いま世間は、誹謗中傷に関するニュースで溢れている。そのほとんどが、SNSに端を発するものだ。
兵庫県知事選以降、SNSなどで誹謗中傷を受けていた竹内英明元兵庫県議(享年50)が1月に亡くなった件はいまも検証が続いている。カップ麺「赤いきつね」のウェブCMは、ネット上で虚偽の情報が拡散され、企画に携わった制作会社は「看過できない」と声明を発表した。
有名人や有名企業のみが、こうした被害に遭うわけではない。弁護士ドットコムが2月に発表した調査によると、ネット上で誹謗中傷をされたことが「ある」と答えた人は約3割だったという(回答者は1329名)。決して対岸の火事ではないのだ。
誹謗中傷を受けたとき、どのような対応をとるべきなのか。実際にネット上の攻撃と戦ってきた人たちの声を聞いてみよう。
ブログへの中傷
「私のブログに『嘘つき』などといったコメントを異常な頻度で書き込む人がいたので、警察に被害届を出しました」
こう振り返るのはタレントの堀ちえみさん(58歳)だ。
1月15日、堀さんのブログや掲示板に中傷の書き込みをしたとして、47歳の女性が侮辱と脅迫容疑で逮捕された。さらに、2年前から1万6000回を超えるメッセージを送ったとして、2月に再逮捕されている。
「日記の内容すべてに侮辱的なことを書かれました。リウマチの薬を飲んでいることについて『別のクスリやってるだろ』などと言われるんです。本当にストレスでした。
それから『もっと犬の散歩をしろ』『もっと朝早くに家を出ろ』と行動を束縛するような投稿が増えて、身の危険を覚えたので警察に相談しました」