1982 >>> IBM事件
米国が仕掛けた罠 日本は従うしかできなかった
半世紀にわたってジャーナリストの道を歩んできた田原総一朗氏。中でも大きな衝撃を受けたのが「IBM事件」だった。
米IBMのコンピューターに関する技術を日立製作所、三菱電機の社員が「不正」な形で入手し逮捕された。一体何が起こったのかすぐに取材して書こうと思った。
最初はもちろん報道の通り、日本側が加害者であるという見方だった。しかし、いろいろな関係者への取材を重ねるうちに、徐々に変わっていった。どうもこれは米国側に仕掛けられた「罠(わな)」ではないかと。
1981年に就任したレーガン大統領は米国第一主義を掲げていた。財政収支に加え貿易収支の赤字も深刻だった。なんとか産業を復活させ、強い米国経済を取り戻したい。そんな思いから外国に対しては非常に厳しい姿勢で臨む方針をとる。たとえ同盟国であってもお構いなしだ。
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この記事はシリーズ「昭和100年の教訓 栄光と停滞、30人の証言」に収容されています。フォローすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。