こんにちは、ブクログ通信です。
あっという間に2024年が過ぎましたが、ブクログユーザーさんの読書生活はいかがでしたでしょうか?
ブクログスタッフは、色々な本を楽しみました。
そこで今回は、スタッフが2024年下半期に読んだ本の中で、特におすすめしたいと思った「ベスト本」をご紹介いたします!
ぜひ、みなさんの2025年の読書生活に取り入れていただけると嬉しいです。
1.外山滋比古『新版 思考の整理学』
あらすじ
2009年の東京大学での講義を新収録し読みやすい活字になりました!「東大・京大で1番読まれた本」で知られる〈知のバイブル〉の増補改訂版。
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・keyone)
刊行から40年以上たつと聞いてびっくり!学び事や考え事をする上で役に立つコツがたくさん散りばめられていて、読んで良かった本です。
自分は大事なことを忘れて、どうでもいいことを記憶してしまうタイプなので、無駄な知識で頭の中がいっぱいなのではないかと考えました。対策として、本当に無駄な知識はそもそも入れない方がいいと感じたため、せめて朝の時間はショート動画やまとめサイトからの余計な情報を入れないようにしてみます。
2.桜庭一樹『名探偵の有害性』
あらすじ
わたしたちは、何をしたのか。名探偵・五狐焚風。助手、わたし、鳴宮夕暮。20年ぶりの再開を経て、かつての名探偵と助手は、過去の推理を検証する旅に出る——。桜庭一樹さんの新たな代表作!
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・rh)
たしかに名探偵が事件を解決したあとのことは考えたことがなかった。色々な技術が発達して便利になった今の時代にはもう名探偵が必要ないのかもと思いつつ、自分もこんな探偵に依頼してみたいと思いました!
名探偵モノの小説を好んで読んできたけれど、『名探偵の有害性』を考えたことはなかった。現在と過去の描写の移り変わりにセンスを感じる。
3.ジーン・アウル『ケーブ・ベアの一族 (上) エイラ 地上の旅人』
あらすじ
3万5千年前、クロマニオン人の少女が、ネアンデルタールの一族に拾われる。29カ国で翻訳され、最古のヒロイン「エイラ」の名で読者を魅了した壮大な愛の物語が、初の完訳本で日本に上陸!
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・たんたん)
この本を一言で表すのなら、“ホモサピエンスのシンデレラストーリー”です!ホモサピエンスの孤児・エイラがネアンデルタール族と共に暮らしてゆくのですが、物語として非常に面白いだけでなく、人類学についても深く学べます。この本のおかげで原始人に対する興味が一気に湧きました!
縄文時代のヨーロッパが舞台ってことで、どんな物語かと思って読み始めたけれど、時代考証はかなり徹底してやられたようでとても読み応えがありました。クロニクル千古の闇シリーズと並んで、かの時代にどんな人間模様が繰り広げられていたかを、濃口に味わえる作品ですね。僕はハマりました。
4.ソン・ウォンピョン『アーモンド』(祥伝社文庫)
あらすじ
扁桃体が小さく、怒りや恐怖を感じることができない16歳の高校生・ユンジェ。祖母から「かわいい怪物」と呼ばれた彼は、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、黙ってその光景を見つめているだけだった。事件によって一人ぼっちになった彼の前に現れたのは、もう一人の“怪物”ゴニ。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えてゆく。
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・kei)
他のスタッフにおすすめされて読んでみました。感情が無いはずの少年の心の機微が繊細に描かれていて、一見無機質なようですが暖かさを感じる作品でした。翻訳小説を自分から手に取ることはないのですが、この作品をきっかけに読書ジャンルの幅が広がったような気がします。
脳の扁桃体(アーモンド型の器官)が小さく、感情が理解できない主人公ユンジェ。目の前で家族が殺されても無表情で、周りからも気味悪がられる。幼い頃誘拐され不良少年になったゴニは、学校でも実の父からさえも理解されない。社会から浮いた存在の二人の出会いは悲しいものだったけど、少しずつ交流を深めていく姿が良かったです。上辺ではない本当の姿はどうなのか?他人と関わりあった事で芽生えはじめたもの、それが最後に起こった奇跡と繋がっているのだと感じました。
5.中島岳志『思いがけず利他』
あらすじ
t’s automatic(イッツ オートマティック)!?誰かのためになる瞬間は、いつも偶然に、未来からやってくる。東京工業大学で「利他プロジェクト」を立ち上げ、『利他とは何か』『料理と利他』などで刺激的な議論を展開する筆者、待望の単著!
おすすめポイント!(ブクログスタッフ・hiranodept)
最近のマイブームは「利他」。利己の反対が利他ですが、利他はもっと直感的で、予測不能な魅力があります。「なんか知らんけど」と思わず助けの手を伸ばしてしまう——そんな瞬間こそが、利他そのものなのかもしれません。本書では、さまざまなエピソードを通じて、その奥深さや魅力を知ることができます。特にヒンズー語の与格構文について知れたことは収穫でした。
利他とは過去から未来にやってくるものだ。きっとこの本を読んだことの利益も今ではなく未来に飛ばされるのでしょう。誰かに善意を持ってやってあげたことは、それが相手にとって有難いと思われる行為になるのか、それともその逆か、それはその時になってからでないとわからない。だから利他的な行為とは、行為をした瞬間ではなく、その後になってそれが利他だったと気づくというプロセスを持っている。この点は特に興味深く、そしてこの理論を支える具体例が日常や落語、親鸞の話まで地続きであることがこの本が持つ魅力だと思いました。
今回は、ブクログスタッフが選ぶ、2024年下半期ベスト本をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね。