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馬場あき子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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馬場 あき子ばば あきこ
文化功労者顕彰に際して
公表された肖像写真
ペンネーム 馬場 あき子
(ばば あきこ)
誕生 馬場 暁子
(ばば あきこ)
(1928-01-28) 1928年1月28日(96歳)
日本の旗 東京府
職業 歌人
評論家
作家
教育者
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
民族 大和民族
最終学歴 日本女子専門学校
国文科卒業
活動期間 1955年 -
ジャンル 短歌
主題 論説
評論
主な受賞歴 現代短歌女流賞(1977年)
川崎市文化賞(1985年)
迢空賞(1986年)
詩歌文学館賞(1989年)
読売文学賞(1994年)
斎藤茂吉短歌文学賞(1996年)
朝日賞(2000年)
現代短歌大賞(2002年)
日本芸術院賞(2003年)
紫式部文学賞(2007年)
日本歌人クラブ大賞(2011年)
前川佐美雄賞(2012年)
デビュー作 『早笛』(1955年)
配偶者 岩田正
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馬場 あき子(ばば あきこ、1928年(昭和3年)1月28日 - )は、日本歌人評論家作家教育者勲等旭日中綬章。歌誌かりん主宰(短歌結社:歌林の会)[1]日本芸術院会員文化功労者本名は岩田 暁子(いわた あきこ)[2]。かつての本名は馬場 暁子(ばば あきこ)。

小学生時代に韻文の面白さに目覚め、『古今集』や『平家物語』の韻律に強く心を揺さぶられた。1948年に昭和女子大学国文科卒業後、中学、高校で教鞭をとった。

窪田章一郎に師事し、その主宰誌「まひる野」に入会。1977年、歌作と著述に専念するために教職を辞した。翌年には歌誌「かりん」を創刊。歴史の裏側に追いやられてきた、紡ぎ、包丁を持つことに象徴される「女手」の意味を掘り返し、そこに思想の根元と創作の動機を見据えようとした。歌集に『早笛』(1955年)、『飛種』(1997年)など。能の舞手であり、その方面への造詣も深い。評論に『式子内親王』(1969年)、『鬼の研究』(1971年)などがある。

人物

歌人[2]、および、文芸評論家で、短歌結社「かりん(歌林の会)」を主宰する[1]朝日歌壇[3]岩手日報「日報文芸」、新潟日報読者文芸選者も務める。古典やに対する造詣が深く、喜多実に入門、新作能の制作も行っている。また、『鬼の研究』など民俗学にも深い知識を持つ。日本芸術院会員に選任され、文化功労者として顕彰された。

門下には梅内美華子坂井修一米川千嘉子今野寿美日高堯子松村由利子日置俊次など。

来歴

生い立ち

東京府出身、日本女子専門学校(現・昭和女子大学)国文科卒業[2][1]1947年(昭和22年)、「まひる野」に入会し、窪田章一郎に師事[2]喜多流宗家に入門[1]1948年(昭和23年)、この年より東京都の中学・高校の教師を務める。

歌人として

1955年(昭和30年)、第一歌集『早笛』を刊行[2]。古典、とりわけ能への造詣が深く独特な歌風を拓き、以後『地下にともる灯』(1959年)、『無限花序』(1969年)、『飛花抄』(1972年)を刊行[2]1959年(昭和34年)より翌年にかけて、教職員組合の婦人部長として、安保闘争デモ等に参加。岸上大作らとの関わりを持つ。1971年(昭和46年)、評論『鬼の研究』を出版[4]1977年(昭和52年)、教員生活を終え「まひる野」を退会。歌誌『かりん』を創刊。以後、『朝日新聞』歌壇選者、NHK市民大学、NHKラジオ・テレビ趣味講座などで活躍。1998年(平成10年)、『馬場あき子全集』(三一書房)完結。

能作家として

1995年(平成7年)、新作能「晶子みだれ髪」を上演[1]1997年(平成9年)、新作能「額田王」を初演[5]2004年(平成16年)、新作能「小野浮船(おののうきふね)」を初演[6]2017年(平成29年)、新作能「利休」を上演[7]

家族・親族

夫は歌人の岩田正[2]

賞歴

栄典

作品リスト

歌集

  • 早笛 まひる野会, 1955. まひる野叢書
  • 地下にともる灯 馬場あき子歌集 新星書房, 1959. まひる野叢書
  • 無限花序 馬場あき子歌集 新星書房, 1969.
  • 飛花抄 新星書房, 1972. まひる野叢書
  • 『桜花伝承』牧羊社、1977(現代短歌女流賞・昭52)
  • 馬場あき子歌集 国文社, 1978.4. 現代歌人文庫
  • 雪鬼華麗 馬場あき子歌集 牧羊社, 1980.6. かりん叢書
  • うつぎ丘陵 馬場あき子歌集 沖積舎, 1982.6.
  • 『晩花』短歌新聞社, 1985.6. 昭和歌人集成(ミューズ女流賞・昭61)
  • 『葡萄唐草』立風書房, 1985.11 のち短歌新聞社文庫(迢空賞・昭61)
  • 雪木 歌集 角川書店, 1987.7.
  • 馬場あき子歌集 短歌研究社, 1987.1. 短歌研究文庫
  • 『月華の節』立風書房, 1988.12(詩歌文学館賞・1989)
  • 南島 馬場あき子歌集 雁書館, 1991.11
  • 『阿古父』砂子屋書房, 1993.10. かりん百番(読売文学賞・1994)
  • 暁すばる 馬場あき子歌集 短歌新聞社, 1995.9. 現代女流短歌全集
  • 『飛種』短歌研究社, 1996.3.(斎藤茂吉短歌文学賞・1997)
  • 青椿抄 馬場あき子歌集 砂子屋書房, 1997.4. かりん叢書
  • 馬場あき子百歌 歌林の会 編著. 三一書房, 1998.5.
  • 青い夜のことば 馬場あき子歌集 雁書館, 1999.11. かりん叢書
  • 飛天の道 馬場あき子歌集 砂子屋書房, 2000.9. かりん叢書
  • 世紀 馬場あき子歌集 梧葉出版, 2001.12. かりん叢書
  • 九花 馬場あき子歌集 砂子屋書房, 2003.12. かりん叢書
  • 馬場あき子歌集 続 短歌研究社, 2004.3. 短歌研究文庫
  • 太鼓の空間 馬場あき子歌集 砂子屋書房, 2008.12. 新かりん百番
  • 鶴かへらず 馬場あき子歌集 2011.9. 角川短歌叢書
  • 舟のやうな葉 馬場あき子歌集 短歌新聞社, 2011.11. 新現代歌人叢書
  • あかゑあをゑ 歌集 本阿弥書店,2013.11. かりん叢書
  • 記憶の森の時間 KADOKAWA/角川学芸出版,2015.3. かりん叢書

全集

  • 馬場あき子全集』全13巻 三一書房、1995-98(毎日芸術賞・1997)
  • 馬場あき子全歌集』角川書店、2021.9.

評論

  • 式子内親王 1969. 紀伊国屋新書 のち講談社文庫ちくま学芸文庫 
  • 鬼の研究 三一書房, 1971. のち角川文庫ちくま文庫
  • 大姫考 薄命のエロス 大和書房〈大和選書〉, 1972.
  • 穢土の夕映え 発心往生論 芸術生活社, 1974.
  • 遊狂の花 大和書房, 1974.
  • 修羅と艶 能の深層美 講談社, 1975.
  • 古典への漂遊 読売新聞社, 1977.10.
  • 百人一首 平凡社カラー新書 1977.12.
  • 日本女歌伝 角川書店, 1978.10.
  • 古典への飛翔 読売新聞社, 1979.6.
  • 世捨て奇譚 発心往生論 1979.2. 角川選書
  • 歌枕をたずねて 1981.2. 角川選書
  • 与謝野晶子の秀歌 短歌新聞社〈現代短歌鑑賞シリーズ〉, 1981.1.
  • 和泉式部 美術公論社, 1982.9. のち河出文庫
  • きもの随想 織と染 美術公論社, 1982.10.
  • 歌への招待 日本放送出版協会, 1983.10. NHK市民大学
  • 歌と花 わが心の風景 白水社, 1983.11.
  • 古典余情 読売新聞社, 1983.12.
  • 風姿花伝 岩波書店, 1984.11. 古典を読む のち同時代ライブラリー,岩波現代文庫
  • 短歌への招待 読売新聞社, 1987.12.
  • 馬場あき子の謡曲集 集英社, 1987.5. わたしの古典 のち文庫
  • 季節のことば 講談社, 1988.6.
  • 短歌その形と心 NHK短歌入門 日本放送出版協会, 1990.5
  • かく咲きたらば 朝日新聞社, 1992.6.
  • 短歌セミナー 短歌新聞社, 1993.9.
  • 現代短歌に架ける橋 馬場あき子歌人論集 雁書館〈雁叢書〉, 1994.10.
  • 古典往還 読売新聞社, 1994.11.
  • 源氏物語と能 雅びから幽玄の世界へ 堀上謙 写真. 婦人画報社, 1995.12.
  • 歌の彩事記 読売新聞社, 1996.11.
  • 閑吟集を読む 弥生書房, 1996.3.
  • 女歌の系譜 1997.4. 朝日選書
  • はるかな父へ うたの歳時記 小学館, 1999.7.
  • 最新うたことば辞林 作品社, 2001.2.
  • 能の四季 堀上謙 写真 たちばな出版, 2001.9.
  • 男うた女うた. 女性歌人篇 2003.10. 中公新書
  • 掌編源氏物語 潮出版社, 2004.3.
  • 花のうた紀行 新書館, 2004.11.
  • 歌説話の世界 講談社, 2006.4.
  • ゆふがほの家 不識書院, 2006.10.
  • 黒川能の里 庄内にいだかれて 大石芳野写真 清流出版, 2008.2.
  • 読んで愉しむ能の世界 淡交社, 2009.3.
  • 歌よみの眼 日本放送出版協会, 2010.1.
  • 能・よみがえる情念 能を読む 檜書店〈ひのき能楽ライブラリー〉, 2010.2.
  • 日本の恋の歌 角川学芸出版, 2013.3.

新作能

  • 「晶子みだれ髪」
  • 「額田王」
  • 「小野浮舟」

共編著

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 大島史洋ほか編『現代短歌大事典』三省堂、2004年、p.485、ISBN 4-385-15419-8
  2. ^ a b c d e f g 村松定孝、渡辺澄子編『現代女性文学辞典』東京堂出版、1990年、p.271、ISBN 4-490-10284-4
  3. ^ 馬場あき子の「百人一首」”. NHK出版. 2017年7月7日閲覧。
  4. ^ a b 村松定孝、渡辺澄子編『現代女性文学辞典』東京堂出版、1990年、272p.、ISBN 4-490-10284-4
  5. ^ 「朝日新聞」1997年09月02日夕刊、p.11
  6. ^ 「朝日新聞」2004年12月21日夕刊、p.8
  7. ^ 「朝日新聞」2017年02月06日夕刊、p.3
  8. ^ 「朝日新聞」1997年05月14日夕刊、p.7
  9. ^ 朝日賞 1971-2000年度”. 朝日新聞社. 2022年8月17日閲覧。
  10. ^ 「朝日新聞」2002年11月20日朝刊、p.37
  11. ^ 「朝日新聞」2003年03月29日朝刊、p.37
  12. ^ 「朝日新聞」2007年08月15日朝刊、p.20
  13. ^ 日本歌人クラブ大賞歴代受賞者”. 日本歌人クラブ. 2020年3月3日閲覧。
  14. ^ 「朝日新聞」2012年04月11日朝刊、p.31
  15. ^ 「朝日新聞」2019年10月30日朝刊、p.32
  16. ^ 令和元年度 文化功労者”. 文部科学省 (2019年11月3日). 2020年11月2日閲覧。
  17. ^ 令和3年春の叙勲受章者名簿(旭日中綬章受章者) - 内閣府
  18. ^ 『官報』号外第99号、令和3年4月30日
  19. ^ "第437回6月定例会:提出議案と審議結果."『小野市議会だより』203号(2022年8月)p.5 (2024年4月18日閲覧)。

関連項目