邑とは、以下のことを表す。
人名
漢字として
- 意味
- 諸侯の領地、諸侯の封ぜられた地、国、国の都、京城、むら、いなか、(悒と通じて)憂える。
- 〔説文解字・巻六〕に「國なり」とある。
- 字形
- 囗+卪の会意。囗は都市の城壁・囲いを表し、卪は跪く人の象形である。城壁のうちに人がいるという意味で、都、村の意味となる。古くは国・国都を邑といい、後に国(國)の字を使うようになった。〔段注〕によると〔春秋左氏伝〕の外交についての記述では、他国をいうのに大国と、自国をいうのに敝邑と書いている。また卜辞にも大邑商という記述がみられる。また村落の意味の使い方も金文に見られる。
- 〔説文〕は卪を「節」の意味としていて「先王の制、尊卑に大小有り」と、王命(節)によって諸侯の尊卑、邑の大小が変わるからとしている。
- 音訓
- 音読みはユウ(漢音)、オウ(呉音)、訓読みは、くに、まち、むら。名のりに、さと、がある。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。1990年に人名用漢字に採用された。JIS X 0213第一水準。
- 部首
- 邑は部首邑部を作る。都市や村に関することを表す意符として用いられる。旁に置かれるときは阝の形になりおおざとと呼ばれる。
- 声符
- 邑を声符とする漢字は、悒、浥、挹、裛などがある。
- 語彙
- 邑尉・邑屋・邑郭・邑宰・邑子・邑城・邑乗・邑人・邑邑・邑落・邑里