元々 アパレルの世界ではダウンは流通していませんでした。
昭和時代の日本人は、冬のコートと言えばウール素材のコートを
着ていました。当時 ダウンがあったのは登山・アウトドア・スポーツ
と言った業界でアパレルで取扱っていたとしても一部で
それも高価格商品でした。年々アパレル業界でもダウンを
取扱う様になって行きましたが値崩れはしていませんでした。
そうした時代の流れの中 出現したのがユニクロです。
アパレル業界の価格破壊 デフレ進行を促進したのは
間違いなくユニクロの出現です。
それまで1万円のダウンなんてほとんど世の中に流通していない
時代にユニクロがそうした価格帯の商品を世の中に投入しました。
高い商品として認識されていたダウンが庶民でも
買える価格帯として世の中に登場したのですから
当然 一気に世の中に広まり そして 現在に至る事になります。
ユニクロの出現によりそれまで高価格高品質で商品を流通させていた
流通各社が資本原理により次々とユニクロに対抗出来る
商品を製造し流通させました。ここで気をつけて戴きたいのは
販売価格を抑えて尚且つ利益を得るわけですから
当然 品質を落とす事に繋がる事になったという事です
昔の人々が、洋服は昔の方が質が良かった と良く言いますが
それは、昔は価格が高くても物が売れていたのですから
当然 その価格に応じた品質の商品ばかりが流通して
いましたので当然の理屈になります。
近年 ダウンでしたら低価格商品であったとしても
過去から比べたら羽毛が外へ出てくる様な粗悪品は
かなり減りました そうは言っても 現時点においても
例えば 5万円以上のダウンも販売されていますが
やはり 価格差に応じての品質差は埋められない事になります
ダウンは、確かに軽くて暖かい商品です。
これに一度慣れてしまい いつでも買い求められる価格帯で
商品が流通していたら ダウンと比較して 軽くない・暖かくない
商品へ国民全体が戻る事は難しいと思います
そして ダウンが冬の日常着として認知されてしまった
もう一つの要因は 文化までも変わってしまった事だと思います
例えば 昔 女性が、芝居を観に行くと言った時
スーツ+ウールコートでなければ非常識?とさえされていました
それが今や例えば歌舞伎座へ行くにも ダウンにリュックサックです
誰も白い目で見る事もありません
例えば 昔は冬のお葬式へ行く際 黒のカシミヤコート・ウールコート
で行かなければ失礼に当たるとされていましたし
それが、日本人の常識とされていました。
今やどうでしょうか ダウンでも黒ならばOKという文化が
根付いて来たと言っても良い感じではありませんか?
長くなりましたが、以上の要因が年々重なって来た事によって
冬の日本のファッションアイテムとして
ダウンが定着したと考えます
>アパレルメーカーはなぜダウンを作るのでしょうか?
それは国全体としての需要があるからです
ダウンの売れ行きは、年々減少していると思います
携帯電話の普及と同じ理屈で飽和状態になるまでは
普及して行き飽和に達した段階で買い替え需要に
頼るだけになってきてしまいます。
その状況を打破する為に開発されたのがスマホですね
アパレル業界もこのまま冬はダウンと言うマンネリを
続けていられなくなりますので
ダウンは古いよね となる様な
新たな流行・新素材を作る事が求められていると思います。