2013.10.23 青葉市子の4thアルバム ”0” 日常と地続きに寄り添う唄たち、そして「機械仕掛乃宇宙」の詩的世界。
10月23日、今日は私の中でとても重要な、歴史的出来事がありました。
青葉市子の4thアルバム『0』の発売日。
今までのアルバムも傑作ぞろいで、どれもこれも魅力的なのは間違いないのですが、それでは今までアルバムとこの”0”は一体何が違うのか?
それは稀代の名曲『機械仕掛乃宇宙』が収められていることに他なりません。
青葉市子さんのライブに足繁く行っている方なら当然の如くご存じかとは思いますが、だいたい〆かその付近で歌われるこの曲に心を奪われた方は多いでしょう。
演奏時間12分23秒。1曲あたり5分程度が一般的なこの世界からすると、とても長い曲です。しかし、イントロが始まった瞬間に圧倒的な詩的世界に取り込まれ身動きできなくなり、カラフルに変化を遂げる曲調に心が惑わされ、終盤のたたみかけるような激しいギターに「まだ終わらないでくれ、もっとこの世界にいさせてくれ!」という思いを抱かされ、演奏が終わった後で12分が一瞬で過ぎていたことに気づきます。
それほどまでにこの曲のパワーはすさまじい。
以前に上記のエントリーでも書きましたが、『機械仕掛乃宇宙』が市子さんのアルバムに収録されることは考えていませんでした。というのも、この曲の元々の歌い手・山田庵巳さんが日々演奏を進化させながらこの歌を歌い続けており、それに対して市子さん自身が「今もこの弾き方で歌っているかはわかりませんが・・・」と仰ってたこともあり、なんとなく収録に躊躇うものがあるのかなと感じていたからなんです。
今回収録された『機械仕掛乃宇宙』は、市子さんが独奏会で歌われている”市子さんならでは”の演奏表現そのまま。進化し続ける庵巳さんの歌とは別に、ひとつの完成形としての『機械仕掛乃宇宙』が収録されたことは嬉しい限りです。今後市子さんの演奏も進化を辿るかもしれませんが、このかたちでの『機械仕掛乃宇宙』がパッケージになっておくことで、その系譜を追うこともできるでしょう。
とにかく、独奏会でしか聞くことのできなかったこの歌を、毎日堪能したいと思います。
青葉市子
4thアルバム「0」
2013年10月23日発売
VICL-64215 / 全8曲収録 / ¥2,100(税込)
SPEEDSTAR RECORDS
01. いきのこり●ぼくら
02. i am POD (0%)
03. Mars 2027
04. いりぐちでぐち
05. うたのけはい
06. 機械仕掛乃宇宙
07. 四月の支度
08. はるなつあきふゆ