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BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「今も未来も変わらない」 2020

★★★★☆ あらすじ 作家である女は、大学受験を控えた娘、かつての同僚の友人、最近知り合った若い男など、様々な人々と関わり合いながら日々を過ごしている。 感想 40代の作家の女が主人公だ。娘や友人とカラオケを楽しみ、知り合った若い男と一緒に映画館へ行…

「若くて悪くて凄いこいつら」 1962

★★★☆☆ あらすじ 世間を騒がす汚職事件の鍵を握り、各所から行方を追われていた財界の大物とたまたま知り合った大学生たちは、彼の代理として悪者たちと交渉するマネージャーを引き受ける。86分。 感想 威勢のいい映画タイトルだが、冒頭に流れる主演の高橋英…

「新選組始末記」 1928

★★★★☆ 内容 関係者から聞いた話や残された書面を元に、新選組にまつわる情報を紹介していく。 子母澤寛著。映画やドラマ、舞台の原作にもなっている。 感想 小説ではなく、著者が集めた新選組に関する情報をほぼ時系列に沿って紹介していく形式の本だ。この…

「シャーロック・ホームズの冒険」 1892

★★★★☆ あらすじ シャーロック・ホームズの活躍を描く12の短編集。 感想 シャーロック・ホームズの短編集だ。ほどよい文量でテンポよく事件解決まで進むのでサクサク読める。長編も悪くないが、この気楽さはなかなか良い。しかも短いからといって軽いわけでは…

「時評書評 忖度なしのブックガイド」 2023

★★★★☆ 内容 世間で話題になった時事ネタを取り上げつつ、それに関連する本を紹介していく。 2020年から2023年にかけて「QJ Web」に月一回で連載された記事をまとめたもの。 qjweb.jp 感想 時事ネタを取り上げつつ、それに関する本を紹介していくブックガイド…

「カンバセイション・ピース」 2003

★★★★☆ あらすじ 作家の主人公は、幼少期を過ごした世田谷の一軒家で、妻や姪、三匹の猫と住み、一部を友人の社員三人の会社に貸して暮らしている。 感想 世田谷の古い一軒家で大所帯で暮らす作家の男が主人公だ。何か大きな出来事が起きるわけではなく、家を…

「双六で東海道」 2006

★★★☆☆ 内容 「遅刻論」など、諸事について様々な書物を紐解きながら著者が思いつくままに綴るエッセイ集。 感想 様々なことを綴ったエッセイ集だが、食べ物に関する話が多い印象だ。身近だし共通の話題となるしで語りやすいのだろう。周りを見渡しても、テレ…

「四つのサイン」 1890

★★★☆☆ あらすじ 父親の失踪後、奇妙な出来事が起こるようになった若い女性から相談を受けたシャーロック・ホームズは、ワトソンと共に調査に乗り出す。 原題は「The Sign of Four」。別邦題に「四つの署名」「四人の署名」。 感想 冒頭でいきなり、ホームズ…

「小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇」 2021

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); ★★★★☆ 内容 作家・伊坂幸太郎が選んだ面白い短編小説のアンソロジー。2冊のシリーズの一冊。もう一冊は「オーシャンラズベリー編」。 感想 作家の伊坂幸太郎が面白いとおススメする短編が並んでいる。…

「夜を走る トラブル短篇集」 2006

★★★★☆ あらすじ 客への不満が募り、酒が飲みたくなってしまう元アル中のタクシードライバーを描いた表題作など、トラブルにまつわる話を集めた短編集。 感想 局員がスト中のため自分たちの手で番組を放送する羽目になったラジオ局の重役たち、学生運動に巻き…

「語学の天才まで1億光年」 2022

★★★★☆ 内容 アフリカや南米、東南アジアの秘境に潜入するため、現地の言語を習得してきた著者による言語学習の軌跡。 感想 必要に迫られ、様々な言語を学習してきた著者の歴史が紹介されていく。しかし英語やフランス語のメジャー言語ならともかく、少数民族…

「化学の授業をはじめます。」 2022

★★★★☆ あらすじ 娘の幼稚園で起きた出来事がきっかけで、テレビで料理番組をやることになってしまった科学者の女性。 感想 なぜか料理番組を受け持つことになった子持ちの女性科学者が主人公だ。タイトルから、毎回の番組の様子を描いていく一話完結のシリー…

「街とその不確かな壁」 2023

★★★☆☆ あらすじ 高校生の頃に出会った少女との思い出を引きずって生きる男は、ある日気が付くと、彼女が空想していた壁のある街にいた。 www.shinchosha.co.jp 感想 過去の思い出に囚われて生きる男が主人公だ。ある日、気が付くと思い出の彼女が話していた…

「私が食べた本」 2018

★★★☆☆ 内容 雑誌等に発表された書評と、読書にまつわるエッセイなどを収録。 感想 著者が本を読んで思ったことや感じたことを必死に言語化しようとしていることが伝わってくる書評が並んでいる。すごい真摯で生真面目な態度だが、その分書評としての面白みに…

「短編ミステリの二百年〈2〉」 2020

★★★☆☆ 内容 江戸川乱歩による「世界推理短編傑作集」以降に書かれた作品も含めて厳選した短編ミステリ集。シリーズ第2巻。 感想 前巻ではいまいちピンと来ない結末の作品が多かったが、今作ではちゃんと腑に落ちる作品が多く、どれも読みごたえがあった。前…

「決壊」 2008

★★★★☆ あらすじ 各地で模倣犯が続出し、社会を騒然とさせる事態を招いた犯罪事件の、関係者となった人々の姿を描く。 感想 社会的に大きな反響を呼んだ殺人事件の関係者たちを描く群像劇だ。最初はある男とその家族、さらには両親や兄までもを含んだ一族の様…

「パッキパキ北京」 2023

★★★★☆ あらすじ コロナ禍で心細くなった単身赴任中の夫から北京に呼び寄せられた20歳年下の若い妻。 感想 主人公は元ホステスで夫は20歳年上、ブランド好きで今を楽しんで生きようとする女だ。勉強は出来なさそうだが頭はきっと悪くなく、動物としての直感が…

「緋色の習作 シャーロック・ホームズ全集 1」 1887

★★★★☆ あらすじ ルームメイトとなったシャーロック・ホームズに殺人事件捜査の依頼が舞い込み、それに同行することにしたワトスン。 シリーズ最初の作品。別邦題に「緋色の研究」。 感想 シャーロック・ホームズの最初の作品で、ワトスンとの出会いも描かれ…

「エホバの顔を避けて」 1960

★★★☆☆ あらすじ 世界の終末を告げるため、神エホバに大都市に向かうよう命じられた靴職人・ヨナ。 旧約聖書の「ヨナ書」を題材にした作品。 感想 堕落した大都市へ行き、神の怒りによって滅ばされることを伝えるよう命じられた男が主人公だ。神からの啓示と…

「NUDGE 実践 行動経済学 完全版」 2021

★★★☆☆ 内容 まったく不合理な行動ばかりしている人間に、選択の自由は担保しつつ、より良い選択ができるよう促す手法「Nudge(ナッジ)」について紹介する。 2008年に出版された著書の改訂版。 感想 人間がいかに不合理な生き物かを説明し、間違った選択ばか…

「短編ミステリの二百年〈1〉」 2019

★★★☆☆ あらすじ 江戸川乱歩による「世界推理短編傑作集」以降に書かれた作品も含めて厳選した短編ミステリ集。シリーズ第1巻。 感想 厳選した短編ミステリが収められたアンソロジーだ。第一巻にはミステリには詳しくない自分には、辛うじて名前くらいは聞い…

「ららら科學の子」 2003

★★★☆☆ あらすじ 20歳の頃、文化大革命を体感するために中国に不法入国した男が、30年ぶりに日本に帰ってくる。 感想 中国から30年ぶりに日本に帰って来た男が主人公だ。何か目的があり、それを果たすために物語が展開していくのかと思っていが、そういうわけ…

「人類の深奥に秘められた記憶」 2021

★★★☆☆ あらすじ フランスで活動するアフリカ出身の作家の男は、デビュー作で話題をさらうも沈黙を守り、その後は新作も出さずに消えていったミステリアスな同郷の作家に興味を持つ。 ゴンクール賞受賞作。 感想 一冊の本だけを残して消えた、ミステリアスな…

「「今」こそ見るべき海外ドラマ」 2016

★★★☆☆ 内容 動画配信サービスの普及などで日本でも存在感を増すようになった海外ドラマの現況や歴史などについて紹介する。 感想 海外ドラマについて紹介した本だ。映画界の大物の参入やネットオリジナルのドラマ制作など、活況を呈しているこの業界の仕組み…

「陸軍中野学校終戦秘史」 2004

★★★★☆ 内容 極秘の存在だったスパイ養成機関「陸軍中野学校」の出身者たちが、敗戦の前後にどのような活動をしていたのか、関係者から聞き取った証言を元に明らかにしていく。 陸軍中野学校 - Wikipedia 1971~74年に刊行された「陸軍中野学校」全六巻のうち…

「野坂昭如コレクション 1 ベトナム姐ちゃん」 2000

★★★★☆ 内容 著者の最初期の作品16編を収めたコレクション。 感想 どの作品も、一つの文章が長いのになぜか読みやすくもある著書独特の文体となっている。講談師が喋っているかのようなリズムの良さがあり、グルーヴ感があって慣れてくると心地よい。 人間の…

「 バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる」 2021

★★★☆☆ 内容 SNSで手軽に情報を発信できるようになった時代に、人々に読まれる文章を書くテクニックを紹介していく。 感想 SNSでバズらせる書き方が紹介される。だがここでいうSNSには旧Twitterやインスタグラムなどの短文系のものは含まれていない。想定して…

「この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた」 2021 

★★★★☆ 内容 平成と令和の小説について語り、世の中を考察する対談集。 感想 雑誌「Sight」の企画で毎年年末に行われていたその年の本に関する対談と、平成、令和の小説に付いてそれぞれ語った対談が収められている。雑誌分は2011年から2014年分までの対談が…

「サバイバー」 1999

★★★☆☆ あらすじ 飛行機を乗っ取ったハイジャック犯が、自身の生涯について語る。 感想 主人公は、集団自殺したカルト教団の生き残りだ。親が信者だった宗教2世で、生まれた時から教団が命じるままに生きてきた。成長した彼は長男でなかったために外の世界に…

「宇治拾遺物語」 2024

★★★★☆ 内容 鎌倉時代の説話集「宇治拾遺物語」を町田康が新訳する。 感想 まず、当時話題にもなったが、自由を感じる町田康の訳が楽しい。古典は言葉を噛みくだいて理解するのに必死で、内容にピンと来ないことが多いが、この訳文はスッと頭に入ってくる。「…