新卒で入ったサイバーエージェントで、半年ものあいだ営業成績が圧倒的ビリだったところから一転……、新人賞や全社MVPを獲得し、起業したベンチャー企業を半年で70人に、3年で180人規模にまで育てたトライフォートCEO大竹慎太郎氏の著書『起業3年目までの教科書』 の発売を記念して、大竹氏のかねてからの友人であるけんすう氏(古川健介氏・Supership取締役)との起業家対談2本目をお届けします。
(取材・文:編集集団WawW! Publishing乙丸益伸、岡田絢子)
必読書10冊を発表!
大竹:今回読書家としても知られているけんすう君に聞きたいのは、「これから起業・独立を考えている人がビジネス書を読むなら、絶対この順番でこの本を読めっていう10冊」というものです。
けんすう:10冊……、結構ヘビーでしたよ。この質問前日に送られてきたし……。
大竹:ごめんね(笑)でもその日のうちに10冊のリストが解説付きで送られてきてビックリしました。
けんすう:頑張りました(笑)
大竹:ではまずは10冊の発表からいきましょう! 答えはこの10冊です!
2.『HARD THINGS』(ベン・ホロウィッツ、日経BP社)
3.『ツイッター創業物語 金と権力、友情、そして裏切り』(ニック・ビルトン、日本経済新聞社)
4.『不格好経営 チームDeNAの挑戦』(南場智子、日本経済新聞社)
5.『我が逃走』(家入一真、平凡社)
6.『成功者の告白』(神田昌典、講談社)
7.『Founders at Work 33のスタートアップストーリー』(Jessica Livingston、アスキー・メディアワークス)
8.『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ、NHK出版)
9.『論語と算盤と私』(朝倉祐介、ダイヤモンド社)
10. 『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』(ジャレド・ダイアモンド、草思社)
なぜこの順番に読むべきなのか?
大竹:それぞれの本の解説に入る前に、なぜこの順番で読むのがいいんですか?
けんすう:これは誰かが「起業とか独立したいなぁ」って思ったら、起業したい気持ちを推進してくれる本と起業したくないっていう気持ちを起こす本の両方を、10冊ぐらい交互に読んでから起業するかどうかを考えたほうがいいのかなって思いまして。
大竹:なるほどなるほど。天国と地獄の壁打ちみたいな?
けんすう:そうですねー、例えば『HARD THINGS』とか読むと、起業するのやめときたくなるんですよ(笑)
大竹:書いてあることハードすぎるもんね。うわー、起業キツそうだなーってなる(笑)
けんすう:一方、家入さんの『我が逃走』とかはすごく勇気をくれるんですよ。こんなダメな人でも起業できたんなら、なんか自分でも大丈夫なんじゃないかみたいな勇気が湧いてくる本です(笑)
大竹:確かに(笑)
けんすう:そうやって読んでいって、自分の心を確かめてみるっていうための順番であり、10冊です。
これでも「不格好」…?
大竹:では、それぞれの本の紹介を!
けんすう:まず『起業の科学』は、国内外のベンチャー企業に投資を行うベンチャーキャピタリストで、ご自身も日本に4社とシリコンバレーに1社を起業した連続起業家でもある田所さんが書いた本で、起業に関することがいろいろまとまっていて便利です。これは僕も起業いけるんじゃないか? という気持ちになれます。
大竹:まずは気持ちを上げてくれる本を(笑)
けんすう:次に、シリコンバレーでいま最も注目されているベンチャーキャピタルの創業者であるベン・ホロウィッツの『HARD THINGS』を読むと、「やっぱり起業って大変なんだなー」って思って、悲しくなります。起業やめようかなって思えます。
大竹:笑
けんすう:その後、『ツイッター創業物語』という、ツイッターの立ち上げ当初からの物語を紹介した本を読むと、ツイッターの創業メンバーってクソみたいな人たちばかりなので、「こんなクソみたいな経営していても大きな事業ってできるんだなー」と勇気が湧いてきます。
大竹:クソみたいな人たちばかり(笑)
けんすう:その後に『不格好経営』というDeNAの創業者の南場さんが書いた本を読むと、「頭がいい人ってこれを不格好っていっちゃうんだ……」とレベルの差に愕然として、起業するのやめようかなって思います。
大竹:確かに(笑)