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「布団の中とか、トイレの中とか、電車の中がいちばん集中して読めます。でも、もっとも好きなのは風呂で読むこと。毎晩一冊を1時間以内で読了しても、全然疲れません」と答えたところ、先生の回答が、まさに「眼からウロコ」だった。
「アラマタさん、風呂でいちばん本が読めるのは、ドライアイがなくなるからですよ。風呂の湯気が眼の表面をいつも潤してくれるんです。じつは私もドライアイで、こうしてお茶がでたときは5分ほど眼にあてるんです。そうしますと、ドライアイが見事に改善しますよ」そういって、コーヒーのカップを眼に当てられた。アラマタもマネをして眼にあてたところ、じつにいい。
そうか、おいらが風呂で読書するのが好きな原因は、ドライアイにあったのか!お茶を運ぶ人が怪訝な顔で通り過ぎたが、これからは喫茶店で、まず眼に湯気を飲ませることにしよう。
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