このほかに1億円以上の配当収入を得ている主な人物は以下の通りだ。
■スクウェア・エニックス名誉会長の福嶋康博氏→約8.2億円
■日本電産社長の永守重信氏→約7.7億円
■グリー社長の田中良和氏→約5.6億円
■大東建託会長の多田勝美氏→約4億円
■アートネイチャー会長兼社長の五十嵐祥剛氏→約1.8億円
■マツモトキヨシホールディングス会長兼CEOの松本南海雄氏→約1.7億円
■コーセー会長の小林保清氏→約1.1億円
五十嵐氏以外はみな創業者か創業者一族だ。配当長者になるには大量の株式を保有することが条件となるため、やはり名前があがるのは莫大な株式を所有する創業者やオーナーたちとなっている。
業種別に見ると、パチンコ関連業種からはSANKYO会長の毒島秀行氏(約4.6億円)、藤商事社長の松元邦夫氏(約4.3億円)、フィールズ会長の山本英俊氏(約3.9億円)などが多くの配当収入を得ているという特徴も見られた。
ちなみに、約8.9億円の役員報酬を受け取り、「高額役員報酬ランキング」トップに立つ日産CEOのカルロス・ゴーン氏の場合、配当収入はゼロ。経営悪化を受けて、同社が'09年度に配当金を支払わなかったためだ。
一方で、ランキング3位に入った大日本印刷社長の北島義俊氏は、役員報酬約7.8億円に加えて、配当収入を1.8億円ほどもらっている。合計すると9.6億円ほどで、ゴーン氏の年収を超えた。
「とはいえ、ゴーン氏は日産株を300万株ほど保有。同社は'08年度に11円、'07年度に40円の年間配当を支払っているので、二年間で合計1.5億円ほどの配当収入をもらっています。
単年だけ無配にする企業は多い。お金持ちが誰なのかを見極める際には、継続的にどれくらいの配当が支払われているか気をつけて見て欲しい」(前出・経済部記者)
税金で半分ほど取られる
そもそも株式を買ったことがない人には、配当金はまったく縁のないもの。配当金はどうやって決められるのだろうか。
大阪市立大学大学院教授の石川博行氏が言う。
「1株当たりの当期利益に対してどれくらい配当するかを決めている会社が多いのですが、ほかにも最低額を保証している会社、そもそも基準を明示していない会社など色々あります。基準を示していても、リーマンショック後に利益が激減し、これを変更する企業もたくさんあった。実質的に取締役会で決定されるもので、こうしなければいけないという規定はありません。