Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

境町(さかいまち)は茨城県西地域猿島郡にある利根川江戸川の分岐点に位置する[1]関東大都市圏[2]古河都市圏に属する。

さかいまち ウィキデータを編集
境町
境町旗 境町章
境町旗 境町章
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 茨城県
猿島郡
市町村コード 08546-4
法人番号 3000020085464 ウィキデータを編集
面積 46.59km2
総人口 23,937[編集]
推計人口、2024年12月1日)
人口密度 514人/km2
隣接自治体 古河市坂東市猿島郡五霞町
千葉県野田市
町の木 モクセイ
町の花 カンナ
境町役場
町長 橋本正裕
所在地 306-0495
茨城県猿島郡境町391-1
北緯36度06分30秒 東経139度47分42秒 / 北緯36.10847度 東経139.79494度 / 36.10847; 139.79494座標: 北緯36度06分30秒 東経139度47分42秒 / 北緯36.10847度 東経139.79494度 / 36.10847; 139.79494
外部リンク 公式ウェブサイト

境町位置図

― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
テンプレートを表示

概要

編集

境町について1936年出版の『茨城大観』には「戸数八百四十一、人口四千五百五十一、猿島郡の中央に位し、県立中学校の所在地である。利根川に沿い往時、北総並常陸地方と江戸との舟楫の要津であった。今でも尚汽船によって東京との交通をなす」とある[3]

江戸時代関宿藩に属し、利根川対岸の城下町と一体と看做され、河川舟運を活かして発展した。慶長年間に河岸が設置され、安永3年(1774年)には河岸問屋2軒が公認された。その翌年の統計によれば、奥州から江戸に向かう荷物が年間3万駄、その反対の荷物が7千駄であり、高瀬舟艀舟などが計129隻あったと記録されている。廃藩置県後は猿島郡役所及び西葛飾郡役所が置かれた。

現在の境町は昭和の大合併で、旧境町、長田村、静村、森戸村、猿島村との合併により誕生した。平成になって、現在は坂東市となった岩井市及び猿島郡猿島町との合併が検討されたが、住民投票の反対多数により単独町制継続となった。

地理

編集

利根川が町の南端を東西に流れる。東京都心から比較的近い約50〜60キロメートル(km)にあり、上述の通り関東大都市圏に属する。旧境町を中心に公共施設商店街、大型店、住宅地が集中する一方、郊外はのどかな田園風景となっている。

また町内には猿島台地があり、台地上では地の利を生かしてさしま茶が生産されている。

河川

編集

池沼

編集

歴史

編集

年表

編集

人口

編集
 
境町と全国の年齢別人口分布(2005年) 境町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 境町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
境町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 21,773人
1975年(昭和50年) 24,347人
1980年(昭和55年) 25,696人
1985年(昭和60年) 26,297人
1990年(平成2年) 26,922人
1995年(平成7年) 27,237人
2000年(平成12年) 27,171人
2005年(平成17年) 26,468人
2010年(平成22年) 25,714人
2015年(平成27年) 24,517人
2020年(令和2年) 24,201人
総務省統計局 国勢調査より


行政

編集

なお、2018年の町長選に、現職の橋本正裕と新人の高嶋勇喜が出馬したが、高嶋の名前「勇喜」の読みが「てつわんあとむ」として話題となった[4]

公共施設等

編集
 
境町歴史民俗資料館

公園

編集

消防

編集

警察

編集

経済

編集

農業

編集

農産物

編集

農業系組合

編集

商業・観光

編集

著名建築家隈研吾設計の施設を、2018年開館の6次産業化施設「さかいサンド」を皮切りに、「さかい河岸レストラン茶蔵」、特産品開発に取り組む「S-Lab」、美術館「S-Gallery」、「モンテネグロ会館」(後述)、2021年開業の干し芋カフェ「S-ブランド」[5](建設前の仮称は「まちかどカフェ」)と全国市町村で最多の6ヵ所を立て続けに整備している[6]。隈研吾作品を目当てに町外から訪れる見学者を含めて、中心街や町経済の活性化につなげる狙いがある[7]

商工系組合

編集

工業

編集

工業団地

編集
  • 猿山工業団地
  • 下小橋工業団地
  • 染谷工業団地

郵便

編集

金融機関

編集

地域

編集

町内の大字

編集

境地区

編集
  • 大字無し)
    • 本船町
    • 下仲町
    • 上仲町
    • 上町
    • 住吉町
    • 宮本町
    • 坂花町
    • 新吉町
    • 山神町
    • 旭町
    • 松岡町
  • 陽光台一丁目・二丁目
  • 塚崎
  • 横塚
  • 稲尾
  • 志鳥
  • 長井戸
  • 猿山
  • 蛇池
  • 下砂井
  • 栗山
  • 西泉田
  • 上小橋
  • 下小橋
  • 染谷
  • 浦向
  • 金岡
  • 大歩
  • 山崎
  • 内門
  • 伏木
  • 一ノ谷
  • 百戸
  • 若林
  • 新田戸
  • 桐ケ作

教育

編集

医療機関

編集

交通

編集

鉄道

編集

町内を鉄道は通っていない。鉄道を利用する場合、最寄り駅は東武日光線南栗橋駅だが、公共交通機関が利用可能な最寄り駅としては、東武伊勢崎線東武動物公園駅東武野田線川間駅JR宇都宮線古河駅がある。

路線バス

編集

自動運転バス

編集

2020年11月26日、日本国内初の自動運転バスの定常運行を開始[8]。誰でも事前予約なしで無料で乗車できる。町がフランス製「ナビヤ・アルマ」3台を導入し、BOLDLYが運行を管理する[9][10]。町内を循環する「道の駅さかい-猿島コミュニティセンター」と、高速バスの停留所につながる「道の駅さかい-高速バスターミナル」の2ルートで運行している。今後は増車し、町中心部に加え、郊外にもルートを拡大する計画がある[11]

路線バス

編集

市内では朝日自動車昭和観光自動車の路線バスが運行している。

詳細はそれぞれの事業者の以下を参照。

なお、朝日自動車のバス事業の事実上の前身である東武バスのバス事業の盛時には、境町ターミナルは一大拠点であり、野田市駅幸手駅間々田駅下館駅結城駅栗橋駅新古河駅下妻駅岩井、さらには東京駅浅草などへ向かうバス路線も存在していた。現在でも、東武動物公園駅古河駅川間駅方面の路線網が残る。

高速バス・境町高速バスターミナル(東京線)

編集

境町大字西泉田1230番地1(境町サッカー場・境町アーバンスポーツパークに隣接)
圏央道境古河インターチェンジ(境古河IC)近くの境町サッカー場・境町アーバンスポーツパーク隣接地に境町高速バスターミナルが整備され、2021年7月1日開業のJRバス関東関東鉄道が運行する境町 - 東京線高速バスが発着する。当路線は予約不要の先着定員制である。
町では町民で境町から都内に通学する学生に対し、定期券購入費の半額の助成を行っている[12]

空港バス・境古河バスターミナル(成田空港線)

編集

境町大字栗山815(ふれあいの里南側)
圏央道境古河インターチェンジ(境古河IC)近くの境町ふれあいの里に境古河バスターミナルが整備され、2017年11月1日より成田空港直行高速バスが停車する。当路線は予約制で事前に乗車券の購入が必要となる。発車オ〜ライネットで取り扱い、コンビニエンスストアなどで購入できる[13]

メープル号およびサルビア号関東自動車千葉交通運行)は2024年3月をもって廃止。[14]

道路

編集

ナンバープレート

編集

ナンバープレートは「つくばナンバー」である。ご当地ナンバーとして新設され、2007年2月13日から導入された[16]

名所・旧跡・観光スポット

編集

主な恒例行事

編集

1月(成人の日)には「境だるま市」、7月には「境ふるさと祭り」が行われ、大変賑わう。特に「境ふるさと祭り」では、近郊だけでなく遠くからも多くの人々が訪れ、近郊の夏祭りと比べても非常に規模が大きく有名である。

ふるさと祭りのイベントとして行われていた、利根川自作イカダレースを「利根川いかだレース選手権 inさかい」として実施。その他にも「菜の花フェスティバル」などが行われている。

著名な出身者

編集

政治家・経済人

編集

スポーツ選手

編集

芸能人・文化人

編集

スポーツチーム

編集

事件・事故

編集
  • 2013年(平成25年)5月27日 - 境町の自動車修理工の男性(38歳)が自宅寝室で刺殺される事件が発生[19]。茨城県警は6月6日、同町山崎のアルバイト店員の男性(24歳)を殺人容疑で逮捕した[19]
  • 2019年(令和元年)9月23日 - 住宅街から離れた林の中に位置し、周辺には田んぼも広がっている境町若林の住宅で会社員の男性(48歳)と妻のパート従業員(50歳)が殺害され、子ども2人が重軽傷を負った事件が発生した[20][21]。重軽傷を負った長男と次女は「帽子とマスクの男に襲われた。犯人は1人だった」と証言している[21]。事件発生から1年となる2020年(令和2年)9月23日から3年間、解決につながる情報の提供者に最高で100万円の懸賞金が支払われることになった[22]。2021年5月7日、県警は夫妻に対する殺人容疑で埼玉県三郷市の26歳の無職の男を逮捕した[23]。男は16歳の時に放火、通り魔事件を起こしていた[24]。また男は自宅で硫黄約45キロなどを貯蔵したとして2020年12月にさいたま地検が消防法違反の罪で起訴し、警察手帳の記章を偽造した疑いで茨城県警が2021年2月に逮捕、3月に水戸地検が起訴していた[23]

脚注

編集
  1. ^ 境町 第2期SDGs未来都市計画(2024-2026)”. 境町. 2024年9月25日閲覧。
  2. ^ 総務省統計局 経済センサスと統計地図(大都市圏の売上高)【1.関東大都市圏】
  3. ^ 『茨城大観』264頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2021年8月31日閲覧。
  4. ^ 「高嶋てつわんあとむ」は何者か 茨城県の町長選挙に出馬し話題”. ライブドアニュース. 2022年4月27日閲覧。
  5. ^ 干し芋カフェ開業 隈氏設計 境町6施設目 まち歩きの新拠点に”. 茨城新聞 (2021年5月28日). 2022年4月27日閲覧。
  6. ^ 茨城・境町、隈氏設計カフェ建設へ 同氏施設が最多に日本経済新聞ニュースサイト(2020年11月11日)2020年11月29日閲覧
  7. ^ 【クリック】茨城・境町、隈氏作品で街おこし/負担少なく来訪者増『日本経済新聞』朝刊2020年11月23日(地域総合面)2020年11月29日閲覧
  8. ^ 境町で自動運転バスを定常運行しています【自治体初!】
  9. ^ 自動運転バスが定常運行を開始---国内で初めて、茨城県境町で Response.(2020年11月26日)2020年11月29日閲覧
  10. ^ 「駅がない」町にやってきた 全国初!自動運転バス(2021年1月18日) - YouTube”. www.youtube.com. 2021年1月23日閲覧。
  11. ^ 自動運転EVバス8台運行へ 年度内に新型5台 ルート拡大計画 茨城・境町
  12. ^ 「境町~東京駅線」の高速バス定期券を利用して通学する学生に、定期券購入費の半額を助成します!
  13. ^ 乗車券のご予約・購入方法
  14. ^ 成田空港線(メープル号・サルビア号)路線廃止のお知らせ 関東自動車 2024年10月8日閲覧
  15. ^ 国頭村「公設市場」、道の駅にオープン 沖縄の特産物販売 境町毎日新聞』朝刊2020年11月15日(茨城県版)2020年11月29日閲覧
  16. ^ 「つくば」ナンバー”. 土浦自動車検査登録事務所. 2024年9月25日閲覧。
  17. ^ モンテネグロ会館へのオマージュ アルゼンチン大使館
  18. ^ 長田小学校とアルゼンチンとの交流 境町歴史民俗資料館だより 第3号、平成28年9月15日
  19. ^ a b “被害者妻の同僚、殺人容疑で逮捕 茨城・境町”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2013年6月7日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG06059_W3A600C1CC1000/ 2019年9月28日閲覧。 
  20. ^ “仲良く夫婦で野球応援 茨城殺人、近所で不審人物も”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2019年9月23日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50115530T20C19A9CZ8000/ 2019年9月28日閲覧。 
  21. ^ a b “【深層リポート】茨城・境町の一家4人殺傷事件 動機絞り込めず捜査難航”. 産経ニュース (産経新聞社). (2019年12月14日). https://www.sankei.com/article/20191214-6EJJKFLRAZJZ7CC6BWX4A2HEQA/2/ 2020年12月5日閲覧。 
  22. ^ 茨城県猿島郡境町大字若林地内における殺人・殺人未遂事件 茨城県警察公式サイト。2020年12月5日閲覧。
  23. ^ a b “茨城の家族殺傷事件、26歳男逮捕 夫妻への殺人容疑”. 日本経済新聞 電子版 (日本経済新聞社). (2021年5月7日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF072YX0X00C21A5000000/ 2021年5月7日閲覧。 
  24. ^ 「殺すほうが大事です。そっちのほうが、興奮するから」殺人に快楽を覚える“反社会性パーソナリティ障害””. 文春オンライン (2021年6月18日). 2022年6月11日閲覧。

参考文献

編集
  • 茨城県教育会編『茨城大観』協文社、1936年。

関連項目

編集

外部リンク

編集