汚(汙)とは、きたない、けがれ、という意味の漢字である。汗は別の字。
漢字として
- 意味
- 〔説文解字〕の本字は汙で、〔説文・巻十一〕には「薉(けが)れなり。一に曰く小池を汙と為す。一に曰く涂(ぬ)るなり」とある。
- 字形
- 形声で声符は于。
- 音訓
- 音読みは、1.の場合、オ(漢音)、2.の場合、ワ(漢音、呉音)、3.の場合、ウ(漢音)。訓読みは、よごす、よごれる、きたない、けがす、けがれる、けがらわしい。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 語彙
- 汚穢・汚職・汚辱・汚水・汚染・汚濁・汚泥・汚点・汚物・汚名・汚吏
異体字
- 汙は、〔説文〕の本字。JIS X 0213第三水準。JIS X 0212補助漢字。
- 污は、〔正字通〕が本字とする字。
- 𣴰は、〔集韻〕に「或ひは作る」とある異体字。
- 𥁡は、〔集韻〕に「或ひは作る」とある異体字。盓の異体字でもある。
- 𣽏は、〔正字通〕に「俗の污字」とある異体字。
- 汅は、〔正字通〕にある異体字。また沔の異体字と同形で、〔字彙補〕に「沔字の譌」とある。
- 䵦は、〔正字通〕に「俗の污字」とある異体字。Unicodeに汙、污のnon-classical formとある。
- 涴は、〔広韻〕に「亦た汚に作る」とある異体字。ほかに水のめぐり曲がるさまという意味がある。
- 洿は、〔広韻〕が本字とする字。〔説文〕には別の字として載っているが、意味は似ている。