ミャンマーの小さな村の小さな寺で、見習い僧侶が迷って、さまよって、どうするかを観る映画。
いいヤツ、見つけちゃった。
ミャンマー映画!
映像が美しい。台詞は極少、音楽は皆無。
寺の生活と、見習い僧侶のよく見えない心情と、村の風情とがほぼ映像のみで描かれている。静かで、美しい。
雨の中、見習い僧侶たちがぬかるんだ土の道を素足で歩く姿が何度か出てくるけど、それらの映像が印象的。何に感じ入ったのか自分でもハッキリとは分からないけど、日本の伝統的な神事に感じるのと似た洗練された究極の佇まいを感じた。いや、ちょっと違うかも。
主人公の見習い僧侶の迷って決断するまでの心の道筋については説明不足という感じもするけれど、「ああ、そうなのだね」と結果だけ受け取ればいいのだ、と自動的に説得させられてしまう何かがある。
そしてエンドロールが秀逸。音。
上映後の監督のQ&Aによると、ミャンマーは軍事政権になってから国が貧しくなり、僧侶たちを養えない状態になってしまったという。寺が経済的に困窮する様子も描かれていた。
また、この映画は国の検閲によりミャンマー国内ではまだ上映されていないそうだ。
ちょうど上映が終わった頃、ミャンマーの総選挙でアウンサンスーチー率いるNLDの勝利が確実となり、現大統領も平和的に政権を譲渡するとの声明を出したという速報が流れていた。
この映画がミャンマーで上映されるようになることを祈ります。日本でも。