新井見枝香
新井 見枝香(あらい みえか、1980年7月24日[1] - )は、かつて三省堂書店、2019年5月より「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE」に勤務していたカリスマ書店員[2]。エッセイスト。ストリッパー[1]。
文学賞の「新井賞」を主催。
経歴
[編集]東京都台東区根岸出身[3]。地元の小学校を経て東邦音楽大学附属東邦中学校・高等学校に入学した[3]。14歳でGLAYをテレビで見てからロックバンドが好きになり、ライブに足を運ぶようになった[3]。内部進学した東邦音楽大学(ホルン専攻)在学中には自らバンドを結成しその活動に夢中になり大学を中退[1]。アイスクリーム店など様々なアルバイトを経て、28歳のときに三省堂書店有楽町店[3]のアルバイト店員となる。その後契約社員を経て正社員登用されると、「新井賞」を創設したほか、「新井ナイト」と称したトークイベントを開催するようになる。2015年7月には新たにオープンした池袋本店にイベント担当として移籍。その後営業本部、神保町本店に異動し2019年4月に退社[4]。カリスマ書店員・花田菜々子の誘いを受け、5月にHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEに入社[4]。
2018年6月、桜木紫乃からの誘いでストリップ劇場・シアター上野[4]に行ったことをきっかけにそれにハマり[3][1]、2020年2月、福井県にある劇場芦原ミュージック(福井県あわら市)で自らも踊り子デビュー[5]。
2022年2月にHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE閉店に伴い、2022年10月現在渋谷店に勤務している[3]。その後退社[6]。
新井賞
[編集]新井が個人的に推したいと選定した本に贈られ、直木賞・芥川賞発表の同日の夜に発表される[7]。直木賞受賞作より売上が伸びた例もあり、発表時にメディアで記事が出ることもある[8]。ジャンルが小説に限らない、国内の作品に限らない、ということが特徴である。2020年の第13回を最後に発表が無かったが、第1回受賞者の千早茜が直木賞を受賞した2023年1月19日に新井賞の終了を発表した[9]。
以下は過去の受賞作の一覧。
- 第1回(2014年度上半期)- 千早茜『男ともだち』文藝春秋。ISBN 978-4-16-390066-7(⇒のち文春文庫。ISBN 978-4-16-790807-2)
- 第2回(2014年度下半期)- 早見和真『イノセント・デイズ』新潮社。ISBN 978-4-10-336151-0(⇒のち新潮文庫。ISBN 978-4-10-120691-2)
- 第3回(2015年度上半期)- 辻村深月『朝が来る』文藝春秋。ISBN 978-4-16-390273-9(⇒のち文春文庫。ISBN 978-4-16-799133-3)
- 第4回(2015年度下半期)- 角田光代『坂の途中の家』朝日新聞出版。ISBN 978-4-02-251345-8(⇒のち朝日文庫。ISBN 978-4-02-264908-9)
- 第5回(2016年度上半期)- 彩瀬まる『やがて海へと届く』講談社。ISBN 978-4-06-219925-4(⇒のち講談社文庫。ISBN 978-4-06-514528-9)
- 第6回(2017年度上半期)- 芦沢央『貘の耳たぶ』幻冬舎。ISBN 978-4-344-03099-2(⇒のち幻冬舎文庫。ISBN 978-4-344-42939-0)
- 第7回(2017年度下半期)- 桜木紫乃『砂上』KADOKAWA。ISBN 978-4-04-104600-5(⇒のち角川文庫。ISBN 978-4-04-109597-3)
- 第8回(2018年度上半期)- 三浦しをん『ののはな通信』KADOKAWA。ISBN 978-4-04-101980-1(⇒のち角川文庫。ISBN 978-4-04-111067-6)
- 第9回(2018年度下半期)- はるな檸檬『ダルちゃん』小学館。1巻(ISBN 978-4-09-179268-6)・2巻(ISBN 978-4-09-179269-3)
- 第10回(2019年度上半期)- レティシア・コロンバニ『三つ編み』(齋藤可津子訳)早川書房。ISBN 978-4-15-209855-9
- 第11回(2019年度下半期)- 小川糸『ライオンのおやつ』ポプラ社。ISBN 978-4-591-16002-2(⇒ポプラ文庫。ISBN 978-4-591-17506-4)
- 第12回(2020年度上半期)- レティシア・コロンバニ(齋藤可津子訳)『彼女たちの部屋』早川書房。ISBN 978-4-15-209938-9
- 第13回(2020年度下半期)- 桜木紫乃『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』KADOKAWA。ISBN 978-4-04-111112-3(⇒のち角川文庫。ISBN 978-4-04-114100-7)
著作
[編集]単著
[編集]- 『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム、2017年12月。ISBN 978-4-79-805344-8)
- 『本屋の新井』(講談社、2018年10月。ISBN 978-4-06-513413-9)
- 『本屋の新井』講談社文庫、2021年9月。ISBN 978-4-06-524970-3
- 『この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ』(秀和システム、2019年2月。ISBN 978-4-79-805597-8)[10]
- 『きれいな言葉より素直な叫び』(講談社、2023年1月。ISBN 978-4-06-529615-8)
共著
[編集]- 『胃が合うふたり』千早茜との共著(新潮社、2021年。ISBN 978-4-10-334193-2)
出演
[編集]テレビ番組
[編集]ラジオ番組
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d "カリスマ書店員・ストリッパー/新井見枝香インタビュー~"性欲の対象"に憧れて…". 週刊実話WEB. 日本ジャーナル出版. 8 March 2022. 2022年3月8日閲覧。
- ^ 山口佳奈 (2019年6月6日). “直木賞より売れる「新井賞」書店員一人で勝手に選考”. NIKKEI STYLE. 日本経済新聞社. 2019年7月17日閲覧。
- ^ a b c d e f “文学賞より売れると評判の“新井賞”創設の書店員 39歳でストリッパーデビューした理由 | 女性自身”. WEB女性自身. 2022年10月31日閲覧。
- ^ a b c “女の体は祝福されていると思った ストリッパーデビューの書店員語る舞台の魅力 | 女性自身”. WEB女性自身. 2022年10月31日閲覧。
- ^ “ストリッパーになった名物書店員・新井さん「楽になった」”. 小学館 (2020年4月9日). 2022年2月27日閲覧。
- ^ 書店員から39歳でストリッパーへ/きっかけは直木賞作家S/新井見枝香 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜 2023.10.9
- ^ “新井賞”. 文学賞の世界. 2019年7月17日閲覧。
- ^ “書店業界などが注目 「新井賞」に仏小説「三つ編み」”. NHK. (2019年7月17日) 2019年7月19日閲覧。
- ^ @honya_arai (2023年1月19日). "新井賞もこれにて終了にしよう。". X(旧Twitter)より2023年1月20日閲覧。
- ^ “出版書籍データベース”. 日本出版インフラセンター. 2019年7月17日閲覧。
- ^ "新井見枝香". セブンルール. 30 January 2018. フジテレビ系列. カンテレ. 2018年7月17日閲覧。
- ^ “カリスマ書店員・新井見枝香が教える『売れる本の置き場』”. ニッポン放送 (2019年2月13日). 2019年7月19日閲覧。
- ^ “カリスマ書店員・新井見枝香 ラジオパーソナリティ初挑戦! 芥川賞作家・町屋良平と本対談”. ニッポン放送. (2019年3月5日) 2019年7月19日閲覧。
外部リンク
[編集]- 新井見枝香 (@honya_arai) - X(旧Twitter)
- 新井見枝香 (@honya_arai) - Instagram