いま、セキュリティ研究者らが警告を発しているのは「VIP Keylogger」と「0bj3ctivityStealer」というマルウェアだが、これらはメール本文内に巧妙に隠されているため、一見して発見しにくいとされる。
こうした状況の中で、最大手のメールプラットフォームであるGmailとOutlookのユーザーは特に注意を払うべきだ。以下に知っておくべきポイントを示そう。
メールにマルウェアが隠れてしまう仕組み
フィッシング自体は目新しいものではない。常に手口が進化しているものの、多くは依然としてリンクをクリックさせたり、添付ファイルを実行させたりする旧来の方法に頼っている。しかし、最新のHP Wolfセキュリティ脅威インサイトレポートによれば、画像の中にマルウェアを隠し込んだままメールで配信する、深刻な攻撃手法が確認されたという。それも1種類ではなく、2種類のマルウェアが報告されている。セキュリティ研究者らによると、VIP Keyloggerと0bj3ctivityStealerというマルウェアを拡散する攻撃は、いずれも画像に悪意あるコードを仕込む同じ初期攻撃手法を用いている。VIP Keyloggerはキーストロークを記録し、アプリやクリップボードなど複数のソースから認証情報を盗み出す。0bj3ctivityStealerも情報窃取型であり、アカウント認証情報やクレジットカードのデータを標的とする。
研究者らは「正規のウェブサイトにホストした画像に悪意あるコードを仕込んでメールに使用することで、信頼情報チェックに依存するウェブプロキシなどのネットワークセキュリティを回避しやすくなります」と述べている。