三菱電機は10月20日、品質不正問題について、弁護士らでつくる外部調査委員会の最終報告を公表した。1年4カ月にわたる調査で浮き彫りになったのは、煩雑な検査が人手で行われ、不正の温床となってきたことだ。企業に促してきたDX(デジタルトランスフォーメーション)が、社内では欠如していたといえる。

品質不正問題で外部の調査委員会の調査が終了し、会見で改めて謝罪する三菱電機の漆間社長(中央)ら(写真:共同通信)
品質不正問題で外部の調査委員会の調査が終了し、会見で改めて謝罪する三菱電機の漆間社長(中央)ら(写真:共同通信)

 調査委員会によると、一連の不正で発覚した不正件数は、全国22製作所(工場)のうち17製作所の計197件。これを受け、三菱電機は新たに新旧の役員10人に対し追加処分を実施、対象者は22人になった。「不正に関与していた事実はない」と述べていた柵山正樹前会長も約30年前の課長時代に関与していたことが判明した。柵山氏はシニアアドバイザーを辞職し、退社する。

 不祥事関連の調査期間は通常3~4カ月が多いが、三菱電機は約1年4カ月と異例の長さになった。

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