高配当株投資の最大のメリットは「定期的なキャッシュ収入」
王道の長期インデックス投資ではなく、成長投資枠1,200万円を高配当株に投資するメリットをまとめると、以下に見ていく3点になります。
(1) 高配当株投資は定期的にキャッシュが入るので生活費+αに使える。値動きが読めない株価と違い、今期の予想配当額を事前に公表している企業が多いので消費の計画も立てやすい
この話をすると「インデックス型投資信託でも、例えば運用資産の4%分を毎年定期的に売却する」といった取り崩しルールを決めれば同じだという人もいます。ただ定率で売却する場合は投資信託の基準価額の上下動で受け取り額が変わってきます。
毎年決まった金額を現金化する定額方式の場合は基準価額の下落などで運用資産が減っているときも同じ金額を取り崩すため、資産の減り方が不規則になり管理しにくくなります。
この(1)こそが新NISAの成長投資枠で高配当株に投資する最も大きなメリットになります。
暴落時にも心の余裕を保てるほか、経済の勉強にもなる
(2) 株価が暴落しても配当金さえ減らなければインカムに変化はないので心穏やかに株式市場を眺めていられる
インデックス投資の基本は、利益も再投資に回して複利効果で資産を大きく増やすことです。複利効果は「雪だるま」といわれるように時間が経てば経つほど、その効果が発揮されます。
逆にいうと頻繁に利益を確定したり、分配金を受け取ったりすると十分な複利効果が得られません。つまり、資産運用中は運用資産に手をつけず、長期投資という名の「禁欲生活」に徹する必要があります。暴落が来て運用資産が急減しても、その恐怖や不安にひたすら耐えないといけません。
2024年8月5日、日経平均株価が前日比4,451円安という史上最悪の下落幅を記録したときには恐怖や不安にかられて、インデックス型投資信託ですら解約する人が出た、といった記事も見かけました。
まだ新NISAが始まって1年足らず。つみたてた資産が最大でも360万円にしか達していない状況でも暴落が来たら大騒ぎになります。努力に努力を重ねて新NISAの非課税投資枠1,800万円を埋め切った直後に2008年9月のリーマンショックのような株価暴落に見舞われたら、どれほどの騒ぎになってしまうのでしょう。
リーマンショックをはさんだ2007年6月~2009年2月、米国株価指数S&P500は直近高値から60.7%下落し、元に戻るまでに4年9カ月の月日がかかりました。さすがにリーマンショックレベルの金融危機が来たら、高配当株の株主配当も業績悪化で減配の憂き目に遭うと思います。
それでも株主配当がまったくのゼロになることはないでしょう。投資元本についてはあまり気にせず、定期的に株主配当を受け取ることで、家計に少しは余裕を持たせることができます。
優良高配当株に投資していれば株主配当を受け取りながら株価の回復をじっくり待つこともできます。
(3) 高配当株に限らず個別株投資はマクロの経済環境から業界動向、個別企業の業績や財務などを調べる必要があるのでとても勉強になる
私も最初は面倒くさそうだなぁと思っていましたが、必要に迫られて学ぶうちにどんどん興味が湧いて銘柄分析が趣味になりました。今ではYouTube動画を通じた視聴者の皆さんとの交流が生きがいになっているほど。
インデックス投資だと結局「全世界株式かS&P500に連動したインデックス型投資信託」の一択になります。全世界株式かS&P500のどちらがいいのかといった些末な論争がSNS上で繰り広げられていますが「どっちでも大きな違いはない、好きなほうに投資すればいい」というのが結論です。
すなわち、インデックス投資はすでに最適解=答えが出ているのであらためて知識をつけたり、技術を磨いたりする余地はありません。
その点、個別株投資でいい銘柄を探すのはお宝探しみたいなもの。株式投資がとても楽しくなることは保証します。
かつを
YouTuber
※本記事は『買って寝るだけ! ゼロから5年で月5万円もらえる高配当株』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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