五十歩百歩とは、故事成語のひとつである。
概要
昔の中国の「梁」という国のお話です。
梁の王さまは孟子という人に相談した。
「隣の国よりも、よい政治を行っているつもりだが、国民が増えてくれないのです。」
孟子は答えた。
「それなら、王は戦を好まれる。ですから戦を使ってたとえ話をしましょう。
太鼓が打ち鳴らされ、人々が武器を打ち合わせて戦っているとき、ある人は鎧を引きずって逃げました。
ある人は、50歩逃げました、またある人は100歩逃げました。
50歩逃げた人が100歩逃げた人を笑ったらどうでしょうか。」
王は答えた。
「それはいけない。その人はただ100歩逃げなかっただけで、逃げたことには変わりはないのですから。」
その答えを聞いたとき、孟子は言った。
「そういうことなのです。
隣の国よりもいい政治をしているつもりでも、結局は隣の国の政治と変わらないのです。」
結局何が言いたいのかというと「似たり寄ったりで大差がない、日本で言うならどんぐりの背比べ」であるということである。
五十歩と百歩って差が大きいじゃないか。という人もいますが、歩数の問題じゃないですから。問題は「どちらも戦いから逃げた事実」ということです(逃げた理由は抜きにして)。いい政治を比べるにしても、「比べる前にいい政治をすることが当たり前」なのです。国民が増えない理由を、政治の比較で悩んでも仕方ありません。なので、比べるよりも自国の様相を把握して増やせるように最善を尽くすべきです。
また余談ではあるが、マリオカート64に出てくるキャラクターのヨッシーがゴールした際に言う言葉(言葉かどうかもあやしいが)は五十歩百歩と言っているように聞こえる。大抵ヨッシーはTASで使われ、不正はないはずだが何かがおかしいことがあるので独特の笑いを誘う。