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2021.07.31
# オリンピック

一度の不祥事で、人生を「全否定」される…東京五輪で見えてきた「末恐ろしい風潮」

キャンセル・カルチャーをご存じか?

思い出してほしい。

あなたの小中学校で、イジメはあっただろうか。

「あった」と答える人の方が多いはずだ。2009年の調査では、小学校で87.1%、中学校で93.0%の人が、言動によるいじめ被害を受けたというデータがある。これだけいじめの「被害経験」が報告されているのだから、それを見たことがある人も多いだろう。

Photo by iStock
 

いじめ・セクハラ加害者としての経験

私は、いじめの被害にあったこともある。そして傍観者だったことも、笑って見ていた……つまり加害者になってしまったこともある。そのときいじめてしまった人には、お詫びのしようもない。お詫びを押し付けること自体が、被害経験の上塗りになる。

私もいじめの被害経験から、そのことを理解している。だから私は心の中で詫びながら、子どもを支援したり、人権保護をしたりする団体に寄付することで罪滅ぼしをしてきた。悪行は消えない。せめて今後、できることをするしかない。

そして、セクハラの加害者になってしまったこともある。未婚の知り合いに向かって、「結婚しないの?」「え、◯◯くんなら絶対モテそうなのに!」と発言してしまったことがある。この言葉を浴びた人が性的マイノリティだったら、あるいは何らかの事情で結婚を諦めている、苦労された方だったら……。当時の私には、そういう配慮が一切なかった。

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