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“厳”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
いか26.1%
おごそ23.6%
きび12.4%
いかめ11.5%
おごそか4.6%
げん4.6%
やか2.4%
やかま1.9%
いつく1.7%
いつ1.5%
きつ1.2%
おご1.2%
いかつ1.2%
きびし0.8%
しか0.7%
しかつ0.5%
イツ0.5%
0.3%
いかめし0.3%
いわお0.3%
0.3%
カザ0.3%
オゴソ0.2%
いつか0.2%
いはほ0.2%
おこそか0.2%
かざ0.2%
かた0.2%
こわ0.2%
ごん0.2%
イカ0.2%
イカメ0.2%
キビ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その四人の侍が、長方形の箱をかついでいる。と、その後から二人の侍が、一挺のいかめしい駕籠に付き添い、警護するように現われた。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それは当分その地にとどまり、充分看護に心を尽くすべしとか云う、森成さんに取ってはずいぶんおごそかに聞える命令的なものであった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、間もなく、その近江之介の首がたまりへ投げ込まれて、喬之助は、それ以来、きびしい詮議の眼をかすめて、今に姿を現さぬのである。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「お竹倉」は勿論その頃にはいかめしい陸軍被服廠や両国駅に変つてゐた。けれども震災後の今日こんにちを思へば、——「かへつて并州へいしうを望めばこれ故郷」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
糸車をじい……じい……村も浮世も寒さに喘息ぜんそくを病んだように響かせながら、猟夫に真裸まっぱだかになれ、と歯茎をめておごそかに言った。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もし久兵衛がまぐろの選択をさらにさらにげんにし、切り方を大様おおように現在の倍くらいに切ったとしたら、それこそ天下無敵であろう。
握り寿司の名人 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
……さればこそ、おぬしらにも平常、野には住むとも、を怠るな、身をいましめよ、弱きをたすけよと、やかましく沙汰してあるに……。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見えすいた広告法だが、やかましい師匠にやらなければ、いけないと思っている、無学町人の親たちには、それが大層評判がよかった。
髪黒く、色雪の如く、いつくしく正しくえんに気高き貴女きじょの、つくろはぬ姿したのが、すらりと入つた。月をうなじけつと見えたは、真白ましろ涼傘ひがさであつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いつかしき昔の父、おもかげに今し立ち、いさぎよしわが父やげに、昭和八年一月元旦、父の子は我は、ころばえて涙しながる。
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その翌日は非常にきつい坂で三途さんずのがれ坂というのをえねばならん。ところが幹事は誠に親切な人でヤクを貸して上げましょうという。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
座談の時とはちがって、慈円僧正は、やや恐いようなおごそかな顔をもって、七条の袈裟けさを、きちっとさばいて正面に坐っていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「御免。」と掛けた声が可恐おそろしいかつい蛮音。薩摩訛さつまなまりに、あれえ、と云うと、飛上るやら、くるくる舞うやら、ぺたんと坐って動けぬやら。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一斉に彼のおもてを注視せし風早と蒲田とのまなこは、更に相合うていかれるを、再び彼方あなたに差向けて、いとどきびし打目戍うちまもれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その折松風氏は卓子テーブルに頬杖をついてこくり/\居睡ゐねむりをしてゐたが、店員が入つて来たのを見ると、急にしかつべらしい顔をして相手を見た。
市内で相応に名を売つてゐる或る鶏肉かしは屋の主人あるじ鶏肉かしはの味はとりおと瞬間ほんのまにあります。」と言つてしかつべらしく語り出す。
龍に対するおかみ、罔象に当るみつはのめの呪水の神と考へられた証拠は、神武紀に「水神をイツ罔象女ミツハノメとなす」
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
段々雪が融けると、尾が消え、腹がむしられ、すきのような形をして、消えてしまうと語った、白い鳥は消えても、注意して見ると、岩壁かめしい赭色あかいろの農鳥は、いつ、いかなる時でも
雪の白峰 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
黒餅こくもち立沢瀉たちおもだか黒紬くろつむぎの羽織着たるがかく言ひて示すところあるが如き微笑をもらせり。甘糟と呼れたるは、茶柳条ちやじま仙台平せんだいひらの袴を着けたる、この中にてひと頬鬚ほほひげいかめしきをたくはふる紳士なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いわおの上のヨハネは、断崖だんがいの上のスフィンクスである。われわれはその言葉を解くことを得ない。それはユダヤの人であり、ヘブライの言葉である。
読むと、急にこうつウい顔付にならはりまして、間もなくそそくさとお出かけになられましたが……
其根方を樒の葉と葛蔓クズカヅラカザ野間ノマ権現の神霊を移す木(三国神社伝記)と同じ意味あひに使はれた物か、即決は出来る事でないが、阿礼幡が神の出現を待つ
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
黒玉の大きな石壁に、刻み込まれた白々としたからだのヤウに、オゴソかに、だが、すんなりと、手を伸べたまゝで居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
月い照るかかるかぐろいつかしき地表のしゆんを我がはなくに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
時々古いふなべりを打つては、蒼白い火花をほとばしらせる、泊夫藍色サフランいろの浪の高さ。その舟のともにはいはほのやうに、黙々と今日けふかいを取つた、おお、お前! 寂しいシヤアロン!
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
五百は優善やすよしを呼んでおこそかに会議の始末を言い渡した。成善はどうなる事かと胸を痛めていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
仕方のなくなった守衛は、屋上からの狭い出口をかためて、そこから一人ずつ通して首実験をしようとしたが、そんなことをしていたら一時間経っても仕事が出来ない。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
森先生に呼ばれて、葉子ようこはそのノートを先生の前へ出した。先生はすこしこわい顔をしてノートを開けて御覧になった。するとそこには、先生の顔がいてあった。
先生の顔 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
圏谷カールに輝く北沢をはじめ、谷も尾根も見る限り、ほとんど赤石沢の領に属する。雪は谷では二千メートル、尾根では二千三、四百メートルあたりを境にして、まず七分の山体をごん飾する。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
『名の意はイカなり。は例のに通ふ助辞、は美称なり』(古事記伝)とあるごとく、厳之神、厳之霊といふ意に落付く語原であつた。
雷談義 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
タヒラニシテ、敵ノ上方勢ヲ見ルニ、武具馬具光リ輝キ、将卒ノ気ハミナビヤカニ、陣装ヂンサウ燦爛サンラン、馬ハ長大ニシテ、悍気カンキ高ク、海外ヨリ得タル新兵器ト火薬ナドノ物智ブツチケ、武者立チ、イカメシク
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太政官符ダイジヤウグワンプに、更にキビしい添書コトワキがついて出ずとも、氏々の人は皆、目の前のすばやい人事自然の交錯した転変テンペンに、目をミハるばかりであつたので、久しい石城シキの問題も、其で、解決がついて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)