【第73回ベルリン映画祭 ジェネレーション部門出品】
秀作『家に帰ろう』のパブロ・ソラルス監督新作。母親に内緒で演劇塾に通う少年だが、あるとき映画オーディションの話がきて…
前作『家に帰ろう』はホロコーストを題材にした感動作で気に入っていた。それ故に期待したのだが、説明不足の点が多すぎて入り込めず。
ストレートな青春もので、プロダクションはしっかりしている。小さな描写の積み重ねで見せていくのは前作同様いい。
ただ、父親のセクシャリティ、主演女優との関係、母親との向き合い方など大事な要素への説明が足りなさすぎる。広げるだけ広げて放り出されたようなモヤモヤ感だけが残る。
少年にフォーカスしたと言えなくもないが、これだとただ単に最初からこの少年が天才だというだけでは。それも父親の血を継いで。そこからの展開がないのでつまらない。
おばあちゃんとの関係を描く前に、まず母親とちゃんと向き合うところを見せてほしかった。期待していただけに残念。