
実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。果たして、どんな顔触れなのだろうか?報酬が、諸外国に比べて低過ぎるという指摘もあるだけに、年収が高いこと自体は批判されるべきではないだろう。ただ、業績や株式市場からの評価が振るわないにもかかわらず、1億円ももらっているのであれば、従業員や株主は心穏やかではいられないかもしれない。そこで、ダイヤモンド編集部では上場企業3935社を対象に、年収1億円以上の経営陣を調査、業界ごとに実名でのランキングを作成した。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人の実名!上場3935社「年収1億円以上幹部」ランキング』(全24回)の#7では、建設業界のランキングを掲載する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
ゼネコンやサブコン、ハウスーメーカーには
年収1億円以上が42人も!
ゼネコンには久々にわが世の春が到来している。人手不足や建設費高騰を逆手に取り、ゼネコン各社は採算が確実に取れるプロジェクトを選ぶ「選別受注」を繰り出しているからだ。
詳細は特集『総予測2025』の#92『鹿島、大成建設、清水建設…25年は「ゼネコンのターン」でわが世の春到来も、付きまとう業績悪化リスクとは?』を見てほしいが、2025年は、建設ラッシュの中で選別受注を徹底し過去最高益を更新した17~19年度以来となるわが世の春を迎える公算が大きい。
そんな、ゼネコンやサブコン、ハウスメーカーを含む建設業界で「年収1億円以上」の経営幹部は、どれほどいて、どんな顔触れなのだろうか?
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な年収を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかの参考にしてほしい。
集計の結果、建設業界で「年収1億円以上」は42人いることが判明した。全業界の平均が33.6人だから、やや多い。トップの年収は5.33億円だった。
ランキングには、ゼネコン、サブコン、ハウスメーカーの幹部が並ぶが、わが世の春を謳歌している割には、ゼネコン幹部の年収は意外な結果となっている。
鹿島、清水建設、大林組、長谷工コーポレーション、タマホーム、大和ハウス工業、積水ハウス、東建コーポレーション、インフロニア・ホールディングス、大気社、日本アクア、高砂熱学工業、住友林業といった企業の幹部たちは、幾らもらっているのだろうか。全業界の上場企業の平均と比較して水準は高いのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。