成功してる投資家の技術を盗む。株式投資のリバースエンジニアリングをざっくりやってみた
株式投資のリバースエンジニアリングって?
「マネーマスターズ列伝」のあとがき?に、株式投資の「リバース・エンジニアリング」なる言葉が出てきます。
本来、リバースエンジニアリングとは、競合他社の製品を購入するなどして入手し、それを分解・分析することで、自社の製品開発に活かすことです。
これを株式投資でもやってしまおうってことですね。
この場合、競合他社の製品にあたるものは、成功している投資家のポートフォリオになります。
すなわち、株式投資のリバースエンジニアリングとは、成功している投資家のポートフォリオの中から自分に合った銘柄を抽出しようってことのようです。
成功している投資家をスクリーニングフィルターとして活用しようともいえると思います(リバースエンジニアリングの意味と離れている気もしますが、銘柄選択の技術を盗むってとらえれば、まああんまり違和感ないかな)。
リバースエンジニアリングのルール
1 範と仰ごうとしてるファンドマネージャーが本当に傑出しているのかどうかを良く確認すること
株式投資のリバースエンジニアリングでは、成功している投資家のポートフォリオをスクリーニングフィルターにするという性質上、範と仰ぐ相手が傑出していることはもちろん大事ですね
2 目的は長期投資であって単なるトレーディングではないという原則を貫くこと
公表されているポートフォリオデータから、マネをするという性質上、短期の投資家(売買回転率の高いファンド)はちょっと模倣できないですよね。
自分がマネして買ったときには、短期のファンドはもう売っちゃってますから。彼らに売り場を提供するだけになっちゃいますね。
なので、模倣する選ぶ対象はあくまで長期投資家。
3 範とする達人投資家が、当の銘柄を買い増し中か、あるいは少なくとも(保有)持続中かを判断すること
模倣する相手が売っているような株式を買ってはダメですよね。
4 入手した大投資家の銘柄リストもそれ自体ではまだ1つの「母集団」に過ぎず、そこからさらにいくつかの候補銘柄に絞り込んで自ら検討を加える
いくら真似する相手が優れていたとしても、傾倒しすぎてそのまま同じ銘柄を買うだけではダメ。自分で考えるのが大切かも、ですね。
5 限られた分野に特化できるのは素人投資家(個人投資家の意)ならではの強みである
機関投資家みたいにポートフォリオのバランスとか考えずに、自分の得意分野で勝負した方が勝ちやすいって意味ですね。
試しに、ひふみ投信を例に株式投資のリバースエンジニアリングをやってみた
レオスキャピタルワークスの運営するひふみ投信(マザーファンド)を例に試しにやってみました(フィルタリングまで)。
レオスが模倣の対象として最適かは読んで頂いた方の判断にゆだねますが、
1 中小型株の銘柄選択能力を前面に押し出している
2 一定の知名度がある
3 大きな運用機関ではない
などの特徴から例に使うのには適していると考えました。
ちなみにこのファンドの設定来のパフォーマンスは102%で、同期間の配当込みTOPIXのパフォーマンス74.5%をアウトパフォームしています(2014年1月末時点)。運用機関が短いため(2012年5月にファンド設定)、本当に傑出しているのかと問われると困りますが、一定評価できる実績はあるといえるのかな、と。
加えると、同社が運用するほかのファンドもおおむねパフォーマンス良いです(しかも、小さい会社なので同じような人で運用している)。
テンプフォールディングスとエスアールジータカミヤ、2銘柄出てきました
2014年1月末時点と2013年12月末時点の保有銘柄(上位10銘柄)のファンド構成比率から作ってみたのが、下の表です。
保有割合を増やしているのはテンプフォールディングス(2181)とエスアールジータカミヤ(2445)の2銘柄でした。
この2銘柄を調べてみるのもおもしろいかも知れません。
以上、株式投資のリバースエンジニアリングをざっくりやってみた、でした。
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