7月から勤務している会社がオープンソースの採用に非常に積極的で、デスクトップ環境もLinux前提です。そこで、Fedora15をデスクトップ用に使って見たところ非常に完成度が高く、なかなか感銘を受けました。特に好印象なのは、このあたり。(私が最後にデスクトップ用途でLinuxを使ったのは10年近く前だったので、その辺は割り引いて感動を受け止めて下さい。。。)
・Gnome-shellのおかげでデスクトップにファイルが散らからない。Nautilusのタブ機能でファイル管理もやりやすい。
・ディスプレイの認識、設定が非常にスムーズ。
・有線、無線、VPNなどのネットワークまわりの設定が非常にスムーズ。(サーバ環境だと邪魔なだけのNetworkManagerですが、デスクトップ用途には必須ですね。)
・LibreOfficeが予想以上に軽く起動する。(10年前とはHWが違うので当然ですが・・・)
・プリンタは・・・、プリントサーバの方がきちんと準備されていれば、PCからはプリントサーバを指定するだけ。(CUPS対応のプリントサーバが整備されている会社はまだあまり無いかも知れませんが。。。。)
・SELinux前提でいろいろなパッケージが準備されており、何も考えずにSELinux enableのままで使える。
・最近はノートPCもIntel-VT対応しているので、KVMでゲストも使える。(どうしてもWindowsが必要なアプリケーションだけは、ゲスト上で使うとかできます。)
・e-mobileなどのUSBタイプのモバイル通信デバイスも使えます。
というわけで、Fedora15の初期セットアップなど、デスクトップ用途で使う上でのHint&Tipsを書き留めて行きます。
※この記事は、随時更新していきます。
インストール
ここからFedora15デスクトップ版のLive CDを入手します。Live CDから起動して、インストールアイコンをクリックすればOKです。今時はノートPCでも64bitだと思うので、メモリをたっぷり積んで64ビット版を使いましょう。KVMゲストが余裕を持って使えます。
・セキュリティが気になる方は、/homeを別パーティションにして暗号化してください。
・ユーザ作成画面では、一般ユーザを作成して、管理者権限を与えるにチェックを付けます。これでrootにならなくてほとんどの設定作業が可能です。
インストール直後は、(もしかしたら)フォントがでかいとか、ウィンドウに最小化・最大化ボタンが無い?!とか、いまいちな気分になりますが、さくっとカスタマイズすれば大丈夫です。
インストール直後のカスタマイズ
RPMFusionから便利なパッケージが提供されているので、これをYUMリポジトリに追加します。
$ su -c 'yum localinstall --nogpgcheck \ http://download1.rpmfusion.org/free/fedora/rpmfusion-free-release-stable.noarch.rpm \ http://download1.rpmfusion.org/nonfree/fedora/rpmfusion-nonfree-release-stable.noarch.rpm'
これをやるには、ネットワーク接続が必要ですが、有線LANは何もしなくてもDHCPで接続できるので、まずは有線LANで作業してください。
この後は、rootになってyumを叩くか、画面左上の「アクティビティ」→「アプリケーション」→「システムツール」→「ソフトウェアの追加/削除」から、まずは下記を追加導入します。
・gnome-tweak-tool(GNOME3のこまごました設定を変更するツール)
・vlgothic-fonts, vlgothic-p-fonts(見栄えのいいゴシックフォント)
・freetype-freeworld(フォントの表示を綺麗にするレンダリングエンジン。私にはあまり違いは分かりませんでしたので、お好みで。)
「アクティビティ」→「アプリケーション」→「アクセサリ」→「高度な設定のカスタマイズ」を起動すると、全般的なフォントサイズの調整(Fontsメニュー)やウィンドウの右上に最大化、最小化ボタンを表示する(Shellメニュー)など、とりあえず気になって仕方がない見栄えの部分の変更ができます。また、gnome-shell-extensions-* パッケージをいろいろ入れておくと、Shell Extensionsメニューで、いろんな機能のON/OFFができます。私の好みは、ツールバーにワークプレース選択メニューを表示するやつと、CPU温度を表示するやつと、逆にbluetoothアイコンを消すやつなど。
この辺でとりあえずFirefoxを起動したくなると思います。「アクティビティ」メニューで左に出てくるアイコンから起動して、好みでフォントをVL Pゴシックに変更してください。
デスクトップにアナログ時計が欲しいなぁという方は、余計なガジェットではなく、cairo-clockをyumで入れてください。radiumテーマにすると仕事な気分になって落ち着きます。
Adobe関係のもろもろ
このあたりで"YUM for Linux"を選択すると、adobe-release-i386-1.0-1.noarchがダウンロードできるので、これを入れます。
yum localinstall --nogpgcheck adobe-release-i386-1.0-1.noarch
これはAdobeサイトのレポジトリ定義を追加するだけのものです。この後、yumか「ソフトウェアの追加/削除」からAdobeReader, adobeair, flash-pluginを入れます。ただし、デフォルトで入っているPDFビューアの出来がよいので、AdobeReaderは不要かもしれません。
また、64bit環境では、この方法で入れたFirefox用のflash-pluginは使えません。このあたりから、64bit用のflashplayer10_2_p3_64bit_linux_111710.tar.gzをダウンロードして展開すると、libflashplayer.soが出てくるので、男らしく、rootになって/usr/lib64/mozilla/pluginsの下にmvしておきます。
画面ロック、再起動、サスペンドなど
画面右上のユーザ名部分をクリックすると、画面のロック、ログアウト、サスペンド、が選べます。Altを押すと、サスペンドが電源オフ/再起動メニューに変わります。画面のロックは、ショートカット「Ctrl+Alt+l」でもOKです。自席を離れるときは、さくっと押す習慣を付けましょう。
ネットワーク設定もろもろ
画面右上のネットワーク設定アイコンから、有線も無線も普通に設定できてしまいます。説明することが無いです。。。NICデバイス名の命名規則が少し変わっているので、ifconfigで見るとオンボードのイーサがeth0ではなくて、em1になっていても気にしないでください。ちなみに、うちの会社はCISCOのVPNを使っていますが、VPNの設定も問題なくできてしまいます。
EMobileのUSB通信カードの使い方
USBなのにカード???普通は何て呼ぶのでしょう?
という疑問はおいといて、selinux-policyのバージョンが3.9.16-32になっていなかったら、まずは、こちらを実行します。ソースはここ。
su -c "yum update --enablerepo=updates-testing selinux-policy-3.9.16-32.fc15"
この後、USBを刺して、/var/log/messagesでもtailでながめながら1〜2分待つと、画面右上のNetworkManagerアイコンメニューに「モバイルブロードバンド/EMobile connection」が表示されるようになります。"EMobile connection"の部分を選択すると、それだけでPPP接続が完了します。一切の設定不要です。すばらしい。(もしかしたら、新品のsimは別途、アクティベーションが必要かもしれません。)