今年はDay1のみリアタイ参戦したのでいくつかセッションのメモを。 内容は全部見ればわかるやろ程度ではあるもののまあポインタ程度の情報でもないよりは良いのではということで感想交えて雑に書いてみようという感じのやつです。
動画はすでに上がっていて個別のセッションはYouTube字幕もすでについていてセッションだけをみるならそちらがよい、QA含めてみるためにはDay1,2それぞれ全部入りの動画をみればおっけーという感じ。ただしDay1のeBPF for Windowsは若干音声まわりのトラブルがあったのでセッション個別はそちらを参照する方がおすすめです。
全体的な雰囲気とか所感とか
eBPF Summit自体は初回からオンライン開催、事前収録+リアルタイムQAスタイルでコミュニケーションはslack、trackも一本なのであっちこっち移動したりスポンサー的な何かがあったりはしないのでここに集中すればよいというのがはっきりしていて参加する方としてもやりやすいんでないかと。
セッション時間は20分 or 5分で短い休憩が挟まるという形式なので、「40分英語セッション集中して聞くの正直しんどい」という自分みたいなものにはこれくらいでちょうどよいですね。
↑の通り動画はすぐにあがるし、自動生成字幕ついてくれた方がありがたいみたいなところもあるのだが、とはいえリアタイじゃないと見ないみたいなのもあるしslack内での盛り上がってる感、雑に質問投げられる感という体験はよいものなのでということでまあ1日でも参加してよかったなーというところです。
全体のレベル感としてはIntroductory and overviewがもっとも多く、1日目はAdvancedなものは一つもなかったので、概要を結構繰り返し説明されるので最近関連ツール触り始めましたみたいな感じでもとっかかりがあればよさそうと思う反面ガチ勢な方々にはちょい物足りないのかもというところでそちらはどちらかというとday2で取り扱ったのだろうと思われます(未視聴
BrendanGregg氏のまず使ってほしい、といったQAコメントや特にDay1のツール利用者等ビギナー向けセッションの様子などをみているとeBPFを長期的に有用なテクノロジーとして扱っていくために裾野を広げて需要があるよ、ということを示していきたいという思いがあるのかなーという印象を受けました。
以下いくつかセッションメモ
The State & Future of eBPF
- 最近発表のあったeBPF Foundationの話と過去、現在、未来についての話
- かつてアプリケーションの観測に必要な機能の実装を「カーネル開発者に依頼して1年後にサポートされ5年後に各ディストロに降ってきてようやく使えるころには不要になってる」みたいなのがeBPFで数日で出来るようになった、これからはネットワーキング、セキュリティ、オブザーバビリティそれぞれ低オーバーヘッドでこういったことを実現してく、というoverview的な内容
- QAでドライバ作れる?というのがあり、一般的じゃないけどまあ出来るみたいな回答だった(はず
Getting Started with BPF observability
- いきなりツール開発するのではなくsysadmin的に考えていこうという内容で昨年のセッションから現在の状況を踏まえてマイナーチェンジした感じ
- よく使われるレイヤーごとのツール群のマッピング画像がパワーアップしてた、気がする
- LISA21の方がInternalのお話をしていたのでこちらはやはりnewな人向けな内容だと思いますがとにかくBrendan Gregg見たいぜという人にも
eBPF in Microservices Observability
- マイクロサービスをeBPFで観測してこうという話
- 前半はOverview的な説明
- 旧来のツールではそれぞれのツールを使いこなす必要があり必要な詳細度の情報が得られないことがある
- 特定のサービス、RPCを特定するためコンテキストを付与した情報を得るためにeBPFを使う
- 具体的なソリューションとしてはCilium/Hubble、Pixie、Flowmillなど
- Futureの部分でFargateでeBPF使えるようにしたいという話が出てQAで早々に突っ込まれて盛り上がっていた
- 個人的にもこのあたりのレイヤの機能提供の話がAWSから出てくると思ってなかったので今度の動きがやや気になるところ
Extending systemd security features with eBPF
- セキュリティまわりは大体スルーしてしまったけどsystemdでも使われているという話
- systemdでファイルシステムのタイプに応じてアクセス可否を制御したり特定のネットワークデバイスへの制御を行う実装をeBPFでしているというお話とデモ
Getting started deploying and running BCC in your Kubernetes Cluster
- Kubernetes ClusterでBCCツールを動かすステップの解説、大体以下のような流れだったと思う、まあそうりますよねいう印象
- initコンテナで カーネルヘッダをもってくる
- BCCツール用コンテナを用意する
- DaemonSetで、privilegedで動かす or capabilityをセットして動かす(カーネルバージョンが低くてcapabilityは試せてないって言ってたかも、コード的にはprivilegedとcap_sys_adminつけてそう
- 必要な諸々のボリュームをマウントする
- コードは↓なのでこれで試せる
- (しかしやはりちょっと大変だなという印象・・
GitHub - mclenhard/ebpf-summit
ということで
- 前回のサミットからもう1年経っており主にk8s環境まわりの可観測性みたいなところはまだホットなトピックなんだよなーというのがありつつ
- 個人的にはKernel5.8以降の環境がぼちぼち使えてきそうな気配を感じるので、手軽に動かせる単体のexporter実装みたいなのが扱いやすそうな気がしてきたのでちょっとやってみたいですね