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WTPではじめるサーバサイドJava入門

サーバサイドJava入門 JSP~サーブレット~Beanを相互利用する

第6回 サーブレットとJSPの連携

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サーブレットは、JSPと連携してはじめて真価を発揮するものと言えます。今回はJSPとの連携や、Webアプリケーションに保管されたBeanオブジェクトとの連携などを中心に説明をしていきましょう。

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はじめに

 今回はJSPで使った主な機能をサーブレットで実装する方法について説明します。また、JSPとサーブレットの連携についても考えてみます。JSPとサーブレット間でのデータのやり取り、さらにはWebアプリケーションにBeanを保管し、jSP~サーブレット~Bean間での値の受け渡しについても触れておきましょう。

対象読者

  • Javaの基本(文法全般および基本的なクラスライブラリの使い方程度)をマスターしている人。
  • サーバサイド(JSP、サーブレット)について基礎から勉強したい人。
  • Eclipse WTPを使った開発に興味がある人。

JSP~サーブレット~JSPの流れを考える

 JSPとサーブレットの特徴を考えたとき、誰もが思うのは「クライアントへの表示関係をJSPで行い、サーバ側で必要な処理をサーブレットで実装しよう」ということでしょう。すなわち、「データを送信するJSP→処理用サーブレット→結果表示JSP」というように、JSPとサーブレットの間でやり取りしながら処理を行っていくというやり方です。このようにすることで、GUIと内部処理を分離できるはずです。

 そのためには、「JSPからサーブレットへの送信」「サーブレットからJSPに情報を渡す」「サーブレットから必要に応じてJSPページにリダイレクトする」といった処理が必要となります。実際に簡単なサンプルを作成して、これらの機能の使い方について整理していくことにしましょう。

 ここでは「index.jsp」→「MyServlet」→「page.jsp」という流れで処理を受け渡すことにしましょう。まずは、「index.jsp」からです。一応、jspにしてありますが、基本的にはただのHTMLです。

index.jsp
<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=Shift_JIS"
    pageEncoding="Shift_JIS"%>
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html>
    <head>
        <meta http-equiv="Content-Type"
              content="text/html; charset=Shift_JIS">
        <title>JSP SAMPLE</title>
    </head>
    <body>
        ※送信フォーム:<br>
        <form method="post" action="./myserv">
            <input type="text" name="text1"><br>
            <input type="submit">
        </form>
    </body>
</html>
index.jspに用意したフォーム。テキストの入力フィールドが1つあるだけのもの。
index.jspに用意したフォーム。テキストの入力フィールドが1つあるだけのもの。

 ここでは、myservに向けてフォームをPOST送信しています。このmyservがMyServletになります。まぁ、これ自体は特に説明の要はないでしょう。続いて、結果を表示する「page.jsp」のソースコードです。

page.jsp
<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=Shift_JIS"
    pageEncoding="Shift_JIS"%>
<%
request.setCharacterEncoding("Shift_JIS");
String msg = (String)request.getAttribute("msg");
%>
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html>
    <head>
        <meta http-equiv="Content-Type"
              content="text/html; charset=Shift_JIS">
        <title>PAGE</title>
    </head>
    <body>
        ※送信されたメッセージ:<br>
        <%=msg %>
    </body>
</html>

 ここでは、request.getAttributeを使って"msg"という名前の値を取り出しています。これをそのまま<%=msg %>としてページに表示をしています。

サーブレットの作成

 サーブレットは、「index.jsp」から送信されたフォームの内容を受け取り、それを必要な形に処理し、「page.jsp」にその値を渡してリダイレクトする、という処理を行います。では、ソースコードを挙げておきましょう。

package jp.codezine;

import java.io.IOException;
import javax.servlet.*;
import javax.servlet.http.*;

public class MyServlet extends HttpServlet implements Servlet {

    private static final long serialVersionUID = 1L;

    public MyServlet() {
        super();
    }

    protected void doGet(HttpServletRequest request,
            HttpServletResponse response)
            throws ServletException, IOException {}

    protected void doPost(HttpServletRequest request,
            HttpServletResponse response)
            throws ServletException, IOException {
        request.setCharacterEncoding("Shift_JIS");
        response.setContentType("text/html;charset=Shift_JIS");
        String str = request.getParameter("text1");
        str = this.getSanitizedString(str);
        str = "[JSP-to-SERVLET:\"" + str + "\"]";
        request.setAttribute("msg", str);
        // リダイレクト
        ServletContext context = this.getServletContext();
        RequestDispatcher dispatcher
            = context.getRequestDispatcher("/page.jsp");
        dispatcher.forward(request, response);
    }
    
    // サニタイズ処理
    public String getSanitizedString(String s){
        String str = s;
        str = str.replace("<","&lt;");
        str = str.replace(">","&gt;");
        str = str.replace("\"","&quot;");
        str = str.replace(" ","&ensp;");
        return str;
    }
}
フォームにテキストを記入して送信する。
フォームにテキストを記入して送信する。
送信先のサーブレットでテキストを加工し、リダイレクトした「page.jsp」でその結果を表示している。
送信先のサーブレットでテキストを加工し、リダイレクトした「page.jsp」でその結果を表示している。

 ここでは、doGetで特に処理をしていません。直接アクセスしたとしても、空白のページが表示されるだけです。doPostで必要な処理を行っています。setCharacterEncodingsetContentTypeで下準備をした後、「index.jsp」から送られてきた値を取り出します。

String str = request.getParameter("text1");

 この点は、JSPとまったく同じことが分かりますね。jspの暗黙オブジェクトも実質的にはdoPostの引数で渡されるHttpServletRequestと同じわけですから。続いて、この値をリクエストのアトリビュートとして設定します。

request.setAttribute("msg", str);

 これも、JSPとまったく同じです。これで、「page.jsp」側はrequest.getAttributeで値を取り出せるようになるわけです。JSP/サーブレット間の値のやり取りは、JSPどうしの場合とほとんど変わらずに行えることが分かるでしょう。

 では、作業完了後に「page.jsp」に移動するリダイレクト処理はどうすればよいのでしょうか。これは、少々面倒なことを行う必要があります。JSPでは、pageContextという暗黙オブジェクトのforwardを使えばよかったのですが、このpageContextに相当するものはサーブレットに用意されていません。

 pageContext暗黙オブジェクトの正体は、javax.servlet.jspパッケージに用意されている「PageContext」というクラスのインスタンスです。これはJSP用に用意されているものであるため、JSP以外(サーブレット含む)では利用できないのです。そこで、サーブレットでのやり方を別途覚えておく必要があります。

ServletContext context = this.getServletContext();

 まず、etServletContextというメソッドを使い、ServletContextというクラスのインスタンスを取得します。これはサーブレットが利用されているWebアプリケーションに関する情報を管理するもので、各Webアプリケーションごとに1つのインスタンスが割り当てられています。

 JSPにも、これに相当する暗黙オブジェクトはあります(「application」というものです)。ここから、リダイレクトのためのオブジェクトを取得して作業を行います。

RequestDispatcher dispatcher
    = context.getRequestDispatcher("/page.jsp");

 RequestDispatcherは、文字通りリクエストの処理を転送するために必要な処理を持つクラスのインスタンスです。getRequestDispatcherにより、必要なRequestDispatcherを取得します。このとき、引数には転送先のファイルのURLを指定します。これで、指定したURLに転送するためのRequestDispatcherが得られるわけです。

dispatcher.forward(request, response);

 取得したRequestDispatcherのforwardを呼び出して転送を行います。引数には、HttpServletRequestHttpServletResponseを渡します。通常は、doGet/doPostの引数として渡されたものをそのまま渡せばよいでしょう。

 このforwardが実行された時点でサーバはリダイレクトを行い、「page.jsp」にページ遷移します。従って、forwardの後に処理は書かないよう注意が必要です。

 リダイレクトを行うとき、もう1つ覚えておきたいことがあります。それは、「サーブレットに送られたリクエスト・レスポンスがそのままリダイレクト先へも渡される」という点です。すなわち、サーブレットが受け取ったのと同じものが転送先に渡されるのです。ということは、サーブレットに送信した情報は、そのまま転送先でも利用できるということになります。

 ここではサーブレットで「index.jsp」から送信されたフォームの内容を受け取り、アトリビュートに設定して送りましたが、「index.jsp」から送られた情報を直接「page.jsp」で利用することもできるわけです。

<%
request.setCharacterEncoding("Shift_JIS");
String msg = (String)request.getParameter("text1");
%>
request.getParameterすれば、リダイレクト先で送信フォームの内容を直接取り出すことができる。
request.getParameterすれば、リダイレクト先で送信フォームの内容を直接取り出すことができる。

 例えば、「page.jsp」の最初の<% %>タグをこのようにすれば、「index.jsp」から送られたフォームのtext1の値をそのまま「page.jsp」で取り出すことができます。もちろん、forwardする際にdoGet/doPostの引数として渡されたHttpServletRequestHttpServletResponseをそのまま渡すからこれが可能になる、という点は忘れないでおきましょう。

Webアプリケーション外へのリダイレクトについて
 リダイレクトを行うforwardは、基本的にこのWebアプリケーション内のファイルを利用するものです。リクエスト情報を受け渡して処理を引き継ぐことができるようにする関係上、外部のファイルへのリダイレクトには利用できないので注意が必要です。

 では、「リクエスト情報は不要だ。単純に他のページにジャンプしたい」というような場合にはどうすればいいのでしょうか。これは、responseにある「sendRedirect」というメソッドを用います。

response.sendRedirect("http://google.com/");

 例えば、このようにすることでGoogleのサイトへジャンプさせることができます。非常に単純です。

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この記事の著者

掌田 津耶乃(ショウダ ツヤノ)

三文ライター&三流プログラマ。主にビギナーに向けたプログラミング関連の執筆を中心に活動している。※現在、入門ドキュメントサイト「libro」、カード型学習サイト「CARD.tuyano.com」を公開...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/1481 2007/07/20 14:00

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