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GoogleがChromeの広告ブロックの新方式「マニフェスト V3」を正式発表、拡張機能やPWAの改善などの新情報も


Googleが、2020年12月9日からオンラインで開催している開発者向けカンファレンスChrome Dev Summit 2020で、ベータ版Chrome 88がChromeの広告ブロックの新仕様である「マニフェスト V3」に対応したことを発表しました。イベントではこのほか、Chrome 88からはウェブサイトをアプリのように動作させるProgressive Web Apps(PWA)がGoogle Playの課金システムに対応することや、拡張機能のプライバシー設定がより高度化させることなども明かされました。

Chromium Blog: Chrome Dev Summit 2020: Building an open web for our users and developers
https://blog.chromium.org/2020/12/chrome-dev-summit-2020-wrap-up.html

Chrome Dev Summit 2020の初日となる12月9日に、GoogleがChromeの次期バージョンであるChrome 88には大きく分けて3つの新しい変更が加えられることを発表しました。

◆1:「マニフェスト V3」への対応
Chromium Blog: Manifest V3 now available on M88 Beta
https://blog.chromium.org/2020/12/manifest-v3-now-available-on-m88-beta.html

Chrome 88 Beta brings extension Manifest V3 - 9to5Google
https://9to5google.com/2020/12/09/chrome-88-beta-extension-manifest-v3/

マニフェスト V3とは、GoogleとMicrosoftが共同で開発しているChromiumの拡張機能設定ファイル・マニフェストのバージョン3のことです。マニフェスト V3により、広告ブロック機能をはじめとする拡張機能の自由度が低下すると予想されることから、発表当初は「Googleが広告ブロック無効化計画を進めているのではないか」と物議を醸しました。

Chromeの「広告ブロック無効化計画」はまだ続行中であることが判明 - GIGAZINE


こうした懸念を受けてGoogleは、AdBlock Plusの開発者らと協力して、マニフェスト V3で適用される新しい「declarativeNetRequest API」でも広告ブロッカーが正常に動作するよう改修を行いました。

マニフェスト V3の発表に際して、AdBlock Plus開発チームのSofia Lindberg氏は「Googleの拡張機能チームと、我々のエンジニアリングチームは緊密に連携しています。これにより、マニフェスト V3が有効になった後も広告ブロック機能を引き続き利用できることが確認されたことを、大変うれしく思います」とのコメントを寄せています。


ベータ版Chrome88で既に有効化されているマニフェスト V3は、2021年1月に予定されている正式版Chrome 88のリリースにより正式にChromeに実装されます。また、マニフェスト V2のサポート終了時期は記事作成時点では未定ですが、Googleによると少なくとも1年間は移行期間が設けられる予定だとのことです。

◆2:PWAがGoogle Playの課金システムに正式対応する
Chromium Blog: Easy to build, monetize, and discover: List your web app on Google Play
https://blog.chromium.org/2020/12/pwa-play-billing-support.html

Google Play Billing is Coming to Progressive Web Apps - Thurrott.com
https://www.thurrott.com/cloud/web-browsers/google-chrome/244916/google-play-billing-is-coming-to-progressive-web-apps


Google Chrome 88 Beta adds payment API for web apps, plus tab searches
https://www.xda-developers.com/chrome-88-beta/

開発者向けコミュニティサイトのXDA Developersは12月9日に、「Chrome 88に、待望されていたDigital Goods APIが導入されました。これにより、PWAの開発者は、Google Playなどの課金システムを介した課金ができるようになります」と報じました。

これまで、Google Playの課金システムを利用できるのは本格的なアプリのみでしたが、この変更によりPWA開発者がGoogle Playストアにアプリを掲載することが可能になりました。また同時に、PWAでもアプリ内課金やサブスクリプション制の課金といった、普通のアプリと同様の課金システムを導入できるようになると見られています。

この機能は、ChromeをメインのユーザーインターフェースとしているChrome OSのバージョン88で開発が進められているほか、2021年3月にリリース予定のChrome OS 89で正式対応されるとのことです。

◆3:拡張機能のプライバシー設定の強化
Making Chrome extensions more private and secure
https://blog.google/products/chrome/making-chrome-extensions-more-private-and-secure/

Google will change how Chrome extensions access data in 2021 | VentureBeat
https://venturebeat.com/2020/12/09/google-will-change-how-chrome-extensions-access-data-in-2021/

Googleによると、Chromeは2015年にはユーザー数が10億人を突破したトップシェアのブラウザであると同時に、Chromeウェブストアで25万以上の拡張機能やテーマが配信されている一大プラットフォームでもあるとのこと。そこでGoogleは、拡張機能がサイトにアクセスする際の挙動を変更し、安全性を強化すると発表しました。

現行では、ユーザーが拡張機能にウェブサイトへのアクセスを許可した場合、全てのサイトへのアクセスがデフォルトで許可されるようになっていますが、Chrome 88からはこの方式でのアクセス許可をデフォルト設定から外すとのこと。これにより、ユーザーは拡張機能に対して、アクセスを許可するウェブサイトを個別に選択することができるようになります。


また、開発者ポリシーを改訂し、拡張機能の開発者が「ユーザーデータの販売を行わないこと」などの条項を順守しているかがChromeウェブストアの分かりやすい場所に掲載されるようになるとのこと。Googleはほかにも、2021年以降ChromeのEnhanced Safe Browsingを通じてさまざまな保護機能を追加していく予定としています。

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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