袖とは、衣服において両腕を覆う部分である。
概要
洋服でも和服でも両腕を覆う部分のことであるが、和服の場合には袂を含む。
袖は筒状になっていて、身頃の穴(袖ぐり)に縫いつけられ、ここから腕を通す。手を出す側を袖口という。袖の長さを袖丈といい、和裁と洋裁で基準点が異なる。袖丈について、手首までの長さを長袖、その半分の肘が見えるくらいのものを半袖、肘が隠れるくらいのものを七分袖という。そでの無い服はノースリーヴ、スリーヴレスと呼ばれる。
ノースリーヴのように英単語由来のスリーヴ(スリーブ、sleeve)も同じ意味で使われることがある。
漢字として
袖
- Unicode
- U+8896
- JIS X 0213
- 1-34-21
- 部首
- 衤部
- 画数
- 10画
- 意味
- そで、たもと、ものの両脇、そでに入れる、そでに隠し持つ、という意味がある。
- 〔説文解字〕には褎の字が載っていて、〔説文・巻八〕に「袂なり」とある。袖はその異体字として載っている。
- 字形
- 袖は形声で声符は由。〔説文〕に「俗に褎、由に从ふ」とある。
- 一方、褎も形声であるが声符は𥝩(スイ)で、音が異なる。古くは𥝩の音で漢代に至って由の音になったとされる。
- 音訓
- 音読みはシュウ(漢音)、シュ、訓読みは、そで、そでにする。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。2010年に常用漢字に採用された。
- 語彙
- 袖手・袖刃・袖珍・袖裏・袖炉・褎然・褏褏
異体字
〔説文〕の本字である褎は、そで、以外にも意味があるので詳しく述べ、その他の異体字についてはこれを列挙する。
褎
褎は、〔説文〕の本字。
そでという意味のほかに、ユウと読み、服の立派なさま、禾黍の立派なさま、枝葉の成長するさま、進む、という意味がある。
その他の異体字
- 褏は、〔集韻〕に褎と同じとある異体字。部分的に由に従う、褎と袖の中間にある字形である。〔前漢書〕に使用例がある。JIS X 0212補助漢字。
- 𠍡は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
- 𧙏は、〔直音〕に袖と同じとある異体字。