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ウェブ技術者と地域行政が出会うプログラム~ 「コード・フォー・アメリカ」の試み

市川 裕康

 来年1月、20名の若きウェブ技術者による、米国の地域行政をよりオープン、透明、そして効率的にするための11ヵ月間のプログラム、「コード・フォー・アメリカ(Code for America)」が始まります。

コード・フォー・アメリカとは?

 「コード」とは、コンピュータプログラムの「ソースコード」に由来する言葉で、「プログラミングをする」と同義語です。つまり、優秀なウェブ技術者を集め、選ばれた各地方都市の既存の行政サービスを改善するために、ウェブアプリケーションの開発をしてもらう、期間限定のプログラムのことです。

 全米の貧困地域のパブリックスクールに新卒大学生を教師として派遣する教育系非営利団体、「ティーチ・フォー・アメリカ(Teach for America)」をモデルにしています。

 ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアの発達により可能になりつつある、個人間の情報の可視化、透明化、コラボレーションを、地方の行政サービスにも活用し、地域の社会的課題の解決を目指す、という野心的な取り組みです。

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 一方で、大幅な予算削減に直面し、ますます増大する行政サービスを効率的に提供するための切実な実験ともいえます。

 プログラムの内容は合計11ヵ月間で構成されています。最初の1ヵ月はサンフランシスコに招聘され、ウェブ業界、行政分野の専門家による講演等を含むオリエンテーションを受けます。

 その後は5人ずつのチームに別れ、1ヵ月間、今回選ばれた4都市(ボストン、フィラデルフィア、ワシントンDC、シアトル)に滞在し、各行政担当者や地域関係者へのヒヤリングを行います。

 その後の9ヵ月月間は、サンフランシスコのオフィスに戻り、各都市の担当者と連絡を取りながら、ウェブアプリケーションの開発を行う、というしくみです。ITスタートアップを生み出すための、インキュベーション・センターのようなイメージが近いかもしれません。

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