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“邪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よこしま34.5%
さまた30.9%
よこし14.4%
よこ5.0%
じゃ5.0%
やま2.9%
1.4%
ひが1.4%
ヨコシマ1.4%
きたな0.7%
じや0.7%
そね0.7%
わる0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おっとのためによこしまになり、女が欺瞞にみちたものとなると見るならば、漱石はどうして直の心理のこの明暗を追って行かなかっただろう。
漱石の「行人」について (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
(詮議のさまたげになる。ここにおる者以外への口外は、一切差し控えられたい。——係り海野甚三郎は、お品の出るまで、退城はならぬ)
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よこしまなる人はもちろん話をも防ぎ、ただき道に導き奉り、共に天神地祇ちぎの冥助を、永く蒙り給わんことを願い給うべし。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
獨り者の四十男が、美しくも惱ましい主人の女房に、よこしまの戀慕をして居たことは、お作の困じ果てた言葉の末にもよく現はれます。
いきなり、もっと深々と、胸の中へ、妻の顔を抱きしめてやってから、彼は、そう云いながらじゃけんなように突っ放した。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ごらん、何一つやましいことは考えていない、そなたももっと大きい心になって聞いてもらわないとこまるのだ。
玉章 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
よつせいいへせり。の・老子らうしまなものすなは儒學じゆがくしりぞけ、儒學じゆがくまた老子らうししりぞく。『みちおなじからざれば、あひめにはからず』とは、あにこれ
段段先方むかうでは憎しみを増し、此方ではひがみが募る。意地を張つても、悲しいことには、彼女の一家は人のなさけと憐みとできなければならない。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
魁車の場合、あれほど正しい「演劇復帰」の軌道にのり乍ら、又あれほどヨコシマな写実主義を信奉して居たと言ふ矛盾は、併しありさうな事ではある。
「吾は恆に思ほすことあり。ぞといへば、いましの子目弱の王、人となりたらむ時、吾がその父王を殺せしことを知らば、還りてきたなき心一二あらむか」
またひと建築けんちく本義ほんぎは「實」であるとふかもれぬ。いづれがせいいづれがじやであるかは容易よういわからない。ひと心理状態しんりじやうたい個々こゝことなる、その心理しんり境遇きやうぐうしたが移動いどうすべき性質せいしつもつる。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
その得意さうな笑声を俺がどんなそねみ根性で聞いて居たかと云ふことは、彼の顧慮する所では勿論ないらしかつた。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
偽印というものは、巧くともまずくとも、そこにわるい意志があるでな。すぐわかるもので、これは稚拙というても、そういう拙さではないですな。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)