のゲイ、「トモさん」との友情を育むミロのこころの成長が印象に残る。最後は、あっと驚くような結末に至る。極上のサスペンスが味わえる作品だ。天使に見捨てられた夜(新装版)

  • ポリティコン 上・下

    桐野夏生,2014,ポリティコン上・下,文藝春秋.(1.10.25)上理想社会の実現を目指し、東北の寒村に建設された唯腕村は、もはや時代遅れとなったユートピア思想の残滓である。村の人間関係に倦み、強烈に女を求める青年・高浪東一は、謎の男と村に流れ着いた美少女・マヤを我がものにしようともがき、自らの運命を狂わせてゆく。理想郷を舞台に繰り広げられる、絶望郷のごとき愛憎劇!下村の理事長となった東一は、危険なビジネスに手を染め、マヤとも愛人契約を結ぶ。だが、心の渇きは癒されず、あるまじき手段で関係を断ち切ってしまう。十年の後、都会の片隅に沈んだヤマは、憎むべき東一の成功を知る。再会した二人を待ち受けるのは、破滅か新天地か―。性愛の暗部を容赦なく抉った衝撃作!本作の主な舞台である唯腕村は、武者小路実篤等による「新し...ポリティコン上・下

  • 家父長制の起源──男たちはいかにして支配者になったのか

    アンジェラ・サイニー(道本美穂訳),2024,家父長制の起源──男たちはいかにして支配者になったのか,集英社.(1.10.25)《各界から絶賛の声、多数!》家父長制は普遍でも不変でもない。歴史のなかに起源のあるものには、必ず終わりがある。先史時代から現代まで、最新の知見にもとづいた挑戦の書。――上野千鶴子氏(社会学者)男と女の「当たり前」を疑うことから始まった太古への旅。あなたの思い込みは根底からくつがえる。――斎藤美奈子氏(文芸評論家)家父長制といえば、“行き詰まり”か“解放”かという大きな物語で語られがちだ。しかし、本書は極論に流されることなく、多様な“抵抗”のありかたを丹念に見ていく誠実な態度で貫かれている。――小川公代氏(英文学者)人類史を支配ありきで語るのはもうやめよう。歴史的想像力としての女性...家父長制の起源──男たちはいかにして支配者になったのか

  • なぜ働いていると本が読めなくなるのか

    三宅香帆,2024,なぜ働いていると本が読めなくなるのか,集英社.(1.9.25)【人類の永遠の悩みに挑む!】「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。日本人の読書と労働の歴史を読み解くユニークな論考。まあまあおもしろかったのだけど、長時間労働に縛り付けられたら、とてもとても本を読む余裕などもて...なぜ働いていると本が読めなくなるのか

  • 引き裂かれた自己──狂気の現象学

    R.D.レイン(天野衛訳),2017,引き裂かれた自己──狂気の現象学,筑摩書房.(1.8.25)世界から隔絶されているように感じられ、絶望的な孤独のなかで自分自身が分断されていく―統合失調症とはそうした病である。しかし、患者の世界に徹底的に寄り添い、彼らの声に真摯に耳を傾けていくなかでみえてくるのは、苛烈な現実に身を置かざるをえなかったひとりの人間が、それでもなんとか生きようと苦闘する、その姿である。従来の精神医療のあり方に疑問を抱き、反精神医学運動の旗手となった異才の精神科医R.D.レイン。その主著にして、ドゥルーズ=ガタリらの現代思想や、今日のサブカルチャーにも多大な影響を与えつづける古典的名著。統合失調症の治療となると、もっぱら抗精神病薬の処方である昨今であるが、オープンダイアローグ、妄想・幻覚・...引き裂かれた自己──狂気の現象学

  • ユリゴコロ

    沼田まほかる,2014,ユリゴコロ,双葉社.(1.7.25)ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか―。絶望的な暗黒の世界から一転、深い愛へと辿り着くラストまで、ページを繰る手が止まらない衝撃の恋愛ミステリー!各誌ミステリーランキングの上位に輝き、第14回大藪春彦賞を受賞した超話題作!快楽殺人に取り憑かれた女性、彼女は自分の母なのか?末期がんの父親をもつ主人公は、快楽殺人とその衝動を綴ったノートを発見し、読み耽る。父親のトラウマとなった男の子の死は、快楽殺人者、母の所業であった。そうとも知らず、父は母と一緒になり家族をつくる。幾重にも張り巡らされたできごとの伏線、それが新たなできごとによって徐々につ...ユリゴコロ

  • 海を抱く──BAD KIDS

    村山由佳,2003,海を抱く──BADKIDS,集英社.(1.7.25)超高校級サーファーであり誰とでも寝る軽いやつと風評のある光秀。一方、まじめで成績優秀、校内随一の優等生の恵理。接点のほとんどない二人がある出来事をきっかけに性的な関係をもつようになる。それは互いの欲望を満たすだけの関わり、のはずだった。それぞれが内に抱える厳しい現実と悩み、それは体を重ねることで癒されていくのか。真摯に生きようとする18歳の心と体を描く青春長編小説。二人の主人公、恵理と光秀──高校生の女の子と男の子の繊細なセクシュアリティのありようが、とてもリアルに描かれている。大人の鑑賞に耐えられる青春小説の傑作だ。過去の記憶と重ね合わせ、甘酸っぱく切ない感傷に浸れるかもしれない。海を抱く──BADKIDS

  • マタハラ問題

    小酒部さやか,2016,マタハラ問題,筑摩書房.(1.6.25)働く女性が妊娠・出産・育児を理由に退職を迫られたり、嫌がらせを受けたりする「マタニティハラスメント(マタハラ)」。労働局へのマタハラに関する相談は急増し、いまや働く女性の3人に1人がマタハラを経験していると言われている。本書は「NPO法人マタハラNet」代表による「マタハラ問題」の総括である。マタハラとは何なのか。その実態は、どのようなものなのか。当事者の生の声から問題を掘り下げる。以下は、小酒部さんが立ち上げたNPO、「マタハラNet」に寄せられた、マタハラ発言の数々である。「相談なしに妊娠するな」「堕ろす覚悟で働け」「妊娠するとわかっていたら、君なんか雇わなかった」「妊娠したの?迷惑だ」「あなたがどうなろうが私は知らない。妊娠は自己責任だ...マタハラ問題

  • 【旧作】お姫様とジェンダー──アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門【斜め読み】

    若桑みどり,2003,お姫様とジェンダー──アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門,筑摩書房.(1.6.25)コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』が刊行され、話題をよんだのは一九八二年。すでに二十年以上になるが、その間、「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは、ますます大量に生産され、消費されている。大量に消費されるからその影響力も絶大である。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。若桑さんは、勤務先の女子大での授業、「ジェンダー文化論」にて、学生に、ディズニーのアニメ、「白雪姫」、「シンデレラ」、「眠り姫」を...【旧作】お姫様とジェンダー──アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門【斜め読み】

  • 【旧作】性と愛の日本語講座【斜め読み】

    小谷野敦,2003,性と愛の日本語講座,筑摩書房.(1.6.25)「恋愛」という言葉が近代になってつくられたことはよく知られている。では「恋人」はどうか。徳川時代には「情夫・情婦」というのがあったが、それはどういう意味で使われたのか?「情欲」や「不倫」はいつ頃生まれたのか?また「逢い引き」は?本書では、『太陽の季節』『チャタレイ夫人の恋人』等の文学作品、各時代に流行った歌謡曲やマンガ等を材料に、時に外国語との比較を交えながら、性と愛にまつわる日本語の意味の由来や変遷をたどり、日本語の面白さを発見していく。色恋、セクシュアリティに関連する言葉、その変遷をたどる。小谷野さんは、冒頭、「パートナー」という言葉への違和感を吐露しているが、わたしも同じように感じてきた。パートナーという言葉には、「たんに排他的な性交...【旧作】性と愛の日本語講座【斜め読み】

  • マンゴーと手榴弾──生活史の理論

    岸政彦,2018,マンゴーと手榴弾──生活史の理論,勁草書房.(1.5.25)沖縄戦の最中に手渡された手榴弾と、聞き取りの現場で手渡されたマンゴー。「こちら側」と「あちら側」の境界線を超えて行き来する、語りと記憶と「事実」。ストーリーの呪縛から逃れ、孤独な人生について、過酷な世界について、直接語り合おう。「約束としての実在論」へ向けた、ポスト構築主義の新しい生活史方法論。構築主義の極北には、価値相対主義の断片、その集積のみが残る。調査対象者の語りがすべてかぎかっこに括られ、いかなる一般化、普遍化も禁欲されるとすれば、提示されるものは、個別的にして一回性の断片のみである。「構築されたもの」を削ぎ落としたあとに、それでも残る「本質」を希求する、というわけでもない。断片に宿る普遍性をできるだけ盛ることなく提示す...マンゴーと手榴弾──生活史の理論

  • 日本いまだ近代国家に非ず

    小室直樹,2015,日本いまだ近代国家に非ず,ビジネス社.(1.4.25)政治家の本分は、国民に最低生活、心身の安全、私有財産を保障、保全すべく、立法、既存法令の改正、廃止を行うところにあり、行政官僚の役割は、法令に則り細則を定め、公僕としてつつがなく法令を執行するところにある。ところが、日本では、政治家には立法の能力も意欲も欠落しており、官僚が、省益と自らの昇進をかけて、政治家を操り立法行為までをも担う。ないがしろにされるは、国民の生活、生命、財産、である。家産官僚制の残滓を引きずったまま、いまだ近代官僚制の鉄則さえ遵守されず、公益が官僚共同体の私益に蹂躙される現実が、小室政治学によって鮮やかに解き明かされている。目次プロローグ誤解だらけのデモクラシー理解第1章大いなる資質を具えた政治家とは―田中角栄だ...日本いまだ近代国家に非ず

  • 小室直樹 日本人のための経済原論

    小室直樹,2015,小室直樹日本人のための経済原論,東洋経済新報社.(1.3.25)稀代の社会科学者にして数多くのベストセラーを輩出した小室直樹氏。その経済論の代表的著作『小室直樹の資本主義原論』と『日本人のための経済原論』を合本して復刻。経済学の基本、日本経済、日本社会の問題点を、博覧強記の著者が古今東西の逸話を取り混ぜながら解説。目指すところは「あなた自身が経済学者になれ」。著者の数ある著作の中で、まず最初に手にしたい小室思想の入門書。『ハゲタカ』著者・真山仁による解説文掲載。『資本主義論』と『経済原論』の合本、総700ページ近い大著。現代経済学の最良のテキストであるとともに、資本主義の駆動原理、官僚制の逆機能等、経済を活性化あるいは沈滞させる社会的要因についての考察がひかる。小室先生の経済学には、社...小室直樹日本人のための経済原論

  • 【旧作】猫のいる日々、不思議な猫たち【斜め読み】

    大佛次郎,1994,猫のいる日々,徳間書店.(1.2.25)大佛先生ほど、たんなる猫好きにとどまらず、数多くの猫たちの福祉に貢献した人はいない。捨て猫に餌と寝場所を提供し、その数、つねに15匹前後、生涯に500匹ほどの猫の面倒を見たという。本作には、猫にまつわるエッセイと、猫の童話とが収録されているが、どれも猫好きには興趣が尽きない内容だ。ジャック・ダン、ガードナー・ドゾワ編(深町真理子・浅倉久志・酒井昭伸・田中一江・山口緑・小川隆・羽田詩津子ほか訳),1999,不思議な猫たち,扶桑社.(1.2.25)猫―ひとびとからこよなく愛されながら、冷酷な動物として忌み嫌われ、神としてあがめられるいっぽう、悪魔の手先として虐殺までされた、不思議な生きもの。最も身近な存在でありながら底知れぬ謎をもつ猫は、人間の想像力...【旧作】猫のいる日々、不思議な猫たち【斜め読み】

  • 【旧作】ネコのこころがわかる本、なぜ、猫はあなたを見ると仰向けに転がるのか?(キャット・ウォッチング1)【斜め読み】

    ネコの魅力は、徹底して自己本位で、けっして無条件では人間に媚びない点にある。ミャーと鳴いて、からだを擦り寄せてくるときは、ちゅーるをあげないといけないし、ツメ研ぎの上に寝転がるときは、おしりをぽんぽん叩いてやらないといけない。連綿と受け継がれてきた野生と、幼年期の社会化と人間との共生で培われてきた社交性、この両者の気まぐれな表出、これが最大のネコの魅力だ。地位獲得のための闘争と、その結果としての独裁者や社会的追放者が存在するのは、すべての動物種のなかでイヌとサル、それにヒトの社会だけである。ある社会集団に所属することによる利益は、すべての個体にとって平等というわけにはいかない。なぜなら、ヒトをも含む動物界において、生物学的にもっとも優れた社会が同時に民主的であるとはかぎらないからである。したがって、その社...【旧作】ネコのこころがわかる本、なぜ、猫はあなたを見ると仰向けに転がるのか?(キャット・ウォッチング1)【斜め読み】

  • 女性失格、九死一生

    小手鞠るい,2021,女性失格,文藝春秋.(12.31.24)女とは何か?人はどうやって女になっていくのか?岡山の片田舎に生まれた女の子が、性に目覚める。進学校に進み、京都の有名私立大学に進学。そこで男たちと次々に「共犯関係」を結んでいくが、同時に性の対象とされることにも息苦しさを感じていた。そこから逃れるために結婚をするが、それでも女という性から逃れることができず不倫にのめり込む。結局は離婚してしまい、ボロボロになり……。女という性をやめられず、女という性から逃れられない「生」の先には何が見えるのか?太宰治の『人間失格』を下敷きに、「女性が女性であることで覗きこむ深淵」を照らし出す意欲作。女という着ぐるみを身にまとって生きることの悲しみを、太宰治の『人間失格』になぞらえて描き出す。自らのジェンダーロール...女性失格、九死一生

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