小手鞠るい,2011,望月青果店,中央公論新社.(2.20.25)母は私を許してくれたのだろうか?夫の誠一郎、盲導犬の茶々とアメリカで暮らす鈴子。岡山にある実家「望月青果店」には、もう5年戻っていない。ふいに訪れた停電の夜―故郷に置いてきた記憶がよみがえる。捨ててきたはずの故郷と母、交わされた約束。みずみずしくて甘酸っぱい、家族の物語。『レンアイケッコン』以来、3年ぶりの書き下ろし長編。毒親を地で行く母親との確執、盲目のピアニストである夫との穏やかな暮らし、そして、かつて想いあっていた隆史との切ない思い出。主人公、鈴子が抱える、寂しさ、切なさ、苦しさが高解像度で伝わってくる。恋愛小説としても、親子の葛藤を描いた家族小説としても、文句なしの傑作長編小説だ。小手鞠るい,2022,お母ちゃんの鬼退治,偕成社.(...望月青果店、お母ちゃんの鬼退治