ゲームを作ったらハリウッドから映画化オファーが来た話
最初に
ブログの更新は凄い久々ですね
殆どの方は知らないと思いますが僕は2017年8月に「7年後で待ってる」というiOS・Android向けゲームをリリースしました
そこから3年半、アプリのDL数は600万まで伸びました
そして記事のタイトル通り海外でヒットしたり映像化オファーが来たりとあれやこれやあったわけですが、そこら辺を宣伝も兼ねてちょっと色々書こうと思うので良かったら読んでいって下さい
「7年後で待ってる」を制作する前
ゲーム制作を始めたのは2016年です
実はその頃、個人がスマホゲームを作って食べていくことに僕は否定的でした
技術的な難易度が非常に高い上、商業的な成功はそれ以上に難しいと思っていたからです
というのも当時、既に素人によるゲームアプリバブルは弾けていて、スマホゲーム市場は完全に大企業が札束で殴り合うレッドオーシャンになっていたました*1
それでも僕が参入したのには2つの理由があります
ひとつは単純にゲームを作ってみたかったから
作ってみたいですよね!ゲーム
勝手な想像ですが誰でも人生で一度は自分だけのオリジナルゲームを妄想して一日を潰したり、ノートに設定を書きなぐって何ページもダメにした日があると信じています
6円の稼ぎ
そしてもうひとつは試しに作ってみたwebサービスが広告収入を6円しか稼ぎ出さなかったから、です
実はゲームを作る以前、僕は友人とwebサービスを作っていました、といっても1年にも満たない短い期間ですしキチンとしたものは作っていないのですが
それでも6円は驚きました
これが0円だったらwebサービス開発を続けていたかもしれません
webサービスどころかプログラミングすらズブの素人だった僕らは四苦八苦し、もがき苦しみながらクラウドサーバーを建て良く分からないままCakePHP*2を動かし、雰囲気でSwift*3のコードを書きながらAppleにお布施をしてまでwebサービスを作ったのに……
6円という数字は僕らの心を折るのには十分な数字でした
ここで思ったんです
「なんか、webサービスとゲーム開発って難易度あまり変わら無さそうだな」と、そして元々ゲーム制作に乗り気だった友人に同意する形で僕らはゲーム開発に舵を切りました
UnityとCocos2d
当時、ゲームエンジンはUnityとCocos2dの2択でした*4
現在の猫も杓子もUnity、アニメ制作も建築設計もUnityみたいな状況からは考えられないかもしれませんがそういう時代がありました
僕らは「cocos2dは環境の作り方がよく分からん、というかHello worldすらできん、一言でいうと全く意味が分からん」という軽薄な理由でUnityを選んだわけですが、結果的には正解でした*5
Unityはexeアイコンをダブルクリックしてprint("hello world")するだけです
Unityのチュートリアルを終えた僕らは試しにネット対戦型のアクションゲームを作ってみます*6
少し話が逸れるのですがUnityのチュートリアルって魔法みたいです
大多数のゲーム制作未経験者にとってゲームって何をどう作ったら良いのか意味不明、取っ掛かりすら分からない未知の領域だと思います
それがUnityのチュートリアルを終えスターソルジャーの高解像度版みたいな縦スクロールシューティングを作り終えると錯覚するんですよ
「あれ、ゲームってこんなに簡単に出来るんだ!」と
僕らも当然錯覚しました、でもゲームが作れることと出来上がったゲームが面白いかどうかには何の関係も無いんですよね
ということで「お試しだから…」と念じながら僕らが作った最初のゲームは全然ヒットしませんでした
1000円って凄い
それでも確か1000円くらいは稼いでくれたと思います
1000円はインパクトが大きいですよね、何しろ比較対象が6円ですから、都合150倍です
僕がゲーム制作に夢を抱くには十分な数字でした
ということで本格的にゲーム制作を始める、はずったのですが……
最初のゲームを作った後、僕らはなぜか分業制ならぬ別業制になりました
「お試しだから……」の言い訳がなくなった僕らはそれぞれの企画に絶対の自信が持てず、100%のリソースを割く度胸がなかったのでとりあえずという形で別々にゲームを作ることにしたんですね
これは今でも後悔しています
そうして僕が次に作ったのが「いちばん良い名前をたのむ」という診断ゲームみたいなアプリです
このゲームは今でもDL出来ます
良かったら遊んでみて下さい
ちょっとここまでが予想以上に長くなったのでここから「7年後で待ってる」完成までを箇条書きで要約します
- 貯金の残高的に次に作れるのが最後のゲームっぽかったので昔から作りたかったシナリオ重視のゲームを作ろうと決めます
- ちょうど半分くらいまで作った頃、友人が離脱して就職しました
- 別々のゲームを作っているとはいえ机を並べてずっと一緒にやって来たので死ぬほど寂しかったです
- 僕も「7年後で待ってる」を作り終えたら就職しようと決めました
- それから半年後「7年後で待ってる」が完成しました
結果、制作に1年かかったわけですが作り始めた時はこんなに掛かるとは思っておらず、リリースした日には貯金が2万円ちょっとしか残っていませんでした
築50年を超える古びた賃貸だったので何とか次の家賃くらいは払えましたし、たしか財布には1万以上あって「これなら光熱費も食費も二ヶ月分は大丈夫だな!」*7みたいな謎の方程式が頭の中でたっていましたが今考えると限界もいいとこです
というかこんなに切羽詰まってたんですね、この記事を書くにあたって預金通帳を引っ張り出してきたわけですが、自分でもびっくりしました
僕は自分が一度就職やバイトなんかをしてしまうと、片手間でゲーム制作なんて出来ない人間であること、つまりもう二度とこのゲームを完成させられなくなる事が分かっていたので多分ホントの瀬戸際まで頑張っていたんだと思います
ということで、一応ゲームは出来た訳ですがゲーム開発自体はここでもうお終い、リタイアでした
「7年後で待ってる」完成
さてリリースに際して行った施策ですが殆どありません
最近、以下のプレスリリースに関する記事が話題になっていまいたが
僕が送ったプレスリリースを掲載してくれるメディアは一つもありませんでした
書き方が悪かったのかなあ、今でもちょっと不思議です*8
当時ツイッターもブログもやっていなかったので本当にゼロスタートになる所でしたが、一応誰でも登録出来る事前予約サイトのおかげで100人くらいはリリース時にプレイしてくれたと思います
この100人って数字は非常に大事です
上には書いていないのですが最初のお試しゲームをリリースした時、同時にスピンオフみたいなミニゲームを別アプリとして宣伝も事前予約も一切なしでリリースしたことがあります
この時は本当に無でした
よく好きの反対は無関心とか言いますが、絶賛レビューの反対も酷評レビューや罵倒レビューなんかじゃないなと悟った瞬間です
作ったゲームが誰にもプレイされず、ただネットの海をプカプカと浮かんでる様を眺めるほど悲しい事ってないです
リリース
といっても「7年後で待ってる」をリリースする日は、感想が怖くてひたすたひたいを指でトントンしていましたし*9
リリース後、最初に管理者画面でレビューの閲覧ボタンをクリックする時はリアルに手が震えてなかなか評価を見れませんでした
しかし蓋を開けてみると殆どが高評価、好意的なレビューで評価値は4.9を超えていました
嬉しかったです
ただし評価が高いからといってダウンロードが伸びるわけではありません
リリース直後は中々DLが増えませんでした
たしか1週間後くらいに有名なゲーム実況者さんがプレイ動画をあげてくれたり、いくつかのネットゲームメディアが紹介記事を書いてくれたのですがDL的にはほぼ無風でした
ただ僕はこの時、自分の中では半ば終わった話であるゲームのことなんかよりもバイト探しの方がよっぽど大事でリリース後の動向にはあまり関心がなかった記憶があります
急上昇ランキング
しかし、ここでなぜか「7年後で待ってる」はGooglePlayの急上昇ゲームランキングにのります
僕は「Twitterで感想をつぶやいている人が何か増えてるな…」と思い、原因を探りそれに気付きました
どういったアルゴリズムなのかは謎です、おそらく評価が良かったからかなと思っているのですが(ずっと4.9を維持していました)「7年後で待ってる」は急上昇ランキング100位くらいに登場しました
そしてそこから1週間程かけジリジリとランキングをあげ最高時は2位となりその後しばらく10位以内をうろうろしていました
このおかげでDLが急増し、広告収益も増えてとりあえずバイトをせずとも家賃が払えるようになりました*10
DLC?
実は上でゲームが完成したと書きましたが、厳密にいうと「7年後で待ってる」はまだ未完成でした
現在は実装されている課金部分が丸々なかったんです
レビューの高評価と不労所得に気を良くした僕は追加部分の作成に取り掛かりました
いわゆるDLCですね
最初のメール
そんなこんなでバイト探しを完全にやめた頃、一通のメールが届きました
差出人は中国のゲームデベロッパーを名乗っておりゲームを中国語に翻訳したいとの申し出だったのですが、これは本当にツッコミどころ満載のメールでした*11
というか差出人の名前でググると一番上に「中国の詐欺集団!コイツラに気を付けろ!」みたいなページが出てくるんですよ
びっくりしましたね
この時の経緯は以下の記事にまとめています
短くまとめると
- メールの差出人は中国の漢化組と呼ばれる元非合法集団、Pujia8だった
- 今は真っ当な企業に生まれ変わって日本と中国の橋渡しをしたいと思っているが誰も相手にしてくれないらしい
- 過去の行いは反省しているので、ゲームを翻訳させてくれないかとの事
- 長文で何回もメールのやり取りをした結果、なんか信用できそうだったので結局翻訳を頼んだ
以上です
ちなみに僕はPujia8公式サイトや契約書の変な日本語が気になりすぎて無償でほぼ全文校正していました*12
今でもたまに上の記事を読んだ日本のゲームクリエイターさんから*13Pujia8絡みで相談を貰ったりしますが、お陰?かは分かりませんが結構上手くいっているようです
bilibiliなどの例もありますし、将来この企業が成功したら「昔あの企業は―」と自慢したいので頑張って欲しいです
中国語版リリース
結果ですが、翻訳をお願いしたことは大成功でした
程なくして「7年後で待ってる」は中国でリリースされたわけですが、日本以上にスマッシュヒットしました
中国版はランキングに入ったりAppStoreの「今日のゲーム」で取り上げてもらったこともあるんですが、その際はインプレッション(アプリの表示回数)がバグり数日で2億を超えました
ちなみにゲームをプレイして貰えると分かるのですが、Appleの人が作ったこの画像の人選は絶妙に謎です*14
あとはヒットしたおかげか、いくつかのゲーム賞もいただけました
こんな感じですが、僕は出席してません、というか授賞式には呼ばれてませんし日時も場所も知りませんでした
行きたかったなあ
ちなみに後からトロフィーだけもらいました
今日本にいて近くまで来てるから取りに来て!と言われたので普通に取りに行きました
めっちゃ嬉しかったです👍
この頃、たしか200万DLくらいだったと思います
もちろん中国ブーストのおかげです
本当に嬉しい限りなのですが、僕の懐事情はあまり暖かくありませんでした
というのも中国のAndroid版の広告表示がうまく出来ておらず収益は全くのゼロだったからです*15
中国のユーザーさんが「広告もないし本当にいいゲーム!」みたいな感想を書いていましたが広告はあるんです……あるんですよ……
多言語展開
僕は元々、多国語展開に興味がありました
アプリゲームなんて多国語展開してなんぼくらいに思ってもいたんですが文字数がとにかく多いADVは翻訳コストが高く、半ば諦めていました
しかし中国でのヒットに気を良くした僕は更に多言語でのゲームリリースを決意します
その数、14言語!
普通よっぽどの有名作品でも無い限りテキストの多いゲームはそんなにローカライズはしないのですが、ローカライズが少ないということはライバルが少ないということ!
というわけで、英語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、アラビア語、ヒンディー語、タイ語、インドネシア語、韓国語、(中国語、日本語)にローカライズする事にしました*16
このうちヒンディー語は翻訳家が見つからず、アラビア語はTwitter経由で見つかったものの報酬の半分を払ったら音信不通になったので実現しませんでしたが、代わりにトルコ語が増えて現在13言語の翻訳版があります
アラビア語以外にも一部の言語ではグーグル翻訳そのままのものを納品され、確認不足で気付かずに支払いを行ってしまい逃げられるなど色々なトラブルがありました
更に低価格が売りの翻訳家さんに頼んだため半分くらいの言語では翻訳の質が明らかにネイティブの文章ではないと一目で分かるくらいには酷いらしく、ゲームの評価も一気に4.6まで下がってしまいました
収益的にもペイしたのは中国語と英語だけという感じです
ただ色々な国のユーザーからレビューを貰えることは本当に嬉しく、結果オーライ、総合的にはやって良かったと思っています
二通目のメール
時系列を戻し、僕が翻訳家を探したりDLCの作成を行っている頃、またとあるメールが届きました
中身はなんと中国でのドラマ化オファーでした
詐欺だと思いましたね
冗談ではなく中国ではそういう著作権詐欺みたいなのが実際あるらしいんですよ
ちょうどタイムリーに中国の友人とそういう話をしていたのでホントにそう思いました
でもやっぱり気になりますよね、詐欺だ詐欺だと思いつつも無下には出来ないです
めちゃくちゃ丁寧な文章で返信しました
すると、ものすごくまともな内容の返信があり、二通目を返すときにはもう詐欺のことなんか忘れていました
疑心暗鬼が晴れたのにはもう一つの理由もあって、実は一つ目の映像会社と交渉中、更にもう一つのオファーが来たんですよ
しかもその会社は日本でも大人気のグルメ系ドラマを中国で配信している規模の大きいところでした
ここは契約上色々と話せないのですが、*17僕は結果的に一社目と契約を結びました
サラッと進みましたが中国でのドラマ化が決定したわけです、凄いですよね
僕が知る限りアプリ発の個人制作ゲームがドラマ化された例というのは国の内外を問わず聞いたことがありません*18
それはもう嬉しかったです
ハリウッド
そんなこんながちょうどDLCが完成して追加アップデートをした頃、「7年後で待ってる」リリースから4ヶ月後くらいの出来事です
それから少し経ち、雪が溶けてきた頃でした
タイトルにもある出来事が起こります
そう、ハリウッドからの映画化オファーです*19
これは流石に詐欺だとは思いませんでした、というか何か変なテンションだった記憶があります
当時、たしか日本のアニメやマンガIPの映画化権をハリウッド企業が買い漁っているみたいなニュースがあり
それに対する「成功したのは比較的マイナーな"All you need is kill"くらいだよねー」みたいなツイートをTwitterで発見した僕は、スマホの画面を眺めながら「7年後で待ってるもそこに並ぶかも!」みたいな性格の悪い妄想に耽っていたのをよく憶えています
オファーをくれたハリウッド企業は準メジャーと呼ばれるようなスタジオでした
アカデミー作品賞もとっていて世界的な映画会社と呼んで良い企業でした
少しやりとりをして分かったことですがそのスタジオは親会社が中国系だったので、おそらく中国でのスマッシュヒットを受け、何処か伝いに評判が行き渡って、という流れかなと推測しています*20
メールの相手は最初の担当者からすぐに上級役員のような肩書の人に変わり、悪くないやりとりが続いていました
しかし唐突に交渉は終わります
「日本・ハリウッドの非常に有名なプロデューサーと話をしている、数週間後には必ず良い返事が出来る」というようなメールが最後でした
次に来たメールは「会社の方針が変わったので契約は出来ない、しかし私個人のこの作品に対する思いは――」といったものでした
やっぱり世の中そんなに上手く出来ていませんよね
ハリウッドの有名スタジオといっても僕が知らないだけで小規模公開の低予算作品などもたくさんつくっているのでしょうし、実際に制作される作品の何倍、もしくは何十倍も声掛けしてるのでしょう
真相は分かりませんが「有名Pと―」などの話もある種のリップ・サービスで実際は殆ど企画は進んでいなかったんじゃないかなと思っています
良くないことは続く
その後も良くないことは続きました
まず中国での映像化が遅々として進みませんでした
加えて、この間も国内外からアニメ・ドラマ・映画と映像化オファーが片手では数え切れないくらいにあったのですが中国地域については僕に権利がなかったため交渉出来ず、国内のものについても足かせになり成約までいきませんでした*21
今思えばハリウッドからのオファーも権利を買い戻しでもしない限り、現実的には契約が難しかったかもしれません
基本的に個人開発者というのは交渉も全て自分でやらなければいけないわけですが、自らの権利や便益のみを声高に叫ぶ人と言うのは当然ながら嫌われるもので、自分の権利を自分で主張するというのは簡単なようで非常に難しいことです
そんなこんなで2年がたった頃
また一つオファーが来ました
中国のかなりの大手らしいです
曰く中国劇場版アニメ史上過去最高の制作費をかけアニメ映画を制作したいとのことでした、ホントに?
この2年、ずっと何かしらの映像化に関する交渉ややり取りをしていたのものの良い結果に結びついた事がなかったので、僕はなんとなく次も無理だろうなと思っていました
しかし先方はかなり本気らしく、契約上の問題も解決し僕は北京まで飛ぶこととなります
次こそはと思いました
そこでコロナです
話はなくなりました
直接、コロナが理由とは言われていませんが……
当然北京にも行けませんでした
ちょうど1年前の今頃ですね
その他いろいろ
そこから世間はコロナやオリンピックや色々あって今に至るわけですが振り返ると上に書いたこと以外にも色々ありました
『7年後で待ってる』、Vivo社の2020年最優秀インディーゲーム賞を受賞!おめでとうございます!@fumi_md pic.twitter.com/Fg0TgnigGm
— Kaku0123 (@Furinute_Kaku) 2020年11月20日
- まず直近ではOPPOとVivoの賞を頂いたり
- かなり前ですが○○経済の方から取材したいと言われ、取材用に色々まとめて待っていたのになぜかその後無視され徒労に終わったり
- G○○○○eの市場調査に協力し、謝礼とグッズ!を貰えるはずが何度か連絡しても忘れられ、別の社員の方に平謝りされたり*22
- 結局、最初のドラマ化の話が制作されないまま契約期間を満了したり……
- 嬉しいことも当然あって、ゲームのシナリオを評価してもらえたのか、シナリオ単独のお仕事を頂けたり
- 2019年には中国のゲーム用許認可番号である「版号」を取得したり(2019年の版号は180だけでそのうち7年後で待ってるが2つ!)
中でも思い出深いのは「ファミ通」に自分のタイトルが掲載された件で
ゲーム制作者としては、やっぱりあのファミ通の誌面に自分のタイトルが乗ることって一つの夢だと思います
僕はコレが一応叶ったわけですが「一応」の枕詞がある理由は以下の写真を見てもらえれば分かると思います
インタビュー中にタイトルが出ただけですね……悲しい
でもやっぱり嬉しいですからなんとか探して買いました(発売後しばらくしてから知人に教えてもらったので書店にはもうありませんでした)
その他の嬉しかったこと
もし他に良かったこと何かありますかと聞かれるなら、ゲームを出すとご飯を奢ってもらえるかもしれないということでしょうか
ゲームをリリースすると沢山の広告系企業からメールが来ますが、DLが順調に増えると直接お会いしましょうというお誘いも増えます
僕は最初、駅中のコーヒーショップで一杯奢ってもらう所から始まったのですが、東京駅横のカフェでいちごのショートケーキセット → 大阪駅の駅ビルで鴨のランチプレート → 中之島のレストランで豪華なディナーと順調にグレードアップしていきました
最後のは僕にとって人生で一番豪華な夕食でしたし、今でもそうです
本当にありがとうございます
嬉しい違いだとユーザーさんからもらった声で記憶に残っているのは、もちろん掛け値無しでホントにどれも嬉しいんですが「人生で初めてアプリに課金した」みたいな感想ですね
これは特に嬉しかった*23
後悔
逆に後悔してる部分ですが
これについては最近特に思っていることがあります
僕はマーケティングとか宣伝みたいなものを全然してなくて、600万DLという数字も200万から告知をサボっていました
ちょっと前に個人ゲーム開発者関係でバズった記事がいくつかあると思いますが、やっぱりそういうものを読んでいてもうちょっとガツガツ宣伝とかいろいろやっておけばよかったなと思っています*24
僕はホントに運が良かっただけで、たくさんのユーザーさんに遊んで貰えたわけですが、結局運の良さに甘えているだけでやれる事をちゃんとやらないのは怠慢だなと
ハリウッドの話なんかもNDAも結んでいないですし破断になった時点で全然公言出来たんですが、今までは家族友人含め誰にも言っておらず、お話したのは仕事関係の二人だけでした
これも自分を実像以上に大きく見せてるみたいでイヤらしいと思ってしまったからです、でも個人開発で食べていくならそれくらいイヤらしくないとダメですよね
収益
ちなみに「600万DLもあると相当儲かってるんでしょ」と言われたりします
アプリゲーム界隈では一つの指標として1DLあたりの収益単価みたいなものがよく使われますが、個人開発で1DLあたり100円超えてるとおおーって感じだと個人的には思います
でも他の開発者さんに聞いてみるとこれって結構超えてたりするんですよ
なので当然、600万DLだと1DL100円で…みたいな話になってきますよね
でも僕のゲームって例えば中国では長い間、収益ゼロでしたし、主要地域以外ではDL単価が1円以下とかそんな感じなんです*25
これから個人でゲーム開発頑張るぞー!って人のためにも、ゲームで一発当てて億ション買いました!みたいな豪快ことを言いたいんですが、僕の儲けだと中古のマンションすら全然手が届きません……
本題です
でもホントに良いこともたくさんあって
例えば最近Switch版がリリースされました
やった!
というかこの記事の本題ってこれなんですよ!
この事を宣伝したくてこんなに長々とずっと書いていたんです!
コンシューマーでゲームを出せるってやっぱりすごく嬉しいです
DL専用ではありますが、また一つ夢が叶いました
ということで皆さん、「7年後で待ってる」Switch版、ぜひよろしくお願いします
以上
と思ったんですが、このブログを書くにあたって、宣伝のために嘘を―とか色々言われると胃がキリキリして何も手につかなくなりそうだし僕には耐えられなさそうなので、特にハリウット周りのことについて昔のメールを読み返したり確認していたのですが
そうすると驚きの事実がありました
僕がやりとりをしていたスタジオですが、あの最後の「数週間後には良い結果が―」メールの1ヶ月後、破産していたんですよ
びっくりしました
ということはあのメールも社交辞令じゃなかったってことでしょうか
相談されてた非常に有名プロデューサーって誰なんでしょう、教えて下さい!
と、この辺で本当におしまいにしたいと思います
よかったらSwitch版「7年後で待ってる」買ってもらえると嬉しいです!!
そして、面白かったら周りの人に宣伝して貰えると更にうれしいです!
あと、メディアミックスのオファーもお待ちしてます!*26
よかったら
記事とは関係ないのですが
一人でゲームをつくることに限界を感じているので、一緒にゲームを作ってくれるという方をひっそり募集します
一応「7年後で待ってる」はBGM以外全て自分でやったのですが、僕の売りはシナリオかなと思っているので餅は餅屋と言いますし、プログラミングやイラスト・CG、音楽に明るい方だと嬉しいです*27
企画、シナリオ以外もUIやデザイン、ゲーム演出、プログラミングなど完全な素人よりは知識もあって円滑なコミュニーケーションの役には立つと思います
もしも興味のある方がいましたら下記のメッセージフォームかTwitterのDMなりでご連絡下さい
よろしくお願いします
*1:有名な個人やインディもいたのですが、昔のように広告を全面に押し出した低クオリティのゲームがランキングに入ることはなくなっていました
*2:フロントはReact+Reduxでした
*3:ここは友人の担当だったので僕は今でもネイティブアプリはよく分かりません
*4:3DではUEもありました
*5:追記:読み返したのですがCocos2dユーザーの方にはちょっと感じ悪いですね、すみません、当時の僕らには単純にCocos2dのハードルが高かったという意味です
*6:ゼロヨンチャンプのミニゲームみたいな戦車が対戦するゲームでした
*7:電気毛布を巻いてうどんとパスタをひたすら食べていました
*8:ちゃんとネットで調べた通りに書き、発売日前に送ったのですが、アプリゲームは数が多いので取り上げてくれないのかもしれません
*9:事前予約サイトでリリース日や時間は決まっていたのでどれだけ怖くても延期出来ず、それが逆に良かったです
*10:振り込まれるまでには当然ラグがあるのでかなり厳しかったですが
*11:日本のランキングを見て僕のゲームを発見してくれたそうです
*12:校正というか起草もしていました
*13:Pujia8でググるとトップページに出てくる上に他にまともな情報がないので殆どの人が読んでいるみたいです
*14:素材をお渡しした所、こうなりました
*15:iOSの方は結構な収入がありました、それでもDL数からすると微々たるものです
*16:ネット上での言語使用人口に翻訳のしやすさなどを加味して決めました
*17:ここに限らずモラルやビジネスマナー上、もしくは時期的にまだ書くべきではないと判断したことは書いていません
*18:小規模開発を含めれば、僕が知っているのはHit-Pointさんの「ねこあつめ」です
*19:どんな風に連絡が来るのか気になると思いますが、普通にメールでHi!って来ます
*20:ここら辺、書くか悩みましたし最終的に消そうと思ったのですが調べた所ああいうオチだったので書くことにしました
*21:騙されて不利な契約を結ばされていたとかそういう事では全くないのですが、国際的な映像化契約というのは非常に難しいです。少ないながらネット上に雛形や資料などもありますが、例えば特定の条文を見てその有利不利は判断できても、そもそも商習慣上必要な条文が抜け落ちている場合などはそれに素人が気付くのは非常に難しいです
*22:まだ謝礼とグッズ貰ってないですよー
*23:他には「アニメ化してほしい」という感想が非常に多いのですが、海外の方は大抵「京アニで!」と言います、京都アニメーションさんのブランド力って凄いですね
*24:僕がやるのはTwitterでゲームのことを呟いてくれた方にイイね!しまくるくらいです
*25:一番単価が高いのは北米です、これはゲームに限らずアプリ開発者は皆さんそう言うと思います
*26:特にアニメ化!
*27:勝手な思い込みというかコレ自体が失礼な例えかもしれませんがシナリオしか出来ないって、当方ボーカル希望、楽器担当募集みたいな感じですみません