2007-01-01から1年間の記事一覧
ところで、ライターといっても請け負い仕事がほとんどなので、このブログでは自称「売文プロレタリアート」などと書いているが、ふと考えてみると、自称だけなら「ニューヨークで話題になった日本人文筆家」とも名乗れるな、と気づいた。 といっても、今年の…
と、いうわけで「今年の私的お気に入り作品」。ちなみに2006年度版。2005年度版。 1.小説『日本沈没 第二部』小松左京&谷甲州 2.映画『日本沈没』森谷司郎監督(昭和版) 3.映画『日本沈没』樋口真嗣監督(平成版) 八月一日の日録参照。 非日常によって日…
……と、きたところで、やっと本日の本題に入る(前フリ長すぎ!!) 件の団体、リバティコープの社長は、ウォルター・シキトカ、というアメリカ人だった。 ま、このウォルターのオヤジ、件のクソ会社は日本人スタッフが勝手にやった事、とか、自分は名誉職に祭…
しかしである、こーいう「何となくそのとき正しいと思われる陣営に与する」烏合の衆あってこそ、カルト的狂信とか群集心理とかファシズムは成立しているのだ。 ナチスのユダヤ人大虐殺はヒトラー一人がやったことではない、スターリンの大粛清、毛沢東の文化…
たまに「ネットワークビジネス、MLM、連鎖販売は合法、違法なマルチ商法と一緒にするな」と主張される方が存在する。 なるほど、連鎖販売という手段自体は違法ではない。だが問題は、新規会員を組織に勧誘するときの「場の空気」作り、同調圧力作りのやり方…
しかし、だから「右や左のプロ政治思想団体や宗教団体はヤバいが、利益しか追求してない団体は正しい」などとはならないのである。 このブログでは過去何度もしつこく取り上げたが、わたしは10年程前、リバティコープという狂信的ネットワークビジネス団体に…
少し前、若松孝二監督の映画『連合赤軍』を観てきた畏友ばくはつ五郎氏(id:bakuhatugoro)と、こんな話をした。 なるほど連合赤軍というのは、結果的に、狂信的な犯罪集団となった。だがそれは、彼らがなまじ、社会変革という正義や理想を徹底して追求した…
岩波ホールで『サラエボの花』を観て来る。 本作品に興味を持ったのは、サッカー日本代表オシム監督が推薦しているから、というだけではない。 自分は昨年『図解「世界の紛争地図」の読み方』(isbn:4569667198)という本の仕事をやったとき、旧ユーゴのこと調…
PHP文庫『裁判所へいこう! 』(asin:4569669220)刊行。 要するに裁判傍聴入門本ですね。 今回は、冒頭の、そもそも裁判所とはどのような場かといった概説のほか、刑法裁判の各種例(殺人罪、放火罪、窃盗罪、詐欺罪etcetc)、世界の法学史上のトリビア(珍…
と、くだらない妄想を浮かべるのは気が楽だが、ファンタジーではない現実の日本の田舎の風景を見ていると、いろいろ複雑な気分になる。 先日、日帰りで信州旅行に出かけた。 わたしは中高生時代九州にいたが、7歳まで信州の諏訪に住んでいて、祖母の家が諏…
『ひぐらしのなく頃に』もそうだが、近年は、ゲームやらアニメやらのオタク分野では、『アカイイト』とか、『腐り姫』とか(これは18禁のゲーム)、とある地方都市を舞台に、その土地の伝承、地縁血縁のしがらみが絡んで怪奇的なストーリーが展開する「田舎…
暇があったので、前から知人(複数)が面白いと述べていた『ひぐらしのなく頃に』のアニメを全話観る。 絵柄は一見いかにも今風の萌えアニメ(もとは同人ノヴェルゲームだが)と見せかけて横溝正史ばりの陰惨シリアスな内容、というのはあらかじめ大雑把に知…
この「電氣アジール日録」をはじめたのが2003年の11月24日であるから、早いもので4周年となる。 しかし、つくづくどんな人間が読んでいるのかよくわからない面もある。 ブログの編集欄の「リンク元」を見ると、「山田風太郎」とか「ガンダム」とかいうキー…
以前『架空世界の悪党図鑑』の執筆に関わった時、「文学の中の悪党」の章で、敬愛する山田風太郎の作品から『妖説太閤記』(isbn:4062738953)の豊臣秀吉と『警視庁草子』(isbn:4480033416)の川路利良を取り上げたが、本当は、風太郎作品からのチョイスな…
今やっている『ガンダム00』は、歴代ガンダムで初めて「アメリカ」や「IRA」など、実在の国家、勢力が実名で登場する。それこそ、20年後に観たら、劇中の固有名が現実とまるきり変わっているかも知れない。 『ガンダム00』は「どこの国にもない超兵器を持つ…
KKベスト新書『100文字でわかる世界地図』橋本五郎監修(isbn:4584121613)刊行。 今回当方は、第1章「世界経済の現場地図」、第2章「世界の生活の現場地図」、第3章「世界の紛争の現場地図」の各章左側ページと、地図に入る説明の大部分を担当しました。…
わたしがネット上で初めて書いたSS(ナチスの親衛隊ではなく、ショートストーリー)は、『マリみて』でもなければ『月姫』でもなく『カラマーゾフの兄弟』の二次創作だったw 先日、ドストエフスキーについて書いてから、色々あさってたら、もう何年も前に『…
PHP文庫『文蔵 11月号』刊行。 今回は江戸川乱歩特集ということで、当方は、大した仕事ではありませんが『怪人二十面相』や『黒蜥蝪』や『黄金仮面』などの各作品の舞台となった東京都各地の図解マップ、現在入手可能な全作品文庫リスト、そして、乱歩をめぐ…
話をバテレンの国ではなく我々自身の日本に置き換えるなら、『拝啓天皇陛下様』の渥美清演じる山田二等兵のような、戦前戦中の日本人が持っていた天皇制への信仰心は、現代に世界普遍的な目で見れば、ドストエフスキーの夜郎自大なロシア賛美と変わることな…
さて、このブログはどうも左巻き人間にウケが良いらしいので、たまにはそれをひっくり返すようなことを書きたい。 結局『カラマーゾフの兄弟』新訳版まだ読んでないくせに、月刊『ユリイカ』がドストエフスキー特集、というので、なんとなく立ち読みしたら、…
2005年秋刊行の『「世界の神々」がよくわかる本』(isbn:4569665519)以来続けてきたPHP文庫の神話・伝説・ファンタジー概説シリーズも遂に5冊目に突入で、『伝説の「武器・防具」がよくわかる本』(isbn:4569669182)が刊行。今回は―― I.剣(両刃の刀剣) …
これは仕事と関係なく、今さらながら『シルバー假面』を観る。 前評判は良くなかったので期待もしてなかったが、たまたま、これまた仕事のため江戸川乱歩の初期短編とか読み返してたら、その手のネタが盛りだくさんで思わず口元を緩める。 恐らく、なんでシ…
もうひとつ、仕事のため『天皇機関説幕末機関説いろはにほへと』を観る。 戊辰戦争の奇妙な副産物としての、旧幕臣による蝦夷共和国に目をつけたお話である。 榎本武揚がいささか大物扱いすぎるが、確かに、考えてみりゃ、天皇制と関係ない国づくりを本気で…
仕事のため、法務省が作った、2009年導入予定の裁判員制度の広報ビデオを観た(『裁判員』という題名のものと『評議』という題名のものの2本がある) まあ当然、広報映画としては良くできてたんだが、わたしのようなへそ曲がりには、同時に、何とな〜く、こ…
『SAPIO』と『正論』で小林よしのりが「ガンジー主義」と「憲法9条」の違いを論じているが、もっとわかりやすい言い方があるのに、と思った。 「ガンジー主義」とは「ハンガーストライキ」と同じだ、と言えばいいのに、と。 ハンガーストライキとは、相手に…
「KY」(空気読めない)を流行語大賞にさせようという人々は、恐らくは「空気に従うのは良いことだ」「自分は空気に従っている」と思っている人間なのであろうと思われる。 そのことと話は少しズレるけれど、これまた前にも書いたが、昨今のネット世論には、…
この際ハッキリ述べておくが、「空気読め」は暴力である。 だが、暴力だからイケナイ、などと陳腐なことを言う気はない。それを言うなら、人間と人間の関係はすべて暴力だ。 わたしも毎日暴力を振るって生きている。西友地下食品売り場で通りすがりの見知ら…
今さらな話ばかりだが、円天だかL&Gだかという悪徳商法が話題らしい。 その会員の間では、とにかく新規会員を増やさないとならないという「空気」が支配的だったという。 L&G被害者「誰かを誘わないと…、という空気だった」 http://www.iza.ne.jp/news/ne…
えらく今さらな話だが、なんでも「KY」(空気読めない)を流行語大賞にさせようという運動とやらがあるらしい。 ハテ、空気とやらはそんなにエラいのか? 奇をてらってのコジツケ話ではないが、昨今、これまた今さらのように「戦時中の沖縄集団自決は軍命令…
(※本業が忙しいので更新の間が空いて、いちいち旬をズレた話ばかり書いてます。ご了承ください)