GBDK(GameBoy Developers Kit)とは、任天堂「ゲームボーイ」および「ゲームボーイカラー」用のプログラムをC言語またはアセンブリ言語で開発するためのフリーウェアのツールである。
概要
GBDKは元々「lcc」と呼ばれるZ80用のクロスアセンブラ・コンパイラだったものを、スイスのPascal Felber 氏がゲームボーイ用の環境として整備したものである。
その後GBDKは彼の手を離れ、Michael Hope氏らによってバージョンアップとメンテナンスが行われた。(最終的にはlccではなくSDCCを利用。開発は2002年に中止された。)
UNIXとDOSで利用が可能であり、ゲームボーイ実機またはエミュレータで実行可能なROMイメージファイルを作成することができる。
グラフィックデータの作成にはこれと合わせて、オランダのHarry Mulder氏によって開発された「GBTD」(GameBoy Tile Designer)、「GBMB」(GameBoy Map Builder)というフリーソフトを用いて行うのが一般的である。「GBTD」はタイルデータ(8x8のドット)の作成、「GBMB」はタイルマップの作成に用いる。この他にも、ひらがな、カタカナの入力を可能にする「GBDKJP」など様々な開発支援ツールが存在した。
これらのツールの登場によって本来アセンブリ言語で行うものであったゲームボーイソフトの開発をC言語で容易に行えるようになり、個人プログラマだけでなく全くのプログラミング初心者でさえもソフト開発可能になった。ゲームボーイカラーが現役だった2000年前後には、日本でもGBDKを扱った個人サイトが多数公開され、様々な同人作品が発表されていたのである。
GBDKを使用して作られた著名なソフトには「プロアクションリプレイ2」、「Little Sound Dj」、「nanoloop」などがある。また詳細は不明だが、「ゲームボーイのプログラム・改造マニュアル(大橋修/著)」によると、日本ではシミュレーションゲームで有名なKが開発に使用していたという噂もあったようだ。
ゲームボーイ30周年の2019年頃から、ゲームボーイソフト開発が再び活発になっており、その後「GBDK-2020」や、「GB Studio」を用いたソフト開発が盛んに行われるようになった。
関連商品