寂(さび)とは、日本の伝統的な美意識の一つである。わびさび(侘寂)と、わびと対で扱われることが多い。
その他の意味
漢字として
- 意味
- さびしい、さびれた、静か、人の声がしない、動きのない、(僧や尼が)死ぬという意味がある。
- 〔説文解字〕の本字は𡧯で〔説文・巻七〕には「人聲無きなり」とある。寂は、〔玉篇〕などに𡧯の異体字として載っている。
- 字形
- 諸説ある。〔説文〕は尗声の形声としている。𠈇は、人が筵の敷物で寝るという字。ほかに、宀+𠈇の会意で、家の中の席につく意とする説、廟に寝泊まりする意とする説などがある。
- 音訓
- 音読みはセキ(漢音)、ジャク(呉音)、訓読みは、さび、さびしい、さびれる。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 語彙
- 寂光・寂寂・寂然・寂寞・寂寥