脳組織の中に異常細胞が増殖する腫瘍で、脳組織自体から発生する原発性脳腫瘍には良性と悪性がある。
悪性腫瘍の代表的なものはグリオーマ(神経膠腫)と呼ばれるものであるが、これはさらに星細胞腫、稀突起神経膠腫、上衣腫などに分けられる。良性腫瘍の代表的なもとして、髄膜腫、神経鞘腫(聴神経腫瘍)、下垂体腺腫がある。
夏生まれか冬生まれかによって発症率に差があるとも言われることがある。
転移性脳腫瘍は他の細胞の癌が転移することによって生じるが、原発性脳腫瘍の原因ははっきりとはわかっていない。
頭蓋骨は伸縮性がないため、脳腫瘍が成長すると脳内の圧力が上昇し、頭痛、吐き気、嘔吐、痙攣などの頭蓋内亢進症状を呈する。
腫瘍ができる箇所によっては、片麻痺、言語障害、視力障害、てんかん様発作、意識障害などの局所症状も発症し得る。
外科療法による摘出手術がもっとも有効な治療法とされている。
特に良性腫瘍では外科療法のみで治癒することが多い。
悪性腫瘍の場合には放射線療法や化学療法を併用して治療を行うことが多い。