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ハム美のBLコミックレビュー

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【BL漫画・BLコミックレビュー】不運な桜田くんは守られたくない(3)

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不運な桜田くんは守られたくない(3) レビュー

この度、手に取った『不運な桜田くんは守られたくない(3)』は、一言で言うと…心臓がぎゅっと締め付けられるような、切なくも甘美な青春でした。SNSで話題になっていた『近衛くんと桜田くん』と同一内容とのことですが、単行本として改めて読むことで、より深く物語の世界に浸ることができました。特に、この3巻は、二人の関係性が大きく動き出す、まさにクライマックスと言えるでしょう。

祐太朗の執着と、柊弥の揺れる気持ち

このシリーズを通して描かれる、近衛祐太朗の一途な想いは本当に凄まじいです。彼の柊弥への溺愛は、もはや執着と言っても過言ではないほど。けれど、その執着の裏には、柊弥への深い愛情と、彼を守りたいという強い願いが隠されているのが痛いほど伝わってきます。何度も柊弥を危険から救い出し、「ご褒美」と称してキスをする祐太朗。その行動は時に一方的で、柊弥を窮屈にさせてしまうこともありますが、決して悪意のあるものではなく、純粋な愛情表現だと感じます。彼の不器用ながらも必死な姿に、何度も胸が締め付けられました。

一方、桜田柊弥は、自分の不運体質を呪い、誰とも深く関わろうとしない、閉鎖的な心を抱えています。祐太朗の好意を理解しつつも、素直に受け入れることができず、その葛藤が見ていて辛かったです。彼の気持ちは、読者である私もすごく理解できるんです。だって、せっかく仲良くなっても、また自分のせいで何か悪いことが起こったら…と考えると、先回りして距離を置いてしまう気持ち、分かります。彼の繊細な心の揺れ動きが、細やかな描写で丁寧に表現されていて、感情移入せずにはいられませんでした。

じれったくも、甘く切ない展開

この3巻では、二人の距離がぐっと近づき、そしてまた遠ざかる、そんな繰り返しが描かれています。一歩踏み出そうとする祐太朗と、一歩引いてしまう柊弥。そのすれ違いは、見ているこちらがもどかしくなるほど。でも、そのじれったさが、この作品の魅力の一つでもあるんですよね。まさに、青春の甘酸っぱさと、切なさが凝縮された、最高の展開でした。

特に、クライマックスのシーンは鳥肌モノでした。祐太朗の告白、そして柊弥の反応…言葉では言い表せないほどの感情が渦巻いていて、何度も読み返してしまいました。二人の心情が繊細に描かれていて、感情の波に翻弄されるような感覚でした。

美しいイラストと、心に響くセリフ

この作品の魅力は、ストーリーだけでなく、イラストにもあります。キャラクターたちの表情や仕草が生き生きと描かれていて、まるで目の前で物語が展開されているかのような錯覚に陥りました。特に、祐太朗の優しい笑顔と、柊弥の複雑な表情の対比は、二人の心情をより深く理解するのに役立っていました。

そして、セリフも素晴らしいです。特に祐太朗の「君を守りたい」というセリフは、彼の強い想いが伝わってきて、涙が止まりませんでした。短い言葉の中に、彼の全てが込められているかのようでした。

総合的な感想

『不運な桜田くんは守られたくない(3)』は、青春の甘酸っぱさと切なさを存分に味わえる、素晴らしいBL作品でした。不器用ながらも一途な祐太朗と、繊細で傷つきやすい柊弥。二人の複雑な関係性、そして揺れる気持ちが見事に描かれていて、読み終えた後には、じんわりとした温かい感情と、切ない余韻が残りました。この作品を読んだ後、しばらくは二人のことを考えずにはいられなくなる、そんな中毒性のある作品です。

読み終わった後の余韻…そして今後の展開への期待

この3巻で、二人の関係性は大きく前進しましたが、まだ解決されていない問題も残されています。柊弥の不運体質、そして彼の心の壁…。今後の展開がどうなるのか、今からとても楽しみです。次の巻が待ち遠しいです! 個人的には、柊弥が自分の気持ちに素直になる瞬間をもっと深く見てみたいと思っています。また、祐太朗の優しさだけでなく、彼の強い部分ももっと見てみたいですね。この二人の、これからも続くであろう、甘く切ない物語を、心待ちにしています。

4000文字を超えてしまいましたが、この作品への想いが溢れてしまい、ついつい長くなってしまいました。それだけ、この作品に心を奪われたということです。本当に、おすすめです!

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