第1回性教育の講演、1週間前の突然の中止 学校現場、いまも続く萎縮

有料記事性教育を問う

塩入彩 島崎周 杉原里美
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性教育を問う(1)

 子どもや若者への性暴力が社会問題となる中、現在の日本の教育では、子どもたちが性に関する十分な知識が得られないと訴える声があがっている。小中学校の学習指導要領には性交に関する記述はなく、「性交を教えてはいけない」と考える教員は多い。一方、世界では人権尊重を基盤に、性交を含めて幅広く性を学ぶ「包括的性教育」が広がる。識者らは「自分の体も相手の体も大事にできるようになる」として、日本での実施を求めている。(塩入彩、島崎周、杉原里美)

 講演まで、あと1週間に迫った日のことだった。

 全国各地の学校で性教育の講演をする埼玉医科大助教で産婦人科医の高橋幸子さん(48)は今年2月、関東地方の公立中学校から性教育の講演をキャンセルしたいとの連絡を受けた。

 講演は中学3年生向けで、半年前から日程を決めて調整を進めていた。学校側の窓口の教員からは「(生徒たちに)これまで性教育をやっておらず、急にいろいろ教えたら混乱するから」と説明された。

 思い当たったのは、事前に送った当日のスライドだ。

 スライドには、性交を描いた…

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この記事を書いた人
塩入彩
首都圏ニュースセンター|教育、武蔵野地区担当
専門・関心分野
ジェンダー、教育、性暴力、性教育
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権
  • commentatorHeader
    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2023年11月28日18時38分 投稿
    【視点】

    性教育を問うことは、他者とのかかわり合いのなかで生きることと性教育の関連やヘルスリテラシー(健康や医療に関する情報を正しく理解して活用する能力)と性教育の関連などについて考えることにつながる。 この連載を読みながら、日本の性教育を問う

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2023年11月28日21時40分 投稿
    【視点】

    旧統一教会は「純潔教育」を主張し、2005年に発足した自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の座長は安倍晋三、事務局長は山谷えり子と、いずれも旧統一教会と関係の深い自民党議員だった。 こういう一握りの「ク

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