スマトラサイ
スマトラサイ | |||||||||||||||||||||||||||
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スマトラサイ Dicerorhinus sumatrensis
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保全状況評価[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
CRITICALLY ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書I
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Dicerorhinus sumatrensis (Fischer, 1814)[3][4][5] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
スマトラサイ[6] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Hairy rhinoceros[4][6] Sumatran rhinoceros[3][4][5][6] |
スマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)は、哺乳綱奇蹄目サイ科スマトラサイ属に分類されるサイ[7]。現生種では本種のみでスマトラサイ属を構成する[4]。
分布
[編集]インドネシア(スマトラ島)[3]。インド、カンボジア、タイ王国、バングラデシュ、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ラオスでは絶滅[3]。ミャンマー北部に分布する可能性もある[3]。
模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は、スマトラ[4][5]。種小名sumatrensisは「スマトラ産の」の意で、和名や英名と同義。
形態
[編集]頭胴長(体長)236 - 318センチメートル[4]。尾長65センチメートル[6]。肩高108 - 150センチメートル[6]。体重800 - 1,000キログラム[6]。現生のサイ科では最小種[4]。皮膚の厚さ1.6センチメートルで[4]、サイ科としては薄い[6]。全身は耳介も含めて、粗く長い体毛で被われる[6]。皮膚は暗灰褐色[4]。
2本の角があり、最大角長38.1センチメートル(平均オス25センチメートル、メス10センチメートル)[6]
出産直後の幼獣は体長90センチメートル[6]。体重25キログラム[6]。角長2センチメートル[6]。メスは角が小型で、後部の角は瘤状[6]。
分類
[編集]以下の亜種の分類は、Grubb(2005)に従う[5]。
- Dicerorhinus sumatrensis sumatrensis (Fischer, 1814)
- インドネシア(スマトラ島)[3]。タイ王国、マレーシア(マレー半島)では絶滅[3]。
- Dicerorhinus sumatrensis harrissoni Groves, 1865
- インドネシア(ボルネオ島)?[3]。マレーシア(ボルネオ島)では野生下絶滅[3]。
- Dicerorhinus sumatrensis lasiotis (Buckland, 1872)
- ミャンマー北部?[3]。インド、バングラデシュ、ブータンでは絶滅[3]。
生態
[編集]熱帯雨林や湿潤林などに生息し、特に河川や沼の周辺に好んで生息する[6]。以前はジャワサイと同所的に分布する地域では本種はより標高が高い場所に生息しすみわけていたが、生息地が激減したため様々な標高に生息する[6]。昼間は水浴びや泥浴びをし、夜間は採食を行う[6]。単独やペアもしくはその幼獣からなる家族群を形成し生活する[6]。オスは30平方キロメートル、メスは10平方キロメートルの行動圏内で生活する[6]。斜面や崖を素早く登ることができる[6]。泳ぎも上手く、海を泳いだ例もある[6]。
樹皮、木の枝、葉、イチジク類・マンゴーなどの果実、タケノコなどを食べる[6]。
繁殖形態は胎生。妊娠期間は8か月という報告例があるが、疑問視されている[4][6]。3 - 4年に1回の頻度で1頭の幼獣を産む[6]。授乳期間は16 - 17か月[6]。生後7 - 8年で性成熟する[6]。
人間との関係
[編集]角が工芸品とされたり、角に限らず血液や糞尿まで薬用になると信じられている[6]。
角目的の密猟、プランテーションへの転換や道路建設による生息地の破壊、違法な木材採取・鳥類採集・漁業による攪乱などにより生息数は激減している[6]。1975年のワシントン条約発効時から、(1977年からはサイ科単位で)ワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]。1989年における生息数は536 - 962頭、1993年における生息数は356 - 495頭、1995年における生息数は約300頭と推定されている[6]。
日本では1921年(大正10年)に天王寺動物園がスマトラサイを23,500円で購入した記録が残る[8]。 2020年の時点で日本ではさい科(サイ科)単位で特定動物に指定されており、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[9]。2020年の時点でシンシナティ動物園(2001年・2004年・2006年)と、Sumatran Rhino Sanctuary(2012年と2016年)で飼育下繁殖例がある[3]。
出典
[編集]- ^ I, II and III (valid from 28 August 2020)<https://cites.org/eng> (downroad 12/01/2020)
- ^ a b UNEP (2020). Dicerorhinus sumatrensis. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (download 12/01/2020)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n Ellis, S. & Talukdar, B. 2020. Dicerorhinus sumatrensis. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T6553A18493355. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T6553A18493355.en. Downloaded on 01 December 2020.
- ^ a b c d e f g h i j k l Colin P. Groves, Fred Kurt, "Dicerorhinus sumatrensis," Mammalian Species, No. 21, American Society of Mammalogists, 1972, Pages 1 - 6.
- ^ a b c d e f Peter Grubb, "Order Perissodactyla," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 629 - 636.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 小原秀雄 「スマトラサイ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、 133頁。
- ^ Norman Owen-smith 「サイ」祖谷勝紀訳『動物大百科 4 大型草食獣』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、52-51頁。
- ^ 下川耿史 『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p345 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
- ^ 特定動物リスト (動物の愛護と適切な管理) (環境省・2020年12月1日に利用)