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“松明”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たいまつ94.5%
まつ2.8%
あかり0.9%
たきまつ0.5%
まつあか0.5%
まつのあかり0.5%
タイマツ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗厳は、心残りでならなかったが、家臣三名に松明たいまつを持たせて、ここから奈良まで二里足らずの道を、送って行くようにいいつけた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうしてそのまはりには仕丁たちが、手ん手に燃えさかる松明まつを執つて、煙が御縁の方へ靡くのを氣にしながら、仔細らしく控へて居ります。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
(蓮如行きかける。供の竹原の幸子坊後より続く。蓮如、幸子坊の持った松明あかりに目をつけ)
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
弟が用意して呉れた僅な松明たきまつの灯を掲げて、女は洞穴の中へ入って行った。歯朶しだが生い囲んでいる入口の辺を過ぎると、岩窟の岩肌が灯に照し出された。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
松明まつあかりを灯皿ひざらにくべ、どこの法師たちやら、悪僧面あくそうづらが三、四人、遊女あそびたちを、ひざへのせたり、抱えたりして、すでに飲み空けた酒壺さけつぼが、幾つも、横に、ころがされてある。
昔ながらの松明まつのあかり覚束おぼつかなき光に見廻はせば、寡婦やもめらしの何十年に屋根は漏り、壁は破れて、幼くてわが引き取られたる頃に思ひらぶれば、いたく頽廃たいはいの色をぞ示す
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
イヨイヨ時刻到来シテ、松明タイマツノ火ニ西風来ツテ吹キカケ余多アマタ伽藍ガラン一宇イチウモ残ラズ、夜昼三日、黒雲トナツテ焼ケ終ンヌ……。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)